「日本人の在り方」北極百貨店のコンシェルジュさん サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
日本人の在り方
先日見た「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」の約3分の1の70分。あの映画見ている間に、本作3回も見れちゃうんだね。どっちもやべぇ。かなりの短尺に若干不安だったのですが、やはり映画と言うよりも短編アニメに近い作りでした。ストーリー自体も、良くも悪くも普通だし。
北極百貨店の新人コンシェルジュを主人公に、多種多様な動物のお客様と触れ合いながら、共に成長していくほっこりムービー。お客様を笑顔に!というモットーに動くことは一貫しているのだけど、結構ブツ切りになっていて、無理やり1本にまとめた感じは否めない。それでも、水彩画の可愛らしいタッチと優しく包み込むような雰囲気に癒され、「ザ・クリエイター」「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」を見た後では、お口直しにちょうどいい映画でした。
お仕事ムービーというよりも、日常の些細な幸せを描くヒューマン(?)ドラマのようなストーリーなので、そこまで身構えず気楽に見れる。新人コンシェルジュの秋乃さんは慌ただしくて落ち着かない性格だけど、常にお客様のことを思っておぼつかないけど暖かく接する、とても人間味のあるキャラクターなので、とても親近感が湧く。機械のように決められた動きをしない、柔軟性のある人物だから、こういう人がスタッフに居たらこっちまで幸せな気分になるだろうな。
でも、お客様に向き合う姿勢はThe・日本人といった感じで、コンシェルジュの優しさに漬け込む客にはちょっと...。礼儀を重んじる文化はとても素晴らしいことだとは思うけど、色々と違和感が。急に設定を盛り込んでくるのにも疑問が残ったし、あくまでそういう世界と終わらせても良かったんじゃないかなと思ってしまった。
丸木さんとかウーリーさんとか、すごくいいキャラだったから優しい映画になったかも。やっぱり包容力のある人物って大事だね。短いけど、色々と考えさせられる作品でした。