PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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役所広司のすごさ
役所広司の力量を見せつけられた。おそらく上映時間の半分以上は台詞がない。日々少しずつ変化のあるルーティンが映し出されるだけなのに、平山の一挙手一投足、表情から目が離せず飽きさせない。
なぜ平山が公衆トイレの清掃員という職業に就いたのか。なぜ1人なのか。はっきりしたバックグラウンドは最後までわからない。だけど家出してきたニコを迎えにきた平山の妹とのやりとり、ハグ、感情を抑えられず肩を震わせて平山が泣くシーン。私まで訳もわからず号泣。
説明がなくとも表情だけで心を揺さぶる説得力はラストシーンでも発揮される。
変わりないように見える毎日も、平山が愛でる木漏れ日のようにまったく同じ日はなく、些細な発見で人生って彩られていくのかもしれない。
やめたタバコをまた、、、
ヴィムベンダースの映画は何本か観てきた中で、一番好きな映画だった。俺も歳を取ったのかな?
流石のベンダース、ゴジラ-1.0のような説明セリフは一切なし。
それゆえに、観た人それぞれ経験してきた人生によって、十人十色の映画なんだろうなと思う。
平山の過去を想像してみた。
彼は、その仕草や佇まいから、とても仕事の出来る人、几帳面で、どうすれば効率よく仕事ができるかをいつも考え、実行する人。
父が興した会社をいずれは継ぐことを自分も考えていたのだろう。
だが、父とのとても大きな確執によって、修復不可能なほどの、平山自身の考え方をも変えてしまう経験をして、家を出た。
妹との束の間の抱擁は謝罪のように思えた。
好意を寄せるママさんの元夫が抱き合うところを目撃して、やけ酒とばかりに酒とタバコ、とても愛おしかった。
最後のシーン、音楽聴きながら、思わず泣いてしまいそうになる感じ、とても好きなシーンでした。
「素晴らしき世界」といい、この映画といい、役所広司の深さ、優しさ、強さを感じた、いい映画だった。
彼の人生に幸あれ
東京の一部の公衆トイレが、外観、内装、先進のシステムなどなど・・・著名なデザイナーさんが設計したものがあるという噂は存じ上げておりました。
今作はそれらを毎日綺麗に清掃する仕事をしている(役所広司さん演じる)平山の日々の平凡な仕事や生活のルーティンにフォーカスを当てた内容となっています。
無論、現代の話なのですが平山は築50年はいってそうな木造二階建て風呂無しオンボロアパートに一人暮らし。その殺風景な部屋にはたぶん冷蔵庫もTVもない代わりに無数のカセットテープとラジカセ、そして100円の古本の文庫本、そこらで取ってきた樹木の鉢植え?などなど・・・懐かしの昭和にタイムスリップした錯覚に陥ります。いや、私、昭和40年代の生まれですが、私の幼少期でさえもう少し生活感のある文化的な生活をしていた記憶がございます(笑)。
そんな中、彼が淡々とする仕事は、嫌な仕事を「しぶしぶこなす」なんてことは微塵も感じさせず、まるでそれが天職とも言うべき緻密さ丁寧さがありかつスピーディ。トイレ掃除の職人技をご覧あれっ・・・てくらい様式美さえ感じる手際の良さで、トイレと一緒に薄汚れた私の心も洗われるようでした(笑)。
また、繰り返される日々は平凡でも毎日、同じ場所で眺めフィルム写真に収める木漏れ日の様に同じものなんてひとつもなく、受け取り方によってもそれは様々に形を変えていくというのが、適切に、明確に表現されていたと思いました。
平山みたいに正しいこと、無欲な生活を繰り返したからといって必ずしも報われる訳はないし、逆に事態が悪くなることさえあるのが人生です。が、彼が時折り表情に表す微笑には強く共感し、彼の人生に幸あれと願わざるを得ません。
なかなか良い映画でした。
孤独を選んだパーフェクトデイズ
ビムベンダース監督作品
「パリ、テキサス」や「ベルリン・天使の詩」は見たはずだがストーリーを全く覚えていない。
今度見てみよう。
なんか音楽がかかるとノリノリで見てる人がいたww
きっと60代以上くらいが、どはまりする音楽なんだと思う。
でも、東京のトイレを紹介する映画です。
パターン化されたパーフェクトヒューマン?
なんかいろいろ考えちゃうね
理解するのに時間かかるかも。
趣味は何ですか?
音楽、読書、写真、酒、孤独です
繋がっているようで繋がっていない、
これから日本が抱える孤独イシュー
どんな生き方をするのか人それぞれ。
木漏れ日が好きなのは花でも日向でも光でもないからなのか。
振り返るとただのトイレ映画がジワジワくる。
退屈な映画だと思ってたけど、
退屈な清掃員と思っていたけど、
日常の些細な事やルーチンで楽しんでるようにも見える。
そんな退屈な映画をここまで感じさせてくれる役所さんの演技が素晴らしいと思います。
カンヌ映画祭男優賞おめでとうございます
この作品の監督がドイツ人だとは誰も信じないだろう。
西洋人にありがちな、おかしな日本観が一つもない。
主人公の平山は毎日毎日同じことを繰り返し、
自分が出来ることを精一杯こなし生きている。
私には平山が大谷翔平に見えた。
違うのは世界的有名人と名もなき市井の人と言うこと。
メジャーリーガーとトイレ掃除人。
社会的評価は天と地ほども違うが、
自分の仕事に真摯に取り組む姿勢は同じ。
平山の中に理想の日本人像を見たような気がします。
あえて言うなら10/10点かな
日々好日
渋谷区の公衆トイレ清掃員として働く『平山(役所広司)』の日常は
判で押したよう。
目覚まし時計に頼らず、
陽の明かりと近所の老婆の竹箒の音で目覚め
身だしなみを整えユニフォームに着替え
アパート前の自動販売機で缶コーヒーを買い車に乗り込む。
車の中ではお気に入りの曲をカセットテープで再生。
スカイツリーを眩しく見やる。
現場に着けば持ち場の掃除を卒なくこなし、
決まった神社の境内でサンドイッチと牛乳の昼食。
時としてトイレの利用者や、
同じ場所・時間で交差する人々との微かな交流はあるものの、
互いに深入りすることはない。
業務が終われば地元の銭湯でひとっ風呂。
馴染みの居酒屋で軽く呑み食いし、
就寝前には読書も欠かさない。
仕事が休みの日は溜まった洗濯でコインランドリーに。
古本屋で本を買い、撮った写真の現像にカメラ屋へ。
その日の〆は歌の巧いママが居るスナック。
五~六年も通うそこのママには
ほのかな恋心を抱いたりもする。
そしてまた明日からは仕事の日々が始まる。
『平山』は五十を過ぎ、妻も子もいない。
驚くほど寡黙で同僚とも必要な会話以外はせず、
自身の素性を語ることもなし。
仕事ぶりは至極丁寧。
清掃用具を自分で工夫し造ることも。
とは言え、若い女の子にチュッとされれば嬉しい。
その日は一日上機嫌だ。
そんなルーチンを乱す出来事が。
しかし日々の行動が変わっても
怒るよりも、どちらかと言えば楽しんでいるよう。
が、それが図らずも主人公の過去をあぶり出し、
万感のラストシーンへと繋がる。
彼の行動原理は
『宮澤賢治』の〔雨ニモマケズ〕を思わせる。
そして、下町然とした地域での人々のかかわりは、
水魚の交わりのよう。
こうした純日本らしい風俗を
外国人の『ヴィム・ヴェンダース』が描き出したことに
先ずは驚く。
取り立てての事件が起きるわけではない。
日々は淡々と過ぎて行き、
また明日も、昨日と同じような一日になるだろう。
それでも、それを善しとして、
楽しむ心構えが『平山』にはできている。
最近とみに増えて来た
ハイカラなトイレ群の背景はこうなっていたのね、との
清新な発見。
勿論、それを支えるソーシャルワーカーの人たちにも
思いは及び、
(今でもそうだが)この先は、あだやおろそかには使えない。
そうしたことに気づかせてくれた監督の視線の細やかさにも
改めて感嘆する。
ずっとこのままじゃだめなのかな 何も変わらないなんて、そんな馬鹿なことあってたまるか
映画の中で「何も起きない」ことを願うなんて、未だかつて無い体験だった。
そして、何も起きないことへの感動を味わえたことも、初めてだった。
日本は渋谷のど真ん中で粗いCGでドンパチするんじゃなくて、もっとこんな映画を作ったら良いのに。これこそ本当に日本で作る意味のある、日本らしい映画だと思った。
冒頭5分程の映像でもう良い映画だと分かった。一つひとつのカット。カメラのズーム。そして編集。その全てが洗練されていて、ドキュメンタリーのような劇映画なのではなく、本当に洗練された劇映画はドキュメンタリーになり得るのだと思えた。そしてそんな風に思わせてくれたのはやはり、カンヌで最優秀主演男優賞を取った役所広司さんの名演もあったからだろう。
「パリ、テキサス」を思わせるようなセリフの少なさで、本当にこの主人公平山は何も語らない。なのにココというタイミングで意味ありげなことを言う。それがこの映画の全てのようにも思えて、何も語らない平山という男の背負うものを考えられずにもいられなくなる。そして語らない平山の人格を、いくつのもの登場人物達があぶりだしていく。後輩のタカシや、その彼女、姪っ子、踊るホームレス(これは田中泯さんの最も正しい有効活用かもしれない笑)妹、行きつけの居酒屋のママ、ママの元夫……平山はこの人物たちと何か深く会話を交わす訳ではない。しかしその交流を見ていると、何故か平山のことを思わずにはいられなくなる。それは役所広司さんという役者の過ごさでもあるだろうし、あまりにも隙がない、無駄がないヴェンダース監督の演出によるものなのだろう。
ラストの長回し、本当に凄かった。
これが映画だよなあ…と強く思わされ、さらに何か、込み上げてくるものが確かにあって、でもそれが何か分からなかったのはまだ自分が人生経験が足りないからだろうかと思った。
いつか、こんな風に生きていけたらと思った。
「こんなふうに生きていけたら」というキャッチコピーも、この平山のように生きていけたら…という意味ではなく、平山が「こんなふうに生きていけたら」と思っているという意味なのかもしれない。それはクライマックスで流れるニーナ・シモンの歌の歌詞のような、はたまた彼が読んでいる幸田文のエッセイのような、そしてエンドロール後に現れる木漏れ日のような、そんなふうに平山は生きていきたいと思っていた。そしてそれが叶っているかどうかは観客に委ねられているのかもしれない。
手を伸ばせる範囲の中での丁寧な暮らし方
セリフもほとんどなく淡々と描かれる平山の日常を眺めながら、自分の心も次第に整っていくような気持ちがした。それは、平山が、流行り廃りとは無縁に、自分が手を伸ばせる範囲の中で、丁寧に暮らしを重ねているシンプルさへの憧れとも言える。
冒頭は、カセットテープのカーオーディオとETCのアンバランスさの違和感が拭えずにいたのだが、中盤で、平山が意図的にカセットテープを選択して生活しているのだと気付かされてから、ぐっと惹きつけられた。
全編を通して、とってつけたような説明台詞が一切なく、平山の過去も、平山の家族の状況も、あくまで想像の範囲でしか観客に提示されない。けれど、そこがいい。不必要なものには触れないというのは、まさしく平山の生き方そのものだからだ。
三浦友和演じる小料理屋のママの元夫とのやりとりの部分が出色。自分自身も人生を振り返る時期になり、2人の言葉がじーんと沁みてきた。
この映画を観た人と色々な面から語り合いたくなる一本だと思う。
深く考えないで観察する映画
傑作としか言いようがない
ヴィム・ヴェンダース監督が切り取った東京が素晴らしく魅力的
セリフが圧倒的に少なく、その分 映像が今の時代 個性的なスタンダードサイズの画角で秀逸のため、観るより”感じる”という印象が強い作品だと思いました
主役の平山を演じる役所広司さんでさえ、ほとんど喋らない不思議な魅力を放つ良作でした
が、そういう雰囲気とストーリーというストーリーが無いので、退屈に思う人も多いかもしれません
大好きな東京の風景
煌びやかな東京スカイツリーから雑多な浅草駅の地下街まで、ヴェンダース監督が美しく情緒豊かに”ニッポン”を撮ってくれていて、とても嬉しくなります
主人公 平山がトイレ清掃員として働く、渋谷にある数々の個性的な公共トイレ
平山の住むメチャクチャ味のある(ありすぎる 笑)アパートや銭湯を墨田区某所にて
そして平山が行きつけの下町情緒溢れる一杯飲み屋を浅草で
など、徹底してロケ撮影にこだわっただけあって、本当に素晴しい東京の風景が描き出されており、何度も好きで行っている東京ですが、また訪れたくなりました
ルーティーンの暮らしに生きる平山ですが、そんな中でも毎日は違いがあって、嬉しい時もあれば悲しい時、困ったと思う時、など そよ風レベルの違いを愛おしく思い、毎日を噛み締めて生きていく
そんな生活に一番の幸せを感じ生きている
という寡黙で何とも哀愁漂う男を役所広司さんが静かに力強く演じており、素晴らしかったです
日々の喧騒から開放され、全てをノイズだと思い、必要最小限の物と好きな物だけを身近に置き、生きていく事ができたらどんなに楽な生き方だろう、と考えてしまう秀作でした
トイレ文通
ひょっとしてセリフなし? ドキュメンタリー風が永遠に続くの? なんていう序盤がすぎ、アヤちゃんが出てきたあたりから俄然面白くなる。アオイヤマダの存在感がすごい。
ホームレス風パントマイマーの田中泯とか、境内での昼食タイムに毎回鉢合わせする不思議ちゃん風のOLとか、毎日夕食をする居酒屋の店主とか、平山さんの日常を追体験していくうちに、平山さんの心の内がわかってくる。
平山さんは、人とのコミニュケーションが嫌いなわけでなく、気が知れた人とボディランゲージだけで会話するのが心地よいらしい。
姪っ子が突然、平山さんの家に闖入してくるシーケンスは、やたらと感情が揺さぶられる。平山さんの過去に何があったかは、観客に委ねられるが、えーひょっとして、◯◯なの? 思ってしまう。
豪華な脇役に驚かされるが、全員下町になじんでいる。
マジックシールドがあるトイレとか、最新の公共トイレにはビックリするばかりだし、流れる曲がとてもいい。昭和世代ですが、さすがにテープは面倒なので、Apple Musicで探します。
多目的トイレは正しく使いましょうね。
まさに普通【悪くない】の観客全員善良の作品。❗️ モンクのつけどころがないが、かといって加点もない。
ドイツ人監督✖️役所広司🟰少し芸術的な傑作 気づきに感じ入る作品 理解は極めて容易 最後タバコ🚬出てくるけど今は禁煙派です私。
こういう人生でもイイよね👍 地味だけど清貧の清々しさ と思う
投資家や外資系コンサルは多分、無くなって困る人は それこそ上級国民一握り
でも、トイレ🚽掃除の人が居なくなったら 世の中の人全員困る
ネット情報も テレビも何もない 古いボロだけど 広い アパートで 一人で文庫本で読書
イイよねぇ そういう生活も 新聞も取って📰無い模様なので
世の中の流れに振り回されていない。良い意味の唯我独尊
樹木を愛し、毎日毎日 なるがままに 新しい時を過ごす 勿論トイレ清掃の仕事も適度に真剣勝負
生き様、生き方 人間の命の刹那感じる好作品
主人公のカセットテープ以外は音楽も無い ドキュメンタリー的フィクション
観客【結構お客さん入ってた❗️】全員で 作風を噛み締める 情報共有感が尋常で無く、心地よかった。
イイねぇ マイペース トイレ清掃の仕事 一人で文庫本
幸田文 とか フォークナー ハイスミス 文庫本@100が渋すぎ 音楽が アニマルズって・・
清々しい あっ❗️こういう生活もイイよね作品。
姪が突然 家出で登場はフィクションそのもの❓だったけど
麻生祐未 の 鎌倉豪邸【運転手付き 想像】の妹
の 距離感 言葉 しかし それでも最後は抱擁 血のつながった兄妹の抱擁
の方が個人的に 泣き所だった。
渋谷区のトイレプロジェクト UNIQLOの息子さん【普通の国公立大出てて好感度大】
まあ見て損は無いです。ただ前半単調で眠かった【有料🈶パンフ読み込みすぎて、より単調に・・🥱🥱】
のと 挿入される モノクロイメージが 芸術狙っててわかりにくいのは玉に瑕
【余計なお世話様 情報】①くるみっこ のお菓子は 近所の百貨店で何度もバラで購入してるが 日本一と言ってイイほど美い
②ピースだっけHOPEだっけ 確かに強めのタバコ🚬だけど コクがあって美味いタバコ 大人がむせる程では無い ハイライトと比べれば・・
③ 駅のトイレ は 男子 誰がいつこぼすのか❓というくらい 小便器の下小便まみれ
だけど商業施設 オフィスビル 公共施設はこぼれていない なぜだろう いつも毎日駅の小便器下小便まみれ 全国統一的
④ 本作は 役所さんが実際のプロのもとで指導受けた模様で 素晴らしいが チコっと画面がキレイすぎて【有料パンフ中も指摘あり】❓
でもイイ作品ですよ。マイペース清貧 最初寝なければね❗️有料🈶パンフも 極めて普通 興味のある方はどうぞ
この監督色々作ってるんだな という カラフルさが良かった。
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