ボーはおそれているのレビュー・感想・評価
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子どもの時よく迷子になった人は共感できると思う
ボーはやたら治安が悪い所に住んでいる。何の仕事してるんだろう?カウンセリング受けてるからお金はあるのかなあ。カウンセリングって効き目あるのかなあ。私は懐疑的だ。物語を勝手に作られてしまう気がする。記憶は記憶。特に家族に関する記憶に正しいも間違いもないと思う。整合性とか正誤なんかどうでもいいのが家族にまつわる記憶なんだと思う。自分に都合よく記憶は形成されるんだ。
迷子になると子どもは不安になるが、何度もそういう経験をすると迷子状態に慣れてくる。自分からデパートの然るべき所に行って「迷子になりました」と告げて自分の名前と年齢、母親の名前、住所などを言う。なぜ迷子になるのか?母親が子どもの手も繋がず振り向きもせず、満員のデパート地下フロアを先にどんどん歩むからだ。子どもにとって昔のデパ地下には夢のようなお菓子やディスプレイが山のようにあった。だから立ち止まりたい。そういう子どもの気持ちを母親はまるでわからず理解しようともしない。想像力の欠如。
迷子アナウンスが流れてしばらくすると鬼の形相の母親が来る。迷子になった子どもをやっと見つけて母親は嬉しい顔もしなければ心配してたんだよ、とも言わない。子どもだって母親の顔が心配とほっとした顔でなくて怒っていることは見てわかる。だから、自分も嬉しい顔もしないし泣かないしまして笑顔なんてありえない。なんで迷子になるのよ、ちゃんとついて来ないからでしょ、と言いながら母親は子どもをつねるのだ。
そんな子どもの頃の迷子話を大人になって母親にしても忘れている。か、忘れたふりをする。迷子話以外でもとにかくよくつねられた。夫や姑や舅との関係でイライラしていたんだろう。まだ20代の若い母親。かわいそうに。でも子どもの私もかわいそうだったのだ、と言いたい。
自分はこれこれのつもりなり意図をもって何か話したり行動するけれど、必ずしも親なり家族は同じように理解してくれるとは限らない。それは相手もそうだろう。自分だって親や家族や親戚のことを「正しく」理解しているとは限らない。だからボーは誤解されるのだ。誤解されるから不安でいっぱいになってしまうのだ。
不条理な不安でいっぱいのホアキンの顔、情けなくも笑うしかない。咆哮ばかりのメノーシェ、可哀想だけど笑えて仕方なかった、でもいい役だった!最後かっこいい!そしてボー " Mr. Wassermann" はその名にふさわしく水に戻った。
これはやっかいな
坊はおそれている
3時間近くあることを危惧しなかなか見れてなかったけど、公開終了日にしてようやく足が動いた。アリ・アスターの映画を見たことなければ、それほど評判がいい訳でもないし、A24×ホアキン・フェニックスのタッグは個人的に苦手だったので期待してなかったけど、自分の映画癖と監督の作家性がびったりハマって、予想外にもめちゃくちゃ楽しめた。これならもっと早く見とけば良かった。
奇妙かつ不気味で、理解が追いつかないストーリーなのに、次なる展開とホアキンの顔芸が見たくて仕方なくなってしまう。まさに見る薬物。40分置きに切り替わる映像に、一瞬たりとも目が離せない。ちょっと違うのかもしれないけど、過激なウェス・アンダーソンって感じがして、すっごいワクワクしました。周りの感想からして、酷評する気満々だったから驚き。これ、超好物😍
ラスト付近から画面が真っ暗で失速気味になるんだけど、179分間一瞬たりとも睡魔が襲ってこなかった。っていうか、こんなあっという間な3時間初めて。怯えて、走って、ぶつかる!躍動感溢れる、ある意味アクションのようなロードムービーに虜になってしまう。そんな中で、全く成長しない、子どものまんまなホアキン・フェニックスに笑いっぱなし。ちゃんと大人になりきれないって、怖いことなんだな〜。
緊張感にどっぷり浸かりながらも、音や映像に刺激され、全感覚が研ぎ澄まされる。風邪の時に見る夢レベルMAX。ひたすら不安でいっぱいになる。でも、何故だかそれが癖になってしまう。薬物中毒を擬似的に体験できる、今年ベスト級のスリラー。音響が素晴らしく、劇場で見ることに価値のあるという点においても、最高の映画だった。
究極の親子共依存ホラー!
正直、訳のわからない3時間ではありましたが所々が面白いので長いなぁ〜と思いつつも鑑賞できました。
最初はコメディ映画かと思いきや、
ホラーっぽくなり、
サスペンスっぽくなり、
終盤はミステリー……?!!
いや、やっぱりホラーなのか??!
よくわからず、鑑賞後にこの映画のジャンルだけ調べてみたところ
紹介サイトによって様々でした。
謎の多い作品ですね。
自分としては不気味で狂った世界観からホラーコメディかなと思う事にしました。
そしてこの映画は
究極の共依存関係にあるボーと母親の話。
毒母の狂った愛情にボーの全ては支配されているが
実はボーには「母の支配から抜け出したい」という願望があってそれがあの不穏な世界観に反映されているのだと。
自ら不安に身を置き不幸を選ぶことで、母の愛に無意識に反発していたのかな。
それを母親はずっと気付いており「子供からの裏切り行為」だと感じながらボーへの憎しみに似た怒りを抱えていた。
そんな表に出さなかったボーの本心が終盤ついに、ガラスケースにダイブする直前の母親への仕打ちに現れたんだと思います。
これ程までに狂った親子共依存の先に、当然幸せは無いのかもしれません。
そんな母子の異常な狂気の世界をこの作品で見せてもらえたのだ!と思う事にします(^^;;
奥が深すぎて鑑賞後には頭もクラクラ…
疲労もピークになってしまう強烈な作品でした。
オデッセイになれたところで
まず冒頭で多くの人が思うこと。
それは恐らく、「んなとこ引っ越せよ」ではないでしょうか。
ゴッサムシティかと見まごうほどに荒廃した街に暮らす主人公。死体は道路に転がったまま、全裸の通り魔がうろつき、なのに警官が勤しむのはナンパばかり。
しかしなぜかコンビニらしき店の中は安全そのもので、退屈そうな店員が平然と店番をしています。
ここから始まる違和感は徐々に積み重なり、やがてひとつに繋がるのです。
作品を通して、メッセージ性の強さに驚かされました。
画面のどこを見ればいいのか分からなくなるほど隠喩や伏線に溢れ、飽きることがありません。
『オオカミの家』を悔しくも見逃してしまってから絶対行くと決めていた本作、大スクリーンであの世界観を体験できて本当によかったと思います。
……あ、医者家族は気持ち悪かったです。ここは伏線とか思考を巡らせるとかじゃなくただただ純粋に、嫌悪感で軽い吐き気がしました。
悪趣味なコメディ(褒めてる)
設定も出来事もかなり意味不明で、品も無くて笑うしかない。でも親から精神的に虐待されて笑うか潰れるかしかないつらーい気持ちが伝わってくる。親から離れて恐怖から解放されたはずの自分は何をおそれているのか、植え付けられた恐怖から逃れられない自分は何にも値せず、「無」しか無いのか…「頑張ってもどうにもならないね(笑)」といった深い諦めと慰めの笑いを感じる映画だった。
ちょっとボーっとなった
評判がイマイチなのと丸々3時間の上映時間ゆえ、体調万全でないと鑑賞中にボーっとなるのではとおそれていたのだが、アリ・アスター新作を観ないわけにいかず、しっかり睡眠をとった週末にようやく劇場へ。
最初のアパートメントでのフルチンやら全身タトゥーやら、とにかく不安神経症的なホアキンのもろもろへの怯えっぷりはおかしかったものの、話が先に進むとシリアス風になっちゃったり、最後のトゥルーマン・ショーは答え合わせのまとめ感ありで、作中、町山智浩の言うユダヤのなんとかとかいろいろあるのだろうけど、もう考えるのが面倒くさくなった。話とは関係ないけど、巨大ぽこちんの腕が頭に突き刺さるところでスターシップ・トゥルーパーズのバグズを想起した。
あと非常に気になったのは、松浦美奈の字幕では「ボウ」なのにタイトルは「ボー」と音引きになっていること。映画業界の人はこういう不統一が気にならないのだろうか…。
初めて、アリアスター面白いと思った
オデッセイ・スリラーってなぁに??
劇場上映がお昼に一回ってとこまで少なくなってきた中、唯一近隣で夜の時間帯に上映してくれていたTOHOシネマズ日本橋(ありがとう!)に駆け込み観賞。
映画館で観てよかったーε-(´∀`; )
コレ、家で観てたら確実に途中離脱してるか流し見に切り替えちゃってるヤーツーwww
前半はとにかく爆笑の連続。
何が起きてるかなんてわかりっこない。でもなんかトンデモナイことばっかり次から次へと起きていく。それこそ先日見たばかりのビックリ箱ホラーな『1408号室』みたいな感じでドーン!バーン!きゃー!!が続く。
それが突然中盤には人生観ロードムービーを芝居で表現するというなんとも回りくどいことをして、最後には毒親との直接対決‼️いや、対決にもなってないか。
途中、ジャバ・ザ・ハットみたいな怪物出てきたと思ったら『キラーコンドーム』ぢゃんwwwアリアスター監督、振り切ったね(*´艸`)
主人公の名前が美しいを意味する『Beau』なのに恐怖しか見えてないのは美しさと恐ろしさは表裏一体……とでも言いたいんかな。
発狂絶叫また発狂
最初の30分くらい面白くて(街の治安悪過ぎ)爆笑したかったのを他の...
ボウのトラブル
どちらかと言うと
どこまでが現実で どこからが妄想かわからない物語
私は全部が誇張もされていない現実なんじゃないかなと感じました
私の両親は健在なんですが、途中死んだらどうしようと怖くなり 終盤の展開は救いでした
主人公は病んでヨタってますが、常に社会性を持ち合わせていて善良で。少なくとも、自分のことしか考えてないのに自分より他人を優先しています。見習わなければ...
臆病なことは罪なのでしょうか?劇中 彼が心配する不安な予測を嘲笑うかのように、常に予測不能な災難が降りかかります。不条理と言えばそれまでなのですが、よく考えたら世の中なんてそんなもん。罰でもなんでもないはずです
自分を責めることと 後悔と反省は別なもので。映画を通して主人公がとった行動の一つ一つは誰も責められないものでした
そう考えると。誰しも もし人生を何回やり直せたとしても同じ選択や同じ決断を何度もして、結局今と同じ自分になる。それが結局ベストだったと気がつくんじゃないかとこの映画を観て思いました
おばけやしき
他人の夢
眠っている他人の脳ミソをぐちゃぐちゃに搔きまわしながら潜り込んで、
その脳ミソが見ている夢の中を当て所なく彷徨っているような感覚でした。
出口がなく、他の入り口も見えず、
混沌の中を流され続ける。
それはラストシーンまで続きます。
その感覚は、遠い昔に桂枝雀主演の「ドグラ・マグラ」を観た時とそっくりです。
すっかり忘れていたのに、鑑賞後鮮明に思い出しました。
我が人生の中で、「ドグラ・マグラ」と「ボーはおそれている」は、
双頭のトンデモ映画になりました。
これが商業映画として成立しているのは本当に驚きです。
ホアキン・フェニックスの演技がなければ、星ゼロでした。
そう言えば、子供の頃にこんな夢を見ました。
学校から帰ったら家の中に誰もいなくて、
その後天井裏を覗いたら、
天井裏に母親の抜け殻がビッシリ隙間なく列んでいた。
びっくりして天井裏から降りたら、
母親が立って無表情でこちらを見ていた。。。
もしかしたら、今はこの映画を受け入れられなくても、
そのうち受け入れることになるのかもしれませんね。
これは傑作だった。
不思議な展開と取り返しのつかない結末
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