「日本語字幕はよかった。」ファルコン・レイク 詠み人知らずさんの映画レビュー(感想・評価)
日本語字幕はよかった。
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大変残念なことに最初のシーンを見ただけで、全体のストーリーは、ほぼ判ってしまった。こんな時、開高健だったらどうするのだろうか。
パリで暮らす4人家族が、母親の友人を頼って、ケベック州の湖畔に近い避暑地のコテージで、バカンスを過ごす。雰囲気としては、ニューヨークの北側の東海岸の感じに近い。そのコテージで、年の離れた弟ティティを持つ14歳を迎えるバスティアンは、母の友人の娘で16歳のクロエと再会する。
ケベックはフランス語圏だから、クロエのようなフランス系の人たちはフランス語が基層、ケベック以外のカナダ人とのコミュニケーションのために英語を身に着けている。一方、クロエの友人オリヴァーのような英国系のカナダ人は英語が基層で、フランス語は学んだだけのもの。それに対し、バスティアンのようなフランス人の英語は、付け足し程度。この異なった背景を持つ若者たちが、スマホ以外は親からの干渉がほぼない状態で出会い、交流する。年齢はやや異なっているが。
一番よかったのは、英語のセリフの日本語字幕に(かっこ)がついていたこと。フランス語のセリフの字幕には(かっこ)はなかった。登場人物が言葉を使い分けることで、それぞれの背景・性格がよくわかる。
最初のシーンから予想されたエンディングを迎えたあと、ラストでは、少し救いを求めたのだろうか。しかし、湖の霧がそうであるように、心まですっかり晴れるわけではない。家族や友人のことを考えると、評価は分かれるだろう。
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