「虐待と不運のシナジー」ボーはおそれている 盲田里亭さんの映画レビュー(感想・評価)
虐待と不運のシナジー
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この作品はどこまでが夢(妄想)でどこからが現実か分からなくなります。
ボーは何らかの精神疾患を抱えているように表現されていて、小さな不安が大きく見えたり、思いもしないことが取り返しのつかないことに繋がると考えたりしている小心者です。
そして運が悪い。水で服用しなければならない薬を断水の時間に飲んでしまう、マンションのドアを開けているとそこらのアウトローが部屋に入ってくる(日本人的な感覚で言うと、嫌ならもっと治安マシなところに住めよとは思うが)そういう感じで運はすごい悪いです。
恐怖の演出が上手い。引き込まれるんです。有り得るかもしれないし、でも突然来る。セックスのシーンは凄かったです。緩急というか、本当に怖かった。
ボーは実家が太くて、虐待母がいるんですが、その資産でボーに嫌がらせ(愛情を試してる)をしてるんです。だから最初と最後は仕組まれた物語なんですが、ボーは不運だからよく分からないペンキ飲みガールや森の劇団に遭遇します。
父についてもよく分からなくて、森の劇団の方かチンポの化け物かもう全部分かりません。
はっきり言ってむちゃくちゃな映画です。妄想か現実か分からなくなるし、最後もよく分からないけど、それは最初からそうでそういう作品だから魅力の一つだと思った方が楽しめます。序盤のボーが全裸で車に轢かれるシーンはもはや面白いくらいに不運です。
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