ファルコン・レイクのレビュー・感想・評価
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意識と嫉妬。
13歳少年のひと夏の話。
夏の時期、母の友人のケベックの湖畔にあるコテージへ、そのコテージで母親の友人の娘3歳年上のクロエに出会う、そのクロエと同部屋になり女を意識したバスティアンのストーリー。
男女問わず誰しもが通るのではないでしょうか!?年上の人が気になる、意識するって。
私も中学時代に2歳年上、高校時代は1歳年上のお姉さんが気になる時期があったな~なんて思いながら鑑賞。
クロエにワインを飲まされたバスティアン、飲み過ぎで吐いて、そのまま風呂に入るもクロエに頭洗ってもらって身体洗われたら、そりゃ意識するし、たまらないし、収まらなくなるよね!(笑)
女性経験のない13歳少年のもどかしさ、ぎこちなさは、観てるこっち側からしたら「待ってるんだから早く行けよ!」って感じでした!(笑)
あと気になる人が異性と楽しんでる姿は思春期に限らず幾つになっても嫌!(笑)
ラストのシーンは中途半端だったけど、気持ちを伝えに行ったのよね!?
Nature
ポスターのみの情報で鑑賞。小学生くらいの一夏の恋愛劇だと思っていましたが、中学生と高校生の性の始まりを描いた際どい作品になっていました。
母同士が仲が良いので、家族ぐるみでお泊まりをすることになった14歳のバスティアン。その家には16歳のクロエがおり、最初はよそよそしい感じだったものの、時には友達のように、時にはドキッとするような関係性のように、時にはお酒やタバコに走ってみたりと、ギリギリの境界線を笑いながら渡る可笑しくもどこか切ない物語になっていました。
バスティアンとクロエの距離感の描き方が本当に巧いです。2歳しか変わらないと大人になったら思ってしまいますが、中高生の2歳差はとても大きいもので、ちょっとした仕草に気になってしまったり、クロエが積極的な子というのもあってドギマギさせられたり、たまに突き放されると本当に寂しかったりと、自分もここまで壮大なケースは無かったですが、中高生の頃は年上の女性にときめいたもんです。なんだかその感覚が観ている途中に蘇ってきました。
クロエが問いかけた一番怖いものの問いに、バスティアンは自慰行為を親に見られる事と答え、その行為をクロエが実際に行ってしまうというまぁ大変なシチュエーションの後に、「本当に怖いのは一人ぼっちになる事」という答えを出して、その後の展開に繋げていくきっかけになっていました。
風呂場で頭を洗ってもらったりという姉弟みたいな関係性から、胸を触らせて抱き寄せるような恋人のような関係性まで幅広く描写されており、観ているこちらがドギマギしまくりでした。
バスティアンからクロエへの感情は日に日に増していってるのですが、クロエにとってバスティアンは一緒にいたい時はあるけれど、色んな人たちと関わりたいという感じで、特別な人の1人といった感じが描写されていたのも印象的でした。
ダンスパーティでの激しいダンスを披露したバスティアンが魅力的でしたし、クロエも称賛していてとても楽しい時間が流れているなと思いました。
ラストの終わり方は世にも奇妙な物語みたいで、湖を泳いだ全員が亡くなって、湖の近くには花が添えられており…みたいな感じだと最初は思いましたが、バスティアンがクロエを想うばかり、本当に亡霊になって会いに行ってしまったという感情の置き場所を見失ってしまう寂しいラストになっていました。唐突感があったのが惜しいですが、不思議な終わり方をするなと叙情的な気分になりました。
映画の物語の通り、一夏の思い出になる作品でした。シャルロット・ル・ポン監督が制作に携わった作品に気になる作品が多かったので、この機会に観てみようと思います。
鑑賞日 8/28
鑑賞時間 14:35〜16:25
座席 G-7
思春期ドキュメンタリー風かな?
【ストーリー(脚本) & 演出】
14歳の男子バスティアンと16歳の女子クロエの『ひと夏だけ』の交流を描いたストーリー。 バスティアンの視点で物語が進行します。
バスティアンは 気になる[年上の女の子]に付いて行こうと背伸びをして、自分よりも年上の男女の世界に飛び込んでいきます。 またクロエも バスティアンに合わせようとはせず、逆にバスティアンを自分達の世界に誘おうとします。
リアルに《思春期の男子と女子を描いた作品》ではあったのですが、リアルであるが故に「バカンスで出会ったバスティアンとクロエが過ごす日々を ただ映し出しているだけ」で「ストーリーは有って無い様に感じる」方も居るかも知れません。 フィクションの世界で撮影された《思春期ドキュメンタリー風》な作品なのかなぁ と。
「制作者が表現したいモノを キチンと表現出来ている」と言う意味では、良い脚本&良い演出だとは思いますが、個人的には「ちょっと暗い話だな」と感じましたし、結末も「あまり好きな感じではなかった」ので…
脚本評価 ★★★☆☆
演出評価 ★★★★★
【キャスティング(配役) & 演技】
バスティアンを演じていたジョゼフ•アンジェル君の演技は (字幕で観てるけど)言葉が分からなくても伝わる素晴らしい演技だったと思います。 14歳の思春期の少年の『純粋さ』『年上への憧れ』『女子に対する気恥ずかしさ』『年下ゆえに感じる疎外感』等を 《表情や目線》或いは《立ち居振る舞い》で余す事なく表現し切っていたかと思います。
またクロエ役のサラ•モンプチさんや バスティアンの両親やクロエの母親ら周囲の大人達の俳優さんも良かったかと。個人的にはバスティアンの弟[ティティ役のトマ•ラペリエール君]が可愛らしくて好きでした。
クロエの友人や元カレ その他の若者の「少し感じが悪いけど 悪いヤツらじゃない」演技も良かったかなぁ と思いましたので…
配役評価 ★★★★★
演技評価 ★★★★★
【映像 & 音楽】
映像的には、鑑賞中「80〜90年代くらいの映画を観ているような気分だな」「何らかのフィルターでも付けて撮影したのかな?」と思っていたら、普通に[16ミリフィルム]で撮影された作品だった様ですね。 デジタルのクリアな映像も良いけど、フィルム撮影の映像も個人的には嫌いじゃないです。
また『ロケーション』や『カメラワーク』も ストーリーや演出に合った感じで 違和感を感じる事なく鑑賞出来ました。
音楽•音響効果に関して言うと「BGMは少なめでした」が、その分『足音』『水の音』『風の音』『虫の鳴き声』『雷鳴』『雨音』等の《自然の音》が 強調された感じの音響効果が施されていた様に感じました。
1回しか鑑賞していないので 確信は出来ていないのですが、もしかしたら[数少ないBGMが使用されていた場面]は、バスティアンの感情が動くシーンと関連付けられていたかも知れないのですが、2回目を観るつもりはないので そこら辺の考察は「これから鑑賞される方」にお任せします。
映像評価 ★★★★☆
音楽評価 ★★★☆☆
【総括評価】
安易に「お互いの事を 急速に理解する」様な ご都合主義の展開を見せる事も無く、「距離が縮まりそうで縮まらない」リアルな《思春期あるある》が盛り沢山の作品でした。 ストーリーの内容的に「刺激的な展開を求める方」には物足りない 少々退屈な作品かも知れません。
…が そもそも上映館数がそれ程多くなさそうだし《こういう作品を観に行く人が観に行く》的な作品な気もするので 要らぬお世話でしょうかね。
鑑賞直後の感想としては、事前に思ったよりも《「心に残る」感じがしない》し《「切なさ」よりも「思春期の残酷さ」を感じた》作品でした。
【備考】
エンドロール後に特にシーンはありませんので、トイレを我慢している様なら「エンドロール突入後 即離席」しても問題はありません。
あとクロエの部屋の壁に『千と千尋の神隠し』の『カオナシ』のイラストが貼ってありましたね。まあストーリーには関係無いのですが…。
2023年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨✨✨
なんとも胸をしめつけられるようなラストでした…叶わぬ青春時代の"想い"がフラッシュバックしたかのようで…もう"拷問"でしたね笑
その日を思い出して涙するというよりも、ただただ胸が苦しくなりました。
主人公のバスティアンは、亡霊となってその思いをずっと抱えたまま湖を彷徨うんですかね…オバケの真似事をしていたら本当にオバケになってしまった…"16歳の女子"は罪深い…
Sweet Sixteenですから。
*原作の漫画をぜひ読んでみたくなりました。
少年から大人へ変わる儚さ、背伸びと躊躇
男なら誰でも感じたことのある、少年から大人へ変わる時の心情がよく描かれてある。少年に共感。
世界中誰でも同じ階段を登るのだと感じた。
エロスと幼さが交じりる切なさ、美しい風景、青春の不安さが良くわかる。また、フランス語がセクシーに聞こえた。
忘れかけた感情を思い出したい人は、是非見たほうがいい。
世界がぐるぐる回ってる
母親同士が親友で幼い頃から交流のある3歳歳上のお姉さんに恋をした13歳の少年の話。
ケベックの湖畔へ家族でバカンスにやって来たバスティアン君が久々に会ったクロエに惹かれ背伸びをするストーリー。
クロエも大概背伸びしているけどw
以前湖に水死体がーとか言ったり死体のマネをしたりとちょっと変わった感じのクロエに惹かれるバスティアン。
クロエと彼女の友人達にくっついて大人ぶったりと、まあ可愛らしいし危ういし爽やかだしでなかなか切なく面白かったけど、ラストもう一声欲しかったかな。
ひと夏の経験は永遠に
最終盤までは「ひと夏の経験」の王道を行くもの。
数年振りに逢った、母の友人の娘は美しく成長。
僅かに二歳の年齢差ではあるものの、
十代後半のこの違いは大きい。
主人公の『バスティアン(ジョゼフ・アンジェル)』は
年上の『クロエ(サラ・モンプチ)』を改めて意識し、
仄かな恋心を抱く。
一方の彼女はと言えば、少々ツンデレ。
彼に気のあるそぶりを見せたかと思えば、
地元の男の子たちとも交流する。
そんな『クロエ』を見れば
『バスティアン』の心は千々に乱れ、
思わず見栄を張ってしまうのは、
同性であれば理解もできること。
とは言え、彼女にしてみれば、
許容を越えているわけで・・・・。
二人の交流は
時に無邪気、ある時はエロチック。
当初は姉弟のような関係だったものが、
次第に大人びたものに熟成する。
それは見ていて微笑ましくもあり、
まだるっこしくもあり。
いや、年頃の男子なら
誰もが夢想するエピソードの数々ではある。
が、そこに、不協和音のように挟み込まれる「死」のイメージ。
タイトルにもなっている湖に「幽霊」が出るとの噂は、
実は『クロエ』の中でのみ完結しており、
ニュースにもなってはいないし、他の誰もが知ってはいない。
二人は「幽霊」をモチーフに動画を撮り楽しむが、
それは怯えへの裏返しであるよう。
こびりつき、剥がれることはない。
舞台はカナダのケベック州の美しい湖と
湖畔のコテージ。
周囲には自然が息づき、
鳥や獣の声、風雨の音がBGMのように画面を織りなす。
自身の理解者として、彼に傍に居て欲しい『クロエ』と
それを望む『バスティアン』。
最後のシークエンスは、
まさにその捻じれた体現なのだが。
長編とはいえ、100分ほどの尺で描かれるのは
パリからやって来た一家と、地元に住まう一家の真夏のバカンス。
似たようなシチュエーションや経験は、
おそらく誰しもが持っているであろう、
ただ、ほとんどは一過性のもの。
本作ではそれが
永遠になった一つの結実が、悲しい過程を経て語られる。
酷い親だな
何かがいそうでいない、起こりそうで起こらない湖の不気味な佇まいは思春期の心象風景そのもので、中2の身の置き所の無さが、もう痛いほどリアルに映像化されている。クロエの態度もちくちく刺さるし、途中から居た堪れなくなってしまった。
儚げで美しい青春映画
原作は『年上のひと』ってフランスの漫画みたいです。
フランスからカナダに家族で来た14歳の少年、16歳の少女との出会い、幽霊が出る噂の湖…って話です。
少し不穏な空気が漂っていて、何か出そうな、何か起こりそうな、そんな感じがいい。
部屋に『サイコ』のポスターが貼ってあるのですが、それも期待させる(笑)
ちなみに、ジブリのカオナシの絵も貼ってあります(笑)
すごくロケーションが良くて、美しい湖に桟橋、夜のアスファルト道路、鉄橋、などなど、とても絵になります。
儚げな美しさを持った青春映画です。
上手く14歳ごろに感じる気持ちを描けてると思う、共感しました。
もう1回観たいな♪
あと原作の漫画は訳されていて日本語で読めるらしいので、読んでみたい♪
PS.カナダとフランスの合作映画です。
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