「罵詈雑言を浴びせ捲る松岡茉優の魅力にイナズマッ!!」愛にイナズマ 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
罵詈雑言を浴びせ捲る松岡茉優の魅力にイナズマッ!!
劇場で予告編を観て、鑑賞意欲が沸き、ポスタービジュアルを見たら俄然観たくなった作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと…めちゃくちゃ面白い!
もっと恋愛テイスト強めかと思っていたら、思ったよりも家族愛強めのヒューマンコメディドラマ。
だけど、コメディと括られているが単にコメディとして括れない感じで一筋縄には行かないシニカルさで石井裕也監督の思いがギュッと込もっていて、それを実力派で勢いのある役者陣が前に押し出している。
まず、タイトルが良いよね♪
イナズマと言えば…「イナズマロックフェス」「イナズマイレブン」「冬の稲妻」「木村健悟w」といろいろありますが、この単語だけでコメディとシュールとパワーを勢いを感じるし、また、愛にイナズマの「愛に」は愛もあるし、「会いに」と言う意味のダブルミーニングも感じたりします。
とにかく、タイトルが結構秀逸。
松岡茉優さんの緩急織り混ぜた演技がグイグイ来る。
とにかく口の悪い松岡茉優さん演じる花子が魅力的過ぎる♪
あの佐藤浩市さんを捕まえて“素材がクソ!”と言う台詞には笑ってしまったし、折村家勢揃いで癖も個性もある3人を向こうにまわして鬱憤を晴らしまくる様は見ていて爽快。スーパードライ並みにキレ味抜群で、松岡茉優さんの魅力は日頃に貯めに貯めたストレスと恨み辛みをマシンガンの如く浴びせかける罵詈雑言にあると確信w
その口の悪さに比例するように憂いを帯びたような表情やビックリしてお酒を吹き出すのなんて、ベタベタでも魅力的でもうメロメロですわw
窪田正孝さん演じる舘正夫は飄々としていながらも空気の読め無さの愛嬌が良い。
バーでの花子との出会いはまさにイナズマ。酒と感情の勢いでの掛け合いは目が離せないし、一言一句聞き逃したくない感じでそこにマスターが良いアクセントw
でも、いろんな節約をしているのに毎回千円は払っているにしても「正夫、バーには来るんだ…」と言うのは、言わないのがご愛敬w
駄目な父親の治を佐藤浩市さんが演じていると言うのもなんか凄いw
あの実力派の佐藤浩市さんが初老の父親を演じているなんて隔世の感がありますが、流石の間合いで緩急自在に引き締めてます。
池松壮亮さんは流石の一言。花子との悪口の掛け合いはお見事でイケイケに見えてもいろんな苦労をしていて、頼れる長男を演じてます。
個人的にはMEGUMIさん演じるプロデューサーの原と三浦貴大さん演じる助監督の荒川が嫌~な感じで良い。特に荒川の態度は“早く画面から消えてくれ!”と開始1分で思ってしまったw
また、携帯ショップの店員を趣里さんが演じているのには驚いた。撮影時のタイムラグがあるにしても話題の朝ドラ「ブギウギ」の主役がちょい役とはかなり贅沢。
後半は家族ドラマに落ち着いた感があり、少し毛色が変わっているところは人に寄ってはちょっと評価が分かれるところ。
ただ伏線の回収もされているし、いろんなアクセントもあって、2時間20分がアッと言う間。
テンポの良さもこの作品の魅力ではありますが、個人的な難点で言えば、花子の勢いが前半に比べるとちょっとシフトダウン気味。実は頼れる父親と兄と言う家族ドラマにシフトしていく中で可愛らしい妹と言う側面がクローズアップされていき、花子の大活躍は中盤までに感じること。
映画企画を盗み取られた原と荒川をギャフンと言わせるシーンが無かったのは残念。
「大幅な書き直しで異作が凡作になり、大失敗になった荒川の作品を尻目に、自主制作系で注目されている花子の作品」とか、「公開はまだされてないけど花子の作品は完成した。でも荒川の作品は大失敗」とかのシーンはベタでも欲しかったかな。とにかく原と荒川には少なくとも“倍返し”は食らわして欲しかったですw
あと、最後までなにかしらの赤が入った服装には拘って欲しかったなあw
作中で度々出てきた「1500万円」はなんか意味合いがあるのかが気になるところ。1000万円と言うキリの良い数字でない所が気になりますが、調べたら20人に1人の割合でいる(らしい)ハイクラスの所得者が1500万円なんだとか。この御時世では少々お金では心許ないし、かと言ってあまりにも高過ぎる金額は現実的ではない。
そう考えると手に届くようで届かないがまあ頑張れば手に届くし、払える金額が1500万円なのかと推測しますが…まあ深読みし過ぎですよねw
コメディではあるけど、単にコメディではないし、恋愛ドラマと言う程甘くない。
夢を追うサクセスストーリーと言う訳でも無いし、ヒューマンドラマと言う程堅くない。
コロナを代表する現代の何処か生々しさや現実を時には毒として散りばめながらもテンポ良く進んでいく。
いろんな役者陣が良い味を出しつつ脇を固め、そこに周りに甘えつつも自由にワガママに魅力的に松岡茉優さんが中心に仁王立ちしている。
ホント、2時間20分がアッと言う間で最後まで楽しめた作品。コレ、今年の邦画ベスト10に入るのでは?と思えるくらい。
とにかく口悪く感情をブチまける松岡茉優さんが魅力的過ぎるのを観てほしいですw イナズマッ!!ww
トミーさん
コメント有難うございます。
やっぱり花子、やってくれ!は結構居るんですね。
木村健悟は歌がめちゃくちゃ上手いんですよね。「らしくもないぜ」と言う曲は名曲ですw
また、お暇があられましたら、覗きに来てくださいね♪
共感ありがとうございます。
石井監督もご自身の経験上、花子大成功! リベンジとは描けなかったのでしょう。それを求める人も沢山居るようですが・・
木村健吾、大成しなかったですね、一番名を売ったのが「イナズマッ!」ですからね。
humさん
コメント有難うございます。
中盤からの家族愛モードにはちょっとびっくりしましたがら良いですよね。
口の悪い花子は魅力的過ぎますw
また、お暇がありましたら、覗きに来てください♪
こんばんは
共感たくさんありがとうございました。
本作、斬新な展開でしたね〜
正夫との出会いで取り戻す家族愛にはほろっときました。
みんなに可愛がられていた口の悪い花子は痛快でした😆
大吉さん
コメント有難うございます。
倍返し、観たかったですよね~w
MEGUMIさん演じる原が姑息なプロデューサーで、三浦貴大さん演じる荒川の上から目線にムカムカで倍返しならぬ十倍返しでもよかったくらいですが、MEGUMIさんも三浦貴大もそれだけ凄いってことですよねw
また、お暇がありましたら、覗きに来てくださいね♪