「マージン」ファルコン・レイク いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
マージン
かなり攻めた作劇の作品である 今となってはどの作品でも"自慰行為"シーンを差込む事で、人間の本能とその抗いの落とし処を演出する効果があるが、今作は子供っぽい勝負に用いているところが興味深い
ヒロインの女の子の美貌と、しかしあどけなさ残る幼稚性、それが故の成長を拒むことを表現している超常現象への興味や同時にいつまでも拒めない心と体の成長 そんな綯い交ぜを一手にぶつけた主人公へのからかいや他愛のない勝負は、それでも性的好奇心が芽生え始めた男の子にとっては決して嫌な気持にはなれない、寧ろもっと与えて欲しい欲求に苛まれる程だろう
そんな性的ジュブナイル作品と同時並行するホラー感の要素を綺麗に織込んだ秀逸な内容なのである
他のネタバレサイトに書かれている考察とは違い、自分は真っ先に思ったのは、そもそも主人公の男の子はとっくに2年前に亡くなっていて、自分がそれを気付かないのだというシナリオだということ あの湖畔に漂い続け、話が出来るのはヒロインの女の子しかいない それ以外は全て主人公の想像であろうと思ったのだが、おかしいだろうか? そして向う岸迄彼女を追い泳ぐが、辿り着けない事実と、家族の湖畔での黙祷に、初めて自分が死んでいることに気付き、それを教えて貰う為のラストのヒロインへの問い掛け 彼女にふり返り始めのカットオフは、これから教わる残酷さを予感できる演出であった
勿論、解釈の見立ては間違っている事、重々承知しているが、でもこの奇妙なバランスで成り立っている筋立ては、観客それぞれの余白(マージン)を用意してくれているようで、その制作陣の懐の深さに感銘を受けるものである
背中のライン、胸ポチ、ギリギリ迄たくし上げるTシャツ、そして女性の自慰 タブーとされる刺激を表現することへの戸惑いや、観客の受け止め方はそれぞれであろう しかしこういう作品が、果敢に挑戦するイマジネーションの活力に成り得る可能性を充分指し示す事も又破棄できないのだ 狙うからこそのその問い掛けは鋭く観客に突き刺さり、そして泡立つ・・・
こんばんは。
無事に観れました。
予想を超えたかなり攻めた作品でした!
そして、いぱねまさんのお見立て、興味深く拝読致しました。
他の方のレビューでは、クロエも又、あの時に。。という考察もあり、様々な解釈が出来る作品だと思いました。
まなみ100%は行ける距離での上映が終了してしまいとても残念です。