愛にイナズマのレビュー・感想・評価
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けっこう複雑で難解だが真実を描いている
オリジナル脚本と知ってなるほどと思った。
この作品を小説にするのは難しいだろう。
この作品もまた難しい。
1500万
作品に必要な最低資金
コロナによるバーへの都からの援助金
見栄のために社長に借りたセイイチのBMW
父のした暴力の代償
詐欺を計画する男たちの皮算用
「意味」があるようなないような数字は、文字通り「意味があるのかないのか」ということへの問いかけだろうか。
さて、
すべてにおいて「理由がない」映画監督オリハラハナコ 決して理由がない訳ではないがその不明確さにいら立つ助監督
オリハラにとって心の中心にある「母の失踪」は、すべて謎のまま
だから「わからない」ことに焦点を当てているのだろう。
理由がないのではなく、なぜそこにこだわるのか「わからない」母の心境に焦点を当て続けている。
当然オリハラがわからないことを助監督には理解できない。
幼少時代に負った心の傷の正体を、映画というコンテンツを使って探そうとしている。
母の失踪理由をドキュメンタリータッチで作ろうとした。
タイトルは「消えた女」
ハナコ以外の家族は概ねその理由を知っていた。
それを「外国へ行った」ことにしていた。
当時はぼんやり受け入れていたハナコだったが、到底受け入れられない嘘に「なぜ?」が大きくなっていく。
兄と連絡しないのも、父からの電話を無視するのも、それが原因だろう。
人の心
「ありえない」ことが「あり得る」のが世の中。
助監督は作品という中で、「そんな人いない」ことが常識だと考えるが、ハナコは実体験から「それが人だ」と考える。
「突発的なあり得ないことは、ある」
「あり得ないことは起こる」
コロナ以降の世界
そして誰もが「体裁よく自分を演じている」世界
中学生の言う「マスク」「酒」 ルールと常識 それに従わないのは悪
中学生は変わってしまった世間の代表だろう。
かつてあった自粛警察と同様
従来の手法でなければならないという助監督
立場を理由に下心丸見え
結局それがきっかけでハナコは降ろされてしまう。
食べていけなくなった俳優オチアイソウタの自殺
その死を食肉と同様に描いているのは、助監督の言葉とは真逆の「死というものの軽さ」
コロナ関連自殺の数 食肉と同じ扱いにされている事実。
作品の中の「生と死」は軽くできないが、世間の「生と死」の扱いに対する驚愕の軽さ。
さて、
ハナコにとって赤は家族の絆の色だったのかもしれない。
それはおそらく母が好きだった色
母が好きだった赤いバラの色
誰もそんなことを覚えてはいないが、自然と赤を身に着けている。
使われることのないケータイの基本料金
思い切ってかけてみると、3年前に亡くなっていた。
父のDV 母の嫌気 不倫 失踪
「本当はまだ生きているかもしれない」という父の言葉の本心がわからなかった。
もしかしたら赤と同じで、いつか戻ってくると信じていたのかもしれない。
ハナコのすべての動機である母の失踪
ハナコの本心は「母の帰還」だったのだろう。
やがて知る父のDVの理由
詐欺計画を練る連中と喧嘩した後、自宅で乾杯 大きな雷鳴と停電
父がろうそくを灯し、ブレーカーを上げる直前火を消したのはなぜだろう?
ずっと一人暮らしだった父
胃がんと余命宣告
その報告で子供たちを集めたつもりだったが、彼らの中にあったモヤモヤの正体こそ母の失踪の真実。
胃がんの報告よりもっと過去のことについて説明しなければならなくなる。
そうして全てのことがわかってしまう。
「何が正しいのかわからない」
父の同級生の言葉
ブレーカーを上げる前の父の言葉「お前ら本当にそこにいるのか?」
実在に対する確認 実在の証明をしたかった。
真っ暗で何も見えないときに、声だけが頼り。
家族の実在を確認したかった父
家族の記憶のないマサオにとって、折原家での出来事は家族がどういうものなのか知る機会となった。
ハグ 存在の確認
ハナコの作品のタイトル 「消えない男」
家族の絆を取り戻した折原家
ハナコの心のもやもやがなくなったとき、もはや母のことよりも父のことの方に焦点が集まっていた。
いなくなった母を探していたら、知らないことだらけの父を、家族を見つけてしまった。
ハナコはこの事実を作品として世に出すことはできるのだろうか?
本当のこと
本心を言え
しかしそれを描くことはイナズマに打たれるようなことなのだろう。
心のもやもやが吹っ切れたハナコだが、自分の作品というものがまったく別物にならざるを得ないように思えてならない。
フィクションの中に垣間見える真実こそ、作品になり得るのかもしれない。
今後彼女はそれをどのように表現していくのだろうか。
これが余韻となって残る。
とても面白くいい作品だった。
凄いメンバー
松岡茉優 窪田正孝 若葉竜也 仲野太賀 親子(!)
佐藤浩一 池松壮亮 芹沢興人 北村有起哉
思い出すだけでも凄いメンバー。
役の端端も みんな凄い。
こんなの集めて作品作ってラインプロデューサーの苦労は如何許りかと。
前置きはここまで。
ストーリーは大まかに言おうが言わまいが
家族の話。
前半のMEGUMIと三浦貴大、ほんとに業界人こんなのいっぱい、というかこんなじゃない人いたら紹介してくれと思う。
後半 家族が集合してからが見応えある。
コロナの事も携帯の解約の事も、かなり監督の意向が全面に出ていて、自分が今まで遭遇してきた腹立たしい事などが羅列されてるのかなあと思ってしまうが。
役者でぐいぐい押してくる作品。
邦画の (私の)好きじゃない部分が満載で。
でも終わりはきっちり泣かせに来て。
いい映画だと思え 思うのが映画をわかってるやつ。
そういう感じなの ほんとに反発してしまう。
「生きてりゃ みんな俳優なんだよ!」とか色々と面白い名台詞が沢山出...
「生きてりゃ みんな俳優なんだよ!」とか色々と面白い名台詞が沢山出て来て、松岡茉優にピッタリなキャスティングとナイス脚本。
監督・脚本の石井裕也さん凄い。
映画業界やテレビの業界が本当にこんなだったら嫌だなぁと思う前半。たぶん本当で良くある話なんだろうと思う。おそらく世界中で。
最近インタビューで『ピアノ・レッスン』の2024年の4Kリマスターでの再上映の時にジェーン・カンピオンが言ってた「ニュージーランドでは まだまだ女性に映画製作は難しい環境、日本では?」と言っていたのも思い出した。
後半ではムカつく2人が出ずに、家族が合流して感動物になって行くのか? その先は?
携帯ショップの定員さんの演出も良かった。
2回も言うが松岡茉優のはまり役!
内容はあまり頭に入ってこなかったけど、実家付近の走水、観音崎、東京...
内容はあまり頭に入ってこなかったけど、実家付近の走水、観音崎、東京湾フェリーが出てきて懐かしかったです。
家族の絆を見直しするドラマ。走水・東京湾と懐かしい場面での家族の集...
家族の絆を見直しするドラマ。走水・東京湾と懐かしい場面での家族の集まり、東京湾フェリーでの散骨、父親の不行跡が実は親友の娘の暴行犯人を追い詰め暴力を振った結果でこれを受けての母親の家出。インパクトのある石井メッセージ。
松岡茉優の凄さをみた
チャプターで分けているのでわかりやすいが,始まりと最後の方ではテーマが変わっていった感じだった。
理由もわからずいなくなった母のことをずっと引きずって生きてきた、映画にする事で吐き出そうともがく成長物語から、家族の歴史を紐解いて絆を再構築する物語になって行く。自分だけが母のいなくなった理由を知らなかったという事実。ここから家族の話になって行く。
わたし的にはこの後半がものすごくささった。
それぞれに音信不通になっていた兄弟が集まり,本音を曝け出し,怒鳴り合い,そして寄り添って一つになっていく過程にとても涙した。
松岡茉優の演技がすごい。前半の言いなりになってストレスになりながらも最後まで振り回されている表情と後半に向けて感情を爆発させた剥き出しの表情は圧巻だ。
若葉竜也、池松壮亮、佐藤浩一,窪田正孝,仲野太賀,皆実力派で見応えあった。
じわじわじわぐわーっ!!!
久しぶりに邦画見たぞ!!!
という気持ち。
じわじわじわと腹立たしさやら胸糞悪さやら不気味さやらが漂う前半から、三兄妹と父が揃ってからの盛り上がりがすごい。
(序盤で1ミリもグッと来ずに寝た我が家族よ、勿体ないねぇ。)
やだ。ぼくもいきます!!!と
おれが長男だから!!!のお兄ちゃんコンビに愛
映画館で見たかったー!!!
なんだか残念な作品
映画監督としてデビューを目指していて、自分の家族のことを書いた内容でデビューがしようとしたが監督から降ろされてしまった花子
そこで、実際の家族のことをとって見返してやろうと思った
何年も連絡を取っていなかった家族と再会をして、そこで父と母のことがちゃんとわかったという内容だった
出演している人が豪華だったのに内容がよくわからなくて頭に入ってこない作品でした
松岡茉優さんが凄い、最初で決めつけず最後まで見てほしい
序盤「もしかしたらつまらないかもしれない…」と思ってしまった自分を殴りたくなるほど徐々に面白くなっていき、最後まで見てよかったな〜と思いました。
仄暗い場面、というか人間の固定観念やある種一定の物事に縛られ囚われて生きている周囲の人物達の中で葛藤する主人公の描写から始まりますが、間に挟んでくるコメディがバランス良くて面白い。
たぶんこれ序盤で見るの諦めちゃう人がいると思うんですが、絶対に最後まで見てほしい作品ですね。
何と言ってもキャスティングが素晴らしい。
この俳優さん方で良かったと心から思います。
特に松岡茉優さん。どんな作品でも惹き付ける魅力がありますね。
アベノマスク・・・忘れてたけど、ちっちゃっ‼️
コロナ禍が始まって丸4年。もう記憶も薄れつつあるけれど、
今もマスクを外せないでいますものね。
2020年4月からガーゼのちっちゃいマスクが1世代に2枚配布され、
【260億円】かかったそうです。
「愛にイナズマ」はWikipediaにも載ってる新進の映画監督の
折村花子(松岡茉優)が、初めて商業映画の監督作品を任されるが、
花子の面倒な性格から、監督を降ろされて、
反撃のため実際の家族を使って、「消えた女」という題名の
6歳の時に自分捨てて出て行った母親の【真実】を撮影始める
コメディ映画。
石井裕也監督は「生きちゃった」(2020年公開)と言うコアな映画を
撮っている。
石井監督がポカっと空いたスケジュールの3ヶ月で取り上げた映画。
脚本は3日で書き上げた。
香港映画の「原点回帰。至極の愛」のテーマで撮る取り決めで
提示された資金は1500万円。
なんか似てますね。
主演は仲野太賀と若葉竜也。凄くエモーショナルな傑作なのです。
この映画も割とそんな感じで発作的かつ即興的に取られてると思います。
脚本はかなり行き当たりばったり、出演者の演技に頼っています。
まぁ石井裕也が声をかければこの豪華な俳優が時間を割いて駆けつけるん
ですね。
役者一人一人の出番が輝いている。
三浦貴大(花子の助監督だがパワハラ・セクハラの挙句に監督を横取り)
【三浦貴大】の最近の変貌は見た目を含めてスゴい。
人から嫌われる《やな奴》に役者の喜びをみつけたか?
口八丁で海千山千のプロデューサーの【MEGUMI】
「本人でなければ解約出来ない、と規則を頑なに繰り返す」
携帯ショップの女が【趣里】
「俺の妹を侮辱した」と雇い主の社長に初めて(多分?)
食ってかかる池松壮亮(折り村家の長男)を
「こいつバカだから」を繰り返し、裏手に連れ込んで引っ叩く
冷酷な社長に【高良健吾】
佐藤浩市を娘の仇を討つってくれた恩人と言う食堂のオヤジを
【益岡徹】
主役の松岡茉優、父親役の佐藤浩市、兄2人の池松壮亮と若葉竜也。
そしてアベノマスクを貰って使ってる変な男を窪田正孝。
主役は当然なのだが、先に挙げた脇役陣の張り切り様と、
そのスポットライトの当たり方・・・
こりゃあタダでも出たくなりますわな(もちろんタダではない‼️)
石井裕也監督が全精力を傾けたとは思えないが、
端々に社会への反発や皮肉や風刺の効いた技アリの一本。
折村花子は魅力的だったものの。
母の存在はかき消され、
父の不在に涙する
そんな展開って、今どきあるかい?
花子自体が家族に飲み込まれてしまった気がして
なんだかなーとなった
家族喧嘩は見応えあった。
前半の感じが私は苦手だった
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