こん、こん。のレビュー・感想・評価
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沁みる
『こん、こん。』――人から人へ受け渡される泉
映画のタイトルとは不思議なものだ。
観終わった後に初めて意味が変わる作品がある。
『こん、こん。』もまた、そんな作品だった。
最初は単純に、心の中から湧き出す感情のことだと思っていた。
宇海という女性は、とにかく「好き」を大切にする。
好きな場所。
好きな人。
好きな活動。
好きな景色。
彼女は人生のあらゆる場所に「好き」を見つけ、それを丁寧に育てているように見えた。
だからタイトルの「こん、こん。」も、そんな彼女の感情が泉のように湧き続ける音なのだろうと思っていた。
しかし見終えた後、そして改めて考えてみると、この作品はもう少し面白い構造をしている。
宇海の「好き」は、確かに彼女の中でこんこんと湧いている。
賢星を好きになる。
一緒にいたいと思う。
理解したいと思う。
その感情は尽きることがない。
だから彼女は行動する。
学び、働き、ボランティアをし、未来を描く。
恋愛によって人生そのものが前へ流れ始める。
一方の賢星は違う。
彼は宇海を嫌っていたわけではない。
むしろ好意を持っていた。
しかし彼の感情は、まだ泉にはなっていない。
宇海が生活の中に加わっても、彼の日常は大きく変化しない。
そこにあったのは恋愛感情よりも、「傷つきたくない」という慎重さだったのかもしれない。
だから彼は距離を置く。
そして、その距離を正当化する。
人間は不思議なもので、一度選んだ行動に理由を与え始める。
本当は不安だっただけなのに、「重かった」「合わなかった」と自分自身を納得させてしまう。
恋愛ではよくあることだ。
だから賢星は特別な人間ではない。
むしろ驚くほど普通である。
この映画が切ないのは、誰も悪人ではないからだ。
ただ二人の感情に時間差があった。
それだけだった。
そして物語は、宇海の死によって大きく転換する。
ここで興味深いことが起きる。
それまで宇海の中でこんこんと湧いていた感情が、今度は賢星の中で湧き始めるのである。
後悔。
喪失。
感謝。
愛情。
理解。
「あの時、なぜ」
「本当はどうだったのか」
そんな思いが止まらなくなる。
音声日記を聞き、島を訪れ、彼女の足跡を辿るたびに、その泉は深くなっていく。
だからこの作品は、単なる死別の恋愛映画ではないように思う。
むしろ、
ひとつの感情が、人から人へ受け渡される物語
なのではないだろうか。
宇海の中で湧いていた想いは、彼女の死によって消えたわけではない。
賢星の中へ移った。
そして今度は彼が、その感情を抱えて生きていく。
そこには救済もない。
やり直しもない。
宇海はもう戻らない。
それでも彼女の想いは終わらなかった。
賢星の心の中で、今もこんこんと湧き続けている。
私は当初、「こん、こん。」を誰かが心の扉を叩くノック音のように考えていた。
しかしこの解釈では少し違和感が残る。
なぜなら賢星は宇海の好意に気づいていなかったわけではないからだ。
彼は聞こえていた。
ただ、その価値を理解するには時間が足りなかった。
だからこの作品は、
「その音に気づきなさい」
という教訓ではない。
もっと静かで、もっと優しい。
人の心の中には泉がある。
誰かを好きになった時、その泉はこんこんと湧き始める。
そして時には、その泉は自分の中で終わらず、別の誰かの中へ流れていく。
『こん、こん。』とは、そんな音なのかもしれない。
人を想う気持ちが尽きることなく湧き続ける音。
そして、その想いが誰かの心へ受け渡される音なのである。
ありふれた者同士のラブストーリー
取り返しのつかない後悔
恋愛の沼にはまってしまった主人公の賢星。好かれて付き合うようになって、いつのまにかLINEの返事がないことや他の仲間と楽しそうにしていることに嫉妬し、成り行きで、他の女の子とそういう関係になってしまう。なんで?と思いながらも、そんなこともあったかもなあと自分が大学生のときを思い出す。
初めての恋愛のときは、今までの自分の生活が、ガラッと変わってしまったりていることに気づき戸惑い、傷つきたくもないし、自分で自分がわからず、何を言っても好きでいてくれるのではという甘えもあって、相手に酷いことを言ってしまう。試してみたのかな。
宇海は小さいときに新しいお父さんができて、妹もできて、いい家族だけど、自分の居場所ではないと感じていたのかな。だから、みんなに好かれないといけないと、本当の自分の気持ちを表に出してはいけないと感じていたのかもしれない。
宇海の音声日記を聞くシーンは号泣でした。
贅沢な悩み
奇妙なタイトルに惹かれて鑑賞。雪やこんこん、あられやこんこん~♪と童謡の歌詞くらいしか思いわたりませんでしたが原案・監督の横尾初喜によると、「長崎空港で長崎の童謡「でんでらりゅうば」が耳に入りました。歌詞の最後に「こんこん」とあるのですが、長崎らしさを感じる音のイメージとともに長崎弁で「来ない」という意味があります。作中で七瀬宇海の恋人・堀内賢星は宇海から多くの愛を伝えられるのですが、ささいな行き違いから距離を置いていたところ、事故で宇海を亡くしてしまいます。その後、宇海のボイスメッセージを聞いた賢星が気づいたときには宇海はもういないという意味と「こんこんとあふれる愛」という2つの意味が込められています」とのこと。
宇海が賢星と二人で行こうと約束していた崎戸島のビーチ、結局、二人では来んかったということかな。
舞台が長崎で方言混じりのセリフはところどころ分かり難いし、ラブロマンスでのちょっとした誤解や贅沢な悩み事で変にもつれさせないでハッピーエンドの青春もので良かったように思え、あまり感情移入できませんでした。
若さゆえの拙さ
大学生の恋愛模様。
若いっていいな。
幼くて自分勝手で拙くて。
勝手に勘違いして怒ってヤキモチやいてやり返して凹んでいい気になって遊んで相手も自分も周りも傷つけて。
優しくて理解があるフリして本当の気持ちをぶつけるのは怖くて逃げて相手がどう思うのかわからなくて。
それでも、好きで、後悔して。
いいな。とてもいいな。
羨ましい。
なんか自分にも共感できる部分があって胸が痛くなった。
アキラ100%が良い味出してたから俳優業頑張ってほしい。
主演の塩田みうさんの演技が好きでした。
長崎の景色がキレイでロケ地めぐりしたくなった。
人の話は聞こうよ
愛のバランス
分かりやすい感動系恋愛映画
さえない男子×元気・健気なヒロインが亡くなってしまう
分かりやすい感動系恋愛映画です。
主人公(?)の男の子が勘違いから浮気して別れたのに、元カノが亡くなって後悔するなんて〜みたいなツッコミどころもありますが…人生ってそういう事もありますよね(´_`)
この年頃
で、好きな人を亡くしたんだったら、もっとわんわん泣いて欲しい。鼻水をたらして泣いて欲しい。周りからどう思われるかなんか考えもできないくらい泣いて欲しい。(別に泣くだけが悲しみのあらわれではないけれど)
何より物語の中で軽く死を扱ってほしくない。
監督や脚本家はまだ若い人なんだろうか。身近な人を亡くしたことがあるんだろうか。
映画に関わる人達(特に監督、脚本家、俳優)は、人の心を動かすことを仕事に選んだんだから、これからももっといろいろな経験をして欲しい。もちろん、しない方がいい体験もあるし、すべてのことが経験できるわけではない。だからこそ、そこは常人以上の想像力をつけて欲しい。そんな時、どんな行動をするのか・・・。
あと、ほんとに長崎の大学生はあんなしゃべり方をするのだろうか。あんな簡単に人を好きになったりするものだろうか。
さんざんなことを書いたけど、この作品、嫌いじゃない。(評価参照)
あと、「こん、こん。」って何?(でんでらりゅうば?)
若いね~
一人で疑って、空回って・・これも若者たちの特権か。ヒロイン普通ぽくて魅力的、ギャグは・・笑えない。日記がポイントなのは「アナログ」と同じだった。
この監督さん「こはく」は好きで、「大事な事ほど・・」はがっかり、今作は良かった、出来不出来のはっきりした人だ。タイトルの意味が分かりません。
塩田みうさんを知ることができた奇跡に感謝
この日は映画を2本見る予定で、「こんこん」はたまたま時間が合ったので鑑賞となりました。そして題名の感想です。
他の方のレビューにもあるように???と思う場面もありますが、それをさておき塩田みうさんの演技が素晴らしいです。最後まで本当に見入って(ネタバレになるので書けませんが、聞き入って)しまいました。多分、塩田みうさんはこの作品の七瀬宇海のように何事にも一生懸命で、色々なことを好きになって自然に取り組める人柄なんだと勝手に妄想しています。そのくらい演技と笑顔が自然で、いい意味で映画を見ているような気がしませんでし
た。そして、塩田みうさんにとってこの映画は特別な思い入れがあるのだなと、舞台挨拶で感極まっている様子を見て思いました。是非、この映画がきっかけになって塩田みうさんが映画に、連ドラに出演して活躍して欲しいと切に願っています。
また、作品も素晴らしいですが長崎の風景も美しいです。観光で行ったことがありますが、そのときはこの美しさに気づくことができませんでした。今度はロケ地を見学する旅行に行ってみたいと思います。
ただ、残念なのは公開している映画館が少なく、また上映期間が短いことです。じわじわ口コミ等が広がってこの映画のことをみなさんに知って欲しいと思います。
大学生の恋愛
何故にこん、こん。?
大学生同士の未熟な恋愛と言ってしまえば、逸れまでんだろうけど、それをこういうある意味で不幸で、そうそうない「結末」にすることは、どうかと思う。例えば、同じく未熟な恋愛を描いた『花束みたいな恋をした』では、ありえそうな「結末」になっていた。まあ、そこは百歩譲って良いとしても、最後の「ごめんなさい」と「ありがとう」は噛み合ってない気がしたなぁ…。
交際相手の親が泣きじゃくる若者を慰めるという感情は否定しないけど、何に対しての感謝?
そして、これは後で考えたことだけど、誕生日って4桁?
それぐらいなら親が打つだろう?
逆に西暦も入れて8桁なら、主人公がいきなり、そこに辿り着くのはどうかと思った…。
で、タイトル回収がないまま終わる。
悪くはなかったけど、微妙な感じがしました。
怠い涙
ポスターは爽やかそうだなーと思って予告を見たら意外と切ない感じの作品なのかな?とどっちに転がっていくんだろうと思いながら鑑賞。
そこそこの地雷を踏み抜いてしまいました。主人公がもう不快&ウザすぎて、コイツが泣いても全く響かないし自業自得だろという考えが頭から離れませんでした。
まず主人公の行動がとにかく幼稚です。気になる女性の前でカッコつけるというのは分かるわ〜と思いながら、過去の自分を見ているようで恥ずかしい気持ちもありつつ、客観的に見るとこうなるんだなという不思議な気持ちになれたのは良かったです。
ただヒロインと付き合いだしてからの行動がはっきり言ってキモかったです。彼女を愛しすぎてるが故に、と言ったら聞こえは良いんですが、自分中心に回ってるような考えで行動しているのが見え見えで、ヒロインの気を惹こうと自分を貶めたり、ヒロインの悪いところを探し出そうとしたりともうダメ男な行動ばかりしていてイライラさせられました。
誘われたからとはいえ浮気をしてしまったのもクソやな〜と思ってしまい、その浮気現場にヒロインがやってきたら、お前は重いとか言い出して目の前で実際にこんなやり取りがあったらグーで殴りかかりそうになったくらいにはイライラさせられました。
ヒロインが亡くなった後に辛いカレーを頬張ってむせるシーンなんか誰得のシーンなんだろうと思いながら観ていました。悲しいのは伝わってくるんですが、わざわざ苦手な辛いカレーを食べて自傷しているんだコイツはという見方しかできなかったです。そもそも辛いカレーを食べた思い出はミスコンの子だったはずなので、さらに考えるとコイツは一体何をしてるんだ?と頭がグラングランしてきました。
ヒロインの両親と会って会話するシーンもなんだかなぁって感じです。
ヒロインの声日記的なものを一緒に聞きながらおえんおえん泣くシーンをぐわんぐわん揺れるカメラで見せられて、しかもそれが10分近くあるのでこのシーンは感動よりも疲れがドドッと来てしまいました。両親もヒロインの最初の両親で、現在は母は別の人と再婚してるので、何故ここで合流したんだという疑問は最後まで解決されることはありませんでした。
見終わった後も噛み砕けないものが多く、なんでこんなシナリオになってしまったんだろうと頭を抱えざるを得ませんでした。長崎のロケーションはとても素敵でした。もう中盤から褒めるシーンはここくらいしかありませんでした。現実の大学生でももう少し考えはしっかりしてるはずなのになとモヤモヤは晴れずじまいでした。
鑑賞日 10/1
鑑賞時間 18:00〜19:50
座席 D-1
ベタやけど、汚れたハート❤️が洗われる❗
思春期のどうしようもない不安や夢や憧れに揺れ動く 若い男の子の気持...
思春期のどうしようもない不安や夢や憧れに揺れ動く
若い男の子の気持ちは私にはわからなかったから、
「え?男の子ってこんなこと考えてんの?」って、
最初は先輩(あきら100%)の行動に不信感を感じた。
でも、中盤位からの好きと言う気持ちとの葛藤を観ていて、
クラスの違う男子に先に受けた試験の答えを教えてしまったり、
家の近くまでストーカーまがいのことをしてしまったりと、
自分が高校生だった(50年も前(笑))頃の恥ずかし過ぎる過去を、
リアルに思い出した。
もうあの輝いていた時代には戻れないけど、
あの時代の喜びや痛みや悲しみという貴重な経験があったから、
友達や仲間や同僚を大切にしようと思うようになったんだね。
青春時代って、素晴らしい経験の出来るステージなんだね。
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