「 ワザとでしょうが、学生映画サークル作品を思わせるような、コマ割り...」愛にイナズマ hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)
ワザとでしょうが、学生映画サークル作品を思わせるような、コマ割り...
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ワザとでしょうが、学生映画サークル作品を思わせるような、コマ割り、アングル、間延び感をあえて演出することで、主人公・折村花子や正夫、花子家族の不完全さ、純粋さを終始感じさせてくれる作品でした。平行して、キーワードとなる「赤」。映像に赤を載せたがる花子が助監督荒川に理由を問われ上手く答えられずにいますが、「車のストップランプ」「背の高い鉄塔」「工事現場に置かれた三角コーン」が示すように、何もかもか埋もれがちなこの世の中で、気がつかないといけない、気がつかせるための色であり、花子は無意識に「消えた女」=失踪して生きているのかさえわからない母への「存在」を示す配色をしていたのかもしれません。それがやがては「父の在り様」を示す色になり、花子の再起の色になっていく、そんな気がします。題名の「イナズマ」がドカンと何か変えそうですが、そんなことはなく、静かに熱く、感性に溢れた映画でした。
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