「さまざまな感情で心がシビレた」愛にイナズマ ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
さまざまな感情で心がシビレた
「笑いあり涙ありの人間ドラマ」にふさわしい作品だった。
まっすぐさ、あたたかさ、ほほえましさに、様々な感情で心が震えた。
コロナも収束し、忘れかけた頃に、いまこそ考えたいテーマを、愛くるしいキャラクターと、まっすぐなストーリーで今年1,2を争う良さだった。
撮っているのか、撮られているのか。
演技しているのか、演じさせられているのか。
現実世界もそう。きっと、監督の思いがかなり乗っているのだろう。
プロデューサー側の登場人物わかりやすく誇張されている部分はあるけれど、それによってメインのキャラクター達が際立っているし、メッセージも際立っている。
本質はそこではないし、「唐突なことは起きる」のでそんなに気にならない。
様々な演出も見逃せない。
今作のテーマでもある、印象的な、赤色。
バーにて、お酒のボトルで相手の顔を見せない。
死にたい、と言うマスクの下は笑顔。だけど本心は...
マスクとともに本音も隠し、建前で生き、何が本音かもわからない。
家族同士であっても、本音が言えない。
ラストシーンでは、フェリーが通ってできた波が、花子がこれから進む道であり、荒波のようにも見える。
ただ、家族で本音が言い合えるようになったいま、再び社会に対して、映画で本音が言える社会を作って行ける気がする。
とても良かった。
2023年劇場鑑賞106本目
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