「さすがに口が悪すぎます!!」愛にイナズマ ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがに口が悪すぎます!!
「月」ショックから立ち直れずにいまして。。本作まで3本挟んだが、まだモヤついておりまして。。
だから早く本作を観たかった。
予告からして好きな作風とテーマと役者!!
石井監督の最新作で、気持ち、リセットしたかった。。
ありがとう!やってくれました!
笑いあり、涙ありの、痛快エンタメだった。
そして珠玉のヒューマンドラマだった。
一億ボルトの愛!!
愛のイナズマに打たれました!!
念願の映画監督デビュー目前の花子
(松岡茉優ちゃん)は空気は読めないが不思議な魅力の正夫(窪田君)と運命的な出会いを果たす。
夢も叶いそう!まとまったお金も入って来ると喜んでいた花子だったが、企画を奪われ報酬も貰えなくなる。
正夫の親友で、役者の落合(大賀君)も花子の作品に出演予定だったが、その話もなくなり、死を選んでしまう。。
(チョロ〜!!泣)
打ちのめされる花子と正夫。
しかし2人は自分達の力で「消えた女」制作に向け動き出す!
花子の疎遠だった家族の力をかりて。。
コロナ禍の世の中、理不尽な社会。他人に関心があるようでない、そんなリアルな世界や人々が描かれている背景。
マスクがまるで仮面となり、表情は勿論、心まで隠しているようだったあの時期。
「家族」を通してそれぞれの本音が爆発していく所が痛快でした。
10年以上父を避けてきた花子。
でも、何もかもを失い頼ったのは
「家族」!!
突然、映画を撮る!と帰るや否や、カメラを向けてはダメ出ししまくる花子。
戸惑いながらも協力してくれる父
(浩市さん)と長男誠一(池松君)と次男雄二(若葉君)
花子は口が悪過ぎるが、その関係性は何とも言えず温かかった。
他人には隠してきた本音をこれでもか!と言わんばかりにぶつける。
だって、大丈夫なんだもん。
「家族」だから。。
家族ってホント何なんだろって思う。時には、他人には言わない様な気遣いのカケラもない暴言を吐いてしまうけど、次の日には「おはよう」が言える。
不機嫌な自分を出せる。受け止めてくれる。
何だかんだ言っても、覆らない愛が根底にあるのを知っているからなんだと思う。
そして無意識にでもそれを知っている花子は幸せだと思った。
しかし、家族といえども超えてはならない所があり、あそこに正夫という他人がいたからこそ、罵り合うだけの不快なシーンにならなかったのだと思った。
誠一も雄ニに「カルトがぁ〜!」って罵るけど、食事の前のお祈りをする2人を茶化さず待っている。
父に寄りつかない誠一と花子に代わり、寄り添う雄二。
子供達にはダメな父親に写っていた治の過去(暴れた理由、母の失踪)が明らかになり、変わっていく兄妹。
そしてあの「秘密」に直面し、関係性が変化していく。。
前半のPと助監のパート。イライラしたあの気持ちを、後半の家族パートに移ってからは一気にパワーを増していき、吹っ飛ばされる!
これも「家族」の力のようで、家族が揃った事で生まれる強い絆と愛が押し寄せてきて、正にイナズマ!!
うちも各々色々あった家族なので、若い頃はそんな家族が嫌だったし、周りの普通の家庭に憧れたりした事を思い出した。
だけど、面倒臭くて嫌な気持ち以上に、そこには愛があって、だからややこしいのだが、本当にかけがえのない物なのです。
うちの家族の愛も
一億ボルトだと思いましたw
(父にハグしに行きたかったけど、
今バリ島バカンス中だわ〜ww)
そして
「自分を演じる」
「生きているだけで俳優」という意味もしっかり伝わってしました。
理不尽な社会への復讐と思いきや、家族の深い深い愛情物語へと移っていく様がお見事!
石井監督の脚本はいつも優しくて繊細で力強くて。。
本作でもその魅力が発揮されていました。
(ひかりちゃんとは仕事しないのかなぁ?監督作品に彼女、合っていると思うのだが。。難しいか( ; ; )
それぞれが、他者のみならず、自らの事も、否定から肯定出来た変化が嬉しかったです。
何を観ても実は泣いていなかった私が、涙4粒流れました( ; ; )
うちの父も白髪なんでね。
後ろ姿とか被ってしまい、浩市さんに泣かされたわ〜( ; ; )
役者さんみなさん素晴らしかった!!
♡石井監督、若葉竜也さん主演の
「街の上で」も観て下さい♪
> マスクがまるで仮面となり、…
> だったあの時期。
> 「家族」を通してそれぞれの
> 本音が爆発していくところ
なるほど。前後で大きく切り替わる意味がわかったような気がします。また、観てみようかな。
こんばんは。
見出ししか見れていないのですが、共演者からもあの噴出シーンは絶賛だったみたいですね。笑
癒し系の笑顔を持ちつつ、あれだけ口汚い役も違和感なく演じるのはサスガです。
『街の上で』、見逃したので自分も観たい…
すてきなレビューでした。
そこには愛があって、だからややこしい…そーなんですよね。
正面からなかなか言葉にしない愛情も、あの親子の様子にすごく感じました。
お互いに😅生きてるうちにハグしなくちゃ…後悔先に立たず。
帰省したら飛びついてみようかな笑
失礼します
なんとも情緒的なレビュー、大変興味深く拝見しました
確かに、2作品でワンセットのような出来映えでしたね
私は、なにげに長男の立ち位置に目線がいっておりました(ご多分に漏れず長男(泣 )
あそこまで家族を引っ張るという性格でない自分は、あのキャラ設定が羨ましくて嫉妬ですw
父親の真相、母親の秘密、子供へのDVと懺悔の入宗、しかしその正義漢の強さはきちんと遺伝子の継承が為されている、まぁフィクションといえばそれまでだけどでもそれがカタルシスへの駆動ですからストーリーテリングとして巧く機能していたと思います
群馬仲のバーでのオドオド感の主演の演技や台詞の被り感の絶妙さは、松岡茉優の最高のステージを体現させてくれました
レビュー題名、私もそれにしようと思いました^^
共感ありがとうございます。
ちょっと? だったのが次男の前に現れた幻(個人的に必要だと思います)がハグに言及していて、それを覚えていて散骨の日に言い出したので画像を探した─という流れですか? よく分かりませんでした。