愛にイナズマのレビュー・感想・評価
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結果、家族のお話
あらすじを言ってしまうと
結構、ありがち。
親の病気をキッカケに
疎遠だった家族(兄妹)が再会する話。
でも前半はぜんぜん別で、
作りたい映画のために
奔走する花子の話。
しかも撮りたいモノが独特というか
周りに受け入れてもらえない。
ココの
原、荒川コンビが
めちゃくちゃ腹立つ!
席立とうかと思った。
(特に荒川!)
で、映画がダメになって
実家に帰ってから様相が変わってくる。
結局、花子は
母親の事が分からないから
モヤモヤが溜まっていて
それを吐き出したいだけで
(そう言ってた)
ちゃんと一本作品完成させて
一人前の映画監督に、
とか言うわけではなかった。
(でも映画監督ではあり続けたい)
つまり前半は、
「こういう過酷な事があったから
帰って来たんだよ
って事を表してるに過ぎない」
と思った。
過去のいろんな事情が分かって
ちゃんと納得できて、
則夫さんの海鮮料理屋で、
「やっぱ許せない!」って
みんな揃って戻っていくところ、
やっぱり似たもの家族なんだなぁ
って感じ、
父のことも母のことも
許したというか
わかってあげられたんだろうなぁ。
終わりかたは凄く爽やかで
いい感じです!
サブスクとかで見るなら
前半、早送りかなぁ。
でもそのギャップが
最後の良さに繋がってるのかも。
タイトルなし(ネタバレ)
20代後半の折村花子(松岡茉優)は映画監督デビューを目指して、日々シナリオハンティング。
シナリオの中核は、幼い時分に家族を棄てて家を出た母親のことなのだが、シナリオに深みを持たせたりできるような題材を探して、一眼レフ・カメラでムービー撮影している。
気になるのは「赤いもの」。
なぜ惹かれるのかはわからない。
ま、理由なんてないのかもしれない。
そんなある日、ビル屋上から飛び降りようとしている青年を発見。
建物下には野次馬が集まり、そのなかでひとりの中年男性が「はやく飛び降りろよぉ」と声を上げた。
直後、青年は警察官に説得されて、飛び降りを中止。
周囲からは落胆めいた声があちこちから聞こえてきた。
それをシナリオに書いてプロデューサーと助監督(三浦貴大)にみせたが、助監督からは「飛び降りの場面で、こんなひとがいるなんて理解できない。どういう意味があるんですか。書いた理由はなんですか」と詰問される。
花子にとって、意味や理由はわからない、ないのが当然なのだから答えられない・・・
といったところから始まる物語。
するうち、花子はひとりの青年(窪田正孝)と出逢う。
青年は館正夫といい、空気が読めず、周囲から浮いている、そんな人物だった。
花子と正夫は気が合ったが、恋愛に発展するようで発展しない。
そのうち、花子は準備中の映画製作から降ろされてしまう。
プロデューサーからの一方的な仕打ちで、後釜は件の「理由・意味」を問う助監督だった。
自分自身の物語を盗まれたような気がした花子は、正夫とともに独自に映画製作を続けることを決意し、ばらばらになった兄ふたり(池松壮亮、若葉竜也)を呼び寄せ、故郷へ戻って、父(佐藤浩市)を含めて、家族だけでドキュメンタリーめいた映画を撮り続ける。
母親から見捨てられた父親、そんな父親を見捨てたような子ども三人・・・
というのが後半。
個人的には、前半がすこぶる面白かった。
「理由」や「意味」などに頓着しない、そんな花子の自己肯定が興味深かった。
理由や意味は、世間が勝手に創出しているだけの幻想ではないのか。
「普通」だとか「常識」だとか、大多数が抱いているだけの「幻想」に縛り付けるための言い訳に過ぎないのではないか。
それに気づかせるために遣わしたのが、正夫という青年なのではないか。
彼は一種の天使のような存在ではないだろうか。
なにせ、花子が正夫と出逢うバーのマスターは『アジアの天使』の天使のひと(芹澤興人)なのだから。
なんて思いながら観進めていくと、後半にはいって映画は、前半で花子が唾棄していていた助監督が言っていた「理由」や「意味」が明らかになっていく。
花子が赤が好きな理由、花子の部屋の蛍光灯のスイッチ紐に恐竜のソフビが下げられていた理由、父親が自堕落になった理由・・・などなど。
あらま、びっくり。
父親、別に自堕落だっただけでいいんじゃないの。
見直さなくてもいいんじゃないの。
家族の絆、取り戻さなくてもいいんじゃないの。
ま、そんな映画だと、企画自体が通ることないのは百も承知なんだけど。
なんてことを思ったわけで。
脚本・監督は石井裕也。
コメディドラマとは言うが、
コメディドラマとは言うが、社会問題や家族の問題、そして世の中の不条理とが散らばめられていて、シリアスに受け止めました。
また、ラストも夢半ばというところで終わったのも、現実的で良かったです。松岡、窪田、そして池松のキャラも、最後までブレず、楽しめました。
日の丸に見える血染めのアベノマスク
マウントを取って他者の価値観を完全否定するのが「論破」と呼ばれもてはやされる昨今。そんな香り漂う助監督の荒川やプロデューサーの原の人物造形にイライラしつつ、我慢してスクリーンを眺めていたところ、よもやよもや。正夫が大人2人に絡まれているところを助けようとした中学生もまた、まさかのマスク警察。とばっちりで、殴られた正夫のアベノマスクに血が滲み、くっきりと浮かび上がった日の丸のなんと象徴的なことか。
怒りも笑いも悲しみも安らぎも、様々な感情が呼び覚まされる2時間20分。石井監督の作品は、いつも、どこかしら日頃意識していない自分の内面に、ざらりと触られる感覚があって余韻が残る。
松岡茉優をはじめとして、豪華キャストの演技合戦がとにかく圧巻な一本。
やはり松岡茉優はすごい!
「愛にイナズマ」も「月」も存在の確認。どちらにも生と死が横たわり、石井裕也監督がテーマとしているものが見えるよう。両方とも、今年度の傑作だと思います。ところで、石井監督は、映画の世界に入ったとき、散々、シーンやシークエンスの意味を問われたのではないでしょうか。そう思ったのは、助監督役の三浦貴大と主人公の松岡茉優との会話。松岡茉優は、自宅でのプロデューサーと助監督との会話シーンが辛かったとパンフに書いてありました。見てる方は松岡茉優に気持ちが寄ってますから、これは監督の意趣返しのはずです。本当のことが見え難い世界。マスクに覆われ隠れていたものが見えた時の松岡茉優の覚悟はあっぱれ!松岡茉優のうまさを実感した作品でした。良い映画を見ました。
ちょっとヒリヒリしますが秀作ですのでお見逃しなく!
最近映画を観る時間が無く、レビューは全く書けておりません。
来年は心機一転、拙文ながらも残せていければと思っておりますが。
この作品はとにかく一言書かずにはいられませんでした!
本当に劇場で観れて良かったです。
タイトルから少し尖ったドロドロ恋愛モノかと思いきや、家族の再生物語で中盤以降はずっと泣いていました。
出演者は、松岡茉優さんと窪田正孝さんしか情報持ってなかったのですが、あなたもあなたも、そしてあなたまで出てたのですか!と驚く程に実力派キャストが揃っていて本当にびっくり。
松岡さん窪田さんは間違いない。文句なしに素晴らしい。
池松壮亮さんが出てるものは全部イイですよね。作品選びが上手いんでしょうね。
仲野太賀さんや高良健吾さんも出演シーンは少ないもののガッツリ心を掴まれました。
佐藤浩市さんは流石です!
業界の悪しき風土にチクリ、現代社会にグサリ、と風刺もキレキレに効いていました。
台詞のテンポや間からクスッと笑えるシーンも多く脚本も書いた石井監督の手腕が光ります。
私は石井監督作品と相性が良くてとても好きですね。
ゴリゴリの娯楽作品や甘々のスイーツ映画の方がそりゃお客は入るでしょうけど、日本映画はこういう作品をもっと作るべきじゃないかなぁ!
今年の邦画マイベストの暫定1位です!!
さまざまな感情で心がシビレた
「笑いあり涙ありの人間ドラマ」にふさわしい作品だった。
まっすぐさ、あたたかさ、ほほえましさに、様々な感情で心が震えた。
コロナも収束し、忘れかけた頃に、いまこそ考えたいテーマを、愛くるしいキャラクターと、まっすぐなストーリーで今年1,2を争う良さだった。
撮っているのか、撮られているのか。
演技しているのか、演じさせられているのか。
現実世界もそう。きっと、監督の思いがかなり乗っているのだろう。
プロデューサー側の登場人物わかりやすく誇張されている部分はあるけれど、それによってメインのキャラクター達が際立っているし、メッセージも際立っている。
本質はそこではないし、「唐突なことは起きる」のでそんなに気にならない。
様々な演出も見逃せない。
今作のテーマでもある、印象的な、赤色。
バーにて、お酒のボトルで相手の顔を見せない。
死にたい、と言うマスクの下は笑顔。だけど本心は...
マスクとともに本音も隠し、建前で生き、何が本音かもわからない。
家族同士であっても、本音が言えない。
ラストシーンでは、フェリーが通ってできた波が、花子がこれから進む道であり、荒波のようにも見える。
ただ、家族で本音が言い合えるようになったいま、再び社会に対して、映画で本音が言える社会を作って行ける気がする。
とても良かった。
2023年劇場鑑賞106本目
脚本、演出、俳優陣全てが全部良かった! 全く退屈する事もなく、笑え...
笑って泣いて感情が忙しい映画
この作品から強く感じたことが2点あります。
1つ目は、理不尽な社会で信念を貫いて働くことの難しさや、やるせなさです。
「長いものに巻かれろ」じゃないですが、経験の長い者のやり方や組織のこれまでの在り方を“絶対的な在り方”として主張してくる人はまだどこかにいることでしょう。その存在の下で、新しい意見や考えをもつ人がいくら主張をしたところで相手にされないという辛さに共感することができました。
2つ目は“つながり”の重要性です。1つ目に挙げたことを乗り越えることができるのは、家族、友達、新しい人との出会いなどなどの人とのつながりのおかげかもしれないと感じることができました。中には、人とのつながりという支えがあったとしても、自分の夢を理不尽な社会が奪ってしまうことで大きな希望を失い、命を絶ってしまう可能性が潜んでいるという命の“儚さ”や“危うさ”とは人生と隣り合わせなのだと思わされもしました。
上記したように比較的重い内容のシーンもありましたが、家族との掛け合いや信頼を置ける人との掛け合いで笑ってしまうシーンが多々あり、楽しく作品をみることができました。
私がこの作品を見たときは、館内に人が多かったので笑いに包まれていたことがあったので、これがその証拠になると思います。
私はプログラムを買ったのですが、そこには監督のこの映画に込められているメッセージが書かれていたので、作品の理解を深めたい方にはおすすめします。
今さらアベノマスクをネタにされても
前作から2週間で公開された石井裕也監督・脚本の新作なのだが、語りたい・訴えたいものがいろいろあるのか知らんが、それらを整理できてないまま出されちゃった印象で、練られた脚本とは到底思えない。
アベノマスクやら給付金やらコロナ禍での社会派風のネタはホントにただのネタでしかなく、1500万円繋がりもぐだぐだ会話もコメディとして一切笑えない。池松君の恐竜好き、若葉竜也のカトリック入信、松岡茉優の赤へのこだわりなどのキャラ設定も意味不明。父・佐藤浩市の取ってつけたような過去バナには1ミリも共感できないし、兄妹たちは消えた母親が心の傷になっている訳でもないし、これ、どこが家族の物語なの?
うんざりするのは、自殺や死の話が無駄にいくつも出てくること。また、振り込め詐欺グループが許せないからと殴り込みに戻るとか、なにかってーとビールで乾杯するとか、今どきどういうセンスなのか。時折挿入されるスタンダードサイズのカメラの撮影画面も意味や効果がまるでわからないし…。
松岡が劇中で使いたいというエピソードを、理由や意味がないと三浦貴大が批判すると、松岡はこれは自分の作品なんだからそれでも入れたいと言うんだけど、これって本作への監督自らのエクスキューズなのかな? 前作・月で少しはがんばってると思えた石井監督だが、茜色やアジアの天使の印象同様、やっぱ自分は楽しめない作風の人だと再認識してしまった。
リアルとリアリティー
仕事が予想以上に早く終わったため、ちょうど良い時間帯の映画を探して遭遇した本作。
全体としては、否定的な意見の方と近い感想で、前半部の嫌なキャラ&展開にイライラさせられて本作を選んだことを後悔しかけるも、佐藤浩市さんの出
番が増えてくるあたりから持ち直し、なんとか最後まで見届けられた……という印象でした。
恥ずかしながら、石井監督の作品は初体験だったので、偉そうなことはまったく言えませんが、合う・合わないで言うと合わなかったです……。
(俳優の皆さんの演技は最高でした!)
しかし、不思議と視聴後にも複雑な後味が残る作品だったのも確かで、いろいろと場面を反芻して考えたくなる内容でもありました。
個人的に、どうも落ち着かなかったのは、冒頭、主人公が「だって私、見たんです」と話す、飛び降り自殺を煽る野次馬の下り。これを見て以降、各所に登場する「え? こんなやついる?」というステレオタイプに感じられてしまう脇役を見るたび、「だって私、見たんです」と監督に言われているような気がしてしまい、それが妙な雑音になってしまった感は否めません……。
確かに、現実になさそうな出来事が、現実に起こることってあると思います。それが、きっとリアルでしょう。
ただ、そのリアルをそのまま映像で突き詰めるのであれば、それはノンフィクション、ドキュメンタリーの領域になるのかな……と思ったり。
(もちろん、それでも、そのまま映像にはできないのだと思うのですが……)
作品をフィクションとして世に出すならば、ただ「私、見たんです」と強弁するのではなく、視聴者が「あ、これは確かにあるかも」というリアリティを持たせてあげることが、やっぱり必要なのではないかと。。
でも、そんなことを思えば思うほど、あのクソいまいましい助監督に加勢をしているようで、またなんかモヤモヤしてしまったり……。
(演じた三浦貴大さんはすばらしかったです!!)
物語後半の、オレオレ詐欺の主犯格グループに対し、いきなり喧嘩をふっかける家族って、そこだけを抜き出せば「そんなやついないだろ」という話なんですが、鑑賞中は「ん?」と思ったものの、そこまでの抵抗感は感じなかったので、やはり、そこに至る経緯を自分が知っているかどうか=作中で描かれているかどうか、が大事なんだなと。。。
もしかしたら、飛び降り自殺を煽る野次馬も、秘書の親族を人前で侮辱する社長も、必死に解約をお願いする老父と家族を前に笑いをこらえる受付スタッフも、大声で悪事を暴露するオレオレ詐欺の主犯格グループも、映像になっていないだけで、そうせざるを得ない事情があったのかもしれない。
ただ、それが描かれていないだけ。
そしてきっと、そこが自分にとって、物語にスッと入れるかどうかの分かれ道なのかな……とも。。
もしくは、非常にリアル寄りの背景や映像の質感の中に、突然、ステレオタイプ感の強い人物が登場することで、自分のリアリティーラインがぐらぐら揺れて気持ち悪かったのかもしれません。
(これが、映画の冒頭でいきなりオレオレ詐欺グループと家族の大立ち回りから始まって、そこから時間を過去に戻していく……みたいな作品だったら、そこまでリアリティーラインは気にならなかったのかも。別の作品になっちゃいますが……)
そういった意味で、映画を観る、フィクションを楽しむ際の、自分自身の好みがあらわになる、そんな面白い機会になったとも言えるかもしれません。
出演陣は豪華ですし、演技も魅力的。
前半と後半で作品ががらっと変わり、前半部の溜飲を後半部で下げてくれることはなく、なんとなく「私の冒険はこれからだぜ!」的な終わり方ではありましたが、最後は温かい気持ちになれる作品。
前半の嫌な気分は二度と味わいたくないので、もう一度観ることはないと思いますが、これからしばらく、ふとしたタイミングで思い出しそうな、そんな作品ではあったかなと思います。
どこかで吐き出さないと気持ちが悪かったため、駄文をつらねてしまいましたが、万が一、最後まで読んでくださった方がおられましたら、本当にすみません。。そして、ありがとうございました!!
アベノマスクも役に立つ
とにかく前半が辛い。けど終わりは良い
辛い、辛い、生まれて初めて途中で帰りたくなるくらい前半は辛かった。ずっとイライラが続く最初の20分が特にひどく、二章が終わる1時間くらいまで何度時計を見たことか。とにかく嫌なやつしか出てこなくて反撃もないから腹の底から嫌気がさした。後半はスカッとするはずと信じてなんとか我慢。結果、スカッとまではしないけど、まあきちんと上書きされる展開があってホロリ要素も笑える要素もあって、見終わった感触は悪くなかった。
過剰な悪役は常套なのに、これに限って何が自分の琴線に触れたのか、なぜそんなに嫌だったのか。とにかく一番我慢ならなかったのが荒川。今どきそんな台詞言うか?古いんじゃ、と思うのになぜか聴き過ごせない。自分の考えを上から押し付け、自分が正しいと信じて相手を平気で馬鹿にする人に現実でも困っているから、その誇張版が偉そうにしてる姿が幾らフィクションでもたまらなかったのかも。いつかもう一度見てこれが耐えられる日が来たら自分の成長を感じるんだろうか。。
松岡茉優は後半ブチ切れてからが最高。
ブチ切れた彼女を見て、口悪くなるんですねーと平坦に突っ込む窪田正孝が可愛らしい。
オドオド父さんの佐藤浩市もいいし、明かされる家族の秘密とそれに対するみんなの反応もいい。
アベノマスク、確かに小さ過ぎたしひどい無駄遣いだったけど、マスクがない、なんとかしろと大騒ぎする人たちに直面してた側としてはふぅと一息つけるタイミングだったのも確か。最早少し懐かしく、コロナ禍なんだったんだろうね、と振り返る時期なんだね。
消えた女より消せない男
家出をした母親を中心に家族を描きたいと思っていた映画監督の花子は、ネタをプロデューサーに横取りされた腹いせに、本当の家族の映画を撮ろうと10年ぶりに家族と再会する。
配偶者や子供といったクッションがなければ、短気で愚直な父親と変わり者で独り者の長兄、次兄、花子の家族の再会は、確かにきつくてうざい。
きついんだけれども、両親の秘密を知ったとき、家族はなぜか結束してしまったのだ。
ほんとうのことを知ることは得策ではないが、愚策でもないということか。
人の知らなかった部分を知り、態度や行動や噂だけで、ひとりの人間を決めつけることの愚かさを知ったからだろうか。
家族の主観を世の中の客観に変える他人(ここでは花子の恋人正夫)の存在が大きかったのだろうか。
こんな程度で家族が結束するのかと賛否両論はあろう。だが、確かに家族はひとつになったのだ。
父親が、ひさしぶりに再会した家族に向かって、「ハグしよう」という言葉で、ふいに目覚めた。
家族は、はるか昔にはお互いハグしあったのだ。
大人になって、照れくさくて面倒くさくて、ハグする感情や感覚をすっかり失ってしまったのだ。
でも、うざくて面倒くさい家族はまとわりつき、消そうにも消せない。
消えた女(母親)よりも消せない男(父親)。花子の言葉がとても深くて心に沈む。
長すぎました
個人的にはこういうのは好き
コメディと銘打っているが、コメディを主戦場にしている役者さんは出ていないし、内容的にも、どちらかというとちょっとシュールなヒューマンドラマという感じ。
そういう意味では、いかにも東京テアトルらしい作品。
序盤の主人公・花子(松岡茉優)と助監督・荒川(三浦貴大)のやり取りあたりは、脚本家の独りよがりみたいな感じだが、その後は物語として、きちんと成立している。
劇中で「こんな家族はいない」という台詞が繰り返されるが、むしろ、関係性に限って言えば現実世界でもこんな家族は沢山いるのかも?
個人的には、松岡茉優はやっぱり魅力的だなと思う。
ルックスは勿論だが、健気に訴えかける時の鼻に掛かった声がいい。
益岡徹の人情味溢れる表情や北村有起哉の渋い雰囲気もいい。
そういえば、日テレが絡む映画というと今までは人気タイトルが原作にあって、大手映画会社が配給するというのが鉄板だったのが、ここのところ、それが少しずつ変わりつつあるのは興味深い。
愛に赤とアベノマスク
『月』を見たばかりの石井裕也監督作品ですが、『月』とは対極的な面白さがありました。
しかし面白かったのだけど、どう面白いのかを説明するのは難しい作品でもありました。
「役者の演技が皆素晴らしかった」なんてありきたりでつまらない感想も書きたくないしねぇ。(実際に見事なアンサンブルだったのですが…)
まあ本作の場合、個々の演技の巧さが、物語の設定と組み合わせにより、より高いレベルに到達して行くのが見ていて凄く面白かったです。
しかしこれも『月』と似た点なのですが、物語が二重構造になっていて、観客によっては勘違いしやすい(というか焦点がズレる)気もします。なので、見る人の立場によっては賛否が分かれやすい作品だと思います。
『月』の場合だとフィクションであっても実話が元になっているので、現実の障害者や施設関係者が見ると、フィクションとしては見られないであろうし、本作の場合だと映画関係者が見ると、同様の感情になるかも知れません。
まあ、我々の様な部外者の観客であれば、あんな人もいるだろうなぁとは思いますからね。
本作の映画プロデューサーや助監督の悪役ぶりや、携帯ショップ店員の応対、食堂シーンの詐欺グループの社会のクズ達の馬鹿丸出しの会話なども、もっと複雑さはあるにしても現実に確実に(しかもかなりの割合で)存在している人種ではあります。
そういう意味では本作の場合、最近では珍しい位にハッキリとした“勧善懲悪”モノとしての設定がなされていて、それが噓臭くない辺りがこの作品の捻りの面白さなんでしょう。
で、何が“捻り”なのかというと、従来の“勧善懲悪”モノって個人の善悪の資質の違いとして描かれていますが、本作を見ていると社会というもの自体が理不尽であり、人間はその理不尽に対してどのように立ち向かうのかが、人によってそれぞれに違うっていう風に描いているのです。
ある人は狡猾に、ある人は暴力的に、ある人は実直に、ある人は無関心に、ある人は無気力に、ある人は鷹揚に、ある人は信念を持って人それぞれの特性を持ってこの理不尽に立ち向かっているのだろう、という事がこの作品を見ているとなんとなく感じられます。
ただこの監督、映画人が映画人をあれだけ酷く描くというのは、実体験があるのかも知れないし、けっこう根に持つ性格なのかも知れません。その辺りは非常に共感出来ましたが(苦笑)
あと、この作品には“恋愛映画”と“家族映画”という側面があるのですが、これについては石井裕也という人が映画に何を望んでいるかの明確な回答なのでしょうね。非常にロマンティストな人なんだと思います。
追記として、“アベノマスク”がこれほどにも(映画の小道具として&社会的意味として)有効利用されたのは初めてみました。
自分に正直に愛に生きようぜ!エレカシの曲も最高!!
最初モヤモヤしっ放しな分、後半のスカッと気持ちの良いシーンが記憶に残る。
周りに流されて、上の人間にあわせて無難な成功を。そんな人生クソくらえ!
自分らしく生きて何が悪い!
正義は正義で何が悪い!!
家族のハグって、そういうかたちも有りか!?最高!!!
最後のエレカシの曲、ハマり過ぎでまとめ上手で最高。
自分の人生、自分らしく生きて行こう!って勇気を貰えた映画。
役者さん達がちゃんとハマってるのも魅力。特に佐藤浩市さん演じる不器用な父親がピッタリ過ぎて(笑)
家族が生きてるうちにいっぱいいっぱいハグしとかなきゃね。
家族愛たっぷりで、心の栄養補給できる映画だと思います。
全231件中、61~80件目を表示







