劇場公開日 2024年2月16日

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「最悪な妄想旅」ボーはおそれている kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5最悪な妄想旅

2024年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

難しい

母親が亡くなったことを知り、家に帰ろうとするが夢か現実かもわからない様々なトラブルに巻き込まれ、なかなか辿り着けない最悪の旅を描く。
極度な不安症で精神科にかかるボー(ホアキン・フェニックス)は最悪な日々を送っていたが、母親が住む実家に飛行機で帰ろうとするが、トラブルに巻き込まれ出発できないでいると、母親が急死したと聞かされ、慌てて帰ろうと家を飛び出す。
帰ろうにも帰れない奇妙奇天烈な旅路を4章仕立ての3時間の長尺で描く映画。
1章で登場する危険地域にある自宅の世界観があまりにも現実離れし作られた世界なのでこれは不安症の妄想世界で、現実と妄想を行き来する展開なのかと予測したが、
そのまま、夢かうつつかわからないまま物語はどんどん深みにはまっていくのだ。
2章、3章と世界観が一変するので飽きることはない。
ただ、何を言いたいのか考察し始めると難解すぎて、3時間は疲れてしまうだろう。
ここは考えるのを放棄し、イマジネーションの炸裂する映像世界をただ堪能するのが正解かもしれない。
とんでもない、最悪な旅を体現するホアキン・フェニックスの演技がなければこの映画は成立しなかったのではないか。
母親と息子の関係、血のつながり、献身的に育てた事の見返りは求められるのかとか、家族のつながりがテーマなのかとも思う。

kozuka