PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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役所とヴェンダースの凄さ
淡々としてる作品を少し寝不足で観に行くのは少し心配でしたが、全然大丈夫でした。
最初はすこし眠いと思いながら観てはいましたが、もう五分もすると役所広司の演技、表情、所作から目が離せませんでした。
昔はこういう映画はヨーロッパとかを舞台に描かれていたのではと思いつつ、東京を舞台に描くのはヴィム・ヴェンダースが日本好きだからか、日本の文化が世界的に認知されたのかとも思って観てました。
この作品も役所広司ありきの作品だと思いました。
その極みなのではないでしょうか。
画もとても美しいというのとは違う、凄みある画でした。
あのアスペクト比もなかなかもって、イカすエモい良い演出でした。
トイレツアーは行ってみたいです。
自分の人生を豊かなものにできるかどうかは本人次第なんだと強く教えら...
退屈と出るか?感銘受けるか?
清掃
変哲もない1日なのに何故このタイトル
主人公が愛でる個人的空間
静かな映画。おんぼろアパートに一人で住む初老男性が主人公。仕事は都内の公衆トイレを巡回掃除すること。趣味は、部屋で植木を育てることだ。ずらりと小さな鉢が並んでいるのは壮観だが、それらはまだ、背が低いので、こういう生活を始めて、まだそんなに日数が経っていないことを思わせる。朝、箒で掃除をする音で目覚め、歯を磨いて植木に水をやり、階段を下りて、仕事に行く。それが終われば、浅草で夕ご飯を食べ、銭湯へ行き、ときには、飲み屋でいっぱい。そして、寝る前に少しの読書……ほとんど他人との交わりがない、個人的空間で過ごす。これが、主人公の一日である。突然、姪が訪ねてきたり、ほんのり好意を寄せている飲み屋の女将が素敵な男性と抱擁しているのを垣間見て動揺したりもするが、それは一過性のことであり、基本的は同じことの繰り返しである。そんな主人公の過去はまったく明かされない。トイレの使い方がわからない外国人女性に英語で教えてやったり、高級車に乗ってやってきた妹との対峙で、かすかに彼の背景を想像するしかない。ある意味、過去を捨てた男なのだろう。捨ててしまったから、逆に失うことを恐れていないのかもしれない。それが証拠に、彼は出かけるときに施錠をした様子がない。盗まれて困るものなどないからなのだろう……と思ったのだが、姪が転がり込んできた際には、「開錠」する描写があるから、やはり鍵はかけたようである。それとも、姪の持ち物は大事であったか。それとも、姪との個人的な空間を他人におかされたくなかったのだろうか。そう思えば、トイレも非常に個人的な空間だが、やはり、施錠する描写はない。主人公は、ふたつの個人的空間を愛しているように思えてならない
ものすごく乱暴なレビューを書きます
ものすごく乱暴なまとめ方をする
今作はキャラ萌え日常系映画だ
「◯◯な趣味をやらせてみた」ではないものの『ゆるキャン△』や『けいおん!』の仲間である
主人公はトイレ清掃員・平山
早朝から仕事に向かい、明るいうちに終えて銭湯で汗を流す
さっぱりしたら行きつけの酒場でレモンサワーを一杯
夜は文庫本を片手に眠くなるまでの時間を過ごす
休日にはプロの技で手際よく部屋の掃除を終えると、汚れた仕事着を持ってコインランドリーへ
合間の時間には趣味で撮ったインスタント写真の現像にも出向く
夕方には少し気になる女将のいる小料理へ
そうして平山の一週間は巡る
インスタには載らない。しかしこれ以上なく丁寧な生活だ
そう、そんな彼を好きになるための映画
演じる役所広司氏はPERFECTだ
ヴェンダース監督の控え目な描き方も心地良い
『オイラは平山。寡黙だけど不思議と周りに慕われるトイレ清掃員さ!』
と語らせるのが0点ならば100点の形で彼の魅力を引き出している
情報を入れて難しく考える必要はない
平山さんに好感を持つか否かだ
静かな映画
後味の良い映画
泣き笑いの人生 腕時計 木洩れ日
多くの方が絶賛しているので、感じたことだけを書こうかと思う。主人公の出勤日のルーティンな生活風景は、何とも見ていて気持ちが良い。玄関の横に鍵やカメラ、財布など並べてあり、それを身に付けて行くのだが、なぜか腕時計だけは持っていかない。不思議だなあと思っていたが、近隣の神社の入口を掃除する箒の音で目を覚まし、決まった所に仕事に行き、淡々と一人で、仕事をするのに腕時計は不要なのだと気づく。ところが休日にはこれまたなぜか腕時計をしっかり着けて、コインランドリーに行き、馴染みの古本屋と写真屋と憧れのママのいるお店で一杯飲む。これまたルーティンな休日の風景。面白い。
すべてがオブラートに包まれたような優しいと言うか、苦味を感じさせない作風は興味深い。そこには公園の公衆トイレの酷く汚損された現実の姿も、主人公が静かな日常を選択せざるえなかった過去の経緯も、また容赦なく入り込んでくる周囲の悪感情も、この映画には描かれない。
主人公が毎日撮り続ける木洩れ日の風景(朝ドラのカムカムエブリバディの中で木洩れ日は日本にしかない表現だと言う場面を思い出した)、その写真をそれまでの忘れたい過去の気持ちや心を浄化するように押入れにしまい込む。
そんな頑なな完璧な日々も毎日は続かない。知らない内に変化が訪れる。パトリシアハイスミスの小説が「不安」を如実に表現していると言うように、最後の笑うとも泣くとも、何とも言えない表情は、私達が日常で抱える「漠然たる不安」をよく表現している。こういう場面を演じる役所広司は、さぞや役者冥利に尽きるだろうなあと感心して観ていた。
悟らせる、と言う演出の極み
静かで美しい、質素なのに贅沢
役所広司氏がカンヌで賞をもらった、くらいの前知識で観ました。
皆さんおっしゃるように、セリフでなく表情と生き様で語ってくる映画。
質素なのに、なんだか羨ましくなる生活。
「風呂無しの木造アパートで、公共トイレの清掃員」と文字にしてしまうと、寧ろ敬遠したくなるような生活なのに。
家具や装飾品はほとんどないのに、晩年はああいう部屋に住みたいと思ってしまったのは、彼が自分の生活に満足していることが伝わってくるから。
自分の仕事を満足できるように工夫してて、心安らぐベンチを見つけてて、心地よい風呂屋があって、いつも元気に明るく話しかけてくれる馴染みの飲食店がある。
なんか人生に必要なものはコレで充分なんじゃないかと思えるほど。
そして、あぁだから「パーフェクトデイズ」なのかと納得する。
アメリカではなく、フランスで賞をもらえたのも納得。
批判は最も。しかし
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