「失敗ばかりの次長たち」ハント ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
失敗ばかりの次長たち
久しぶりにダークスーツのおっさんばっかりが出てくる韓国映画だった。40年前の全斗煥軍事独裁政権時代が背景のフィクションで、光州事件や旧ビルマでの爆弾テロなどの一般的な現代史だけでなく、日本人にはなじみのない事件・事実が下敷きになっているので序盤は話に置いていかれそうになるが、主役2人の対立関係だけ気にしていれば、やがてストーリーの理解が追いついてくるといったところ。
ブレードランナー感のある微妙に変テコな看板が並ぶ東京での銃撃戦はじめ、キム次長の草野仁似の部下による美女ユジョンにもかける拷問シーンや、どいつもこいつも北のスパイでもおかしくない信用できなさなど、展開はサスペンスフルかつスピーディで飽きずに楽しめた。
対立するパク×キムの、やり方は違えど目指す先が平和的な南北統一というのが、フィクションとはいえ隣国の現実であることを思えば、平和ボケの日本でよかったと思わざるをえない。
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