PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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sense of distance
何気ない日常の(優しい)耳障りで
目を覚まし、修行僧の様に蒲団を畳み、
リズミカルな歯磨き・何時もの身支度
そして 一日の扉を開ける。
その後も 淡々とルーティンを重ね、
生活の為の労務により
綺麗なトイレを様々な人に仕上げ、
僅かな時の隙間で好きな曲を聴き、
木漏れ日に心を預け、一日を構成していく。
時に 人と対峙しても その距離感は保ち続け、
たとえ親族により過去に浮遊しかけても
フェードアウトで明日に続ける。
カンヌ受賞関連TVで 久しぶりにルーリードの歌声を聴いて 観たいと思った。
結果、数十年前の東京での心地良い『繋がり』
の断片と 懐かしいワードの数々が舞い上がった
CISCO MARYJANE SAV NYLON100% 門
足るを知る
じんわり何もなくない
役所広司さんがGOOD
是非見て下さい。
是非見て下さい。多分今の自分の年齢だからこそより一層心に沁みる一遍です。過去1年で観た映画のベストに入る映画です。自分にとっては毎日の暮らしの中での空、木々たち自然というものを感じる事を忘れていました。ともすればスマホにばかり目が行き電車からでも景色さえ逃していた。主人公の平山がそんな自然を体中で感じながら、平凡な日常をなんと楽し気に生きていっているのだろうかと。仕事を一生懸命やった後の昼食時のサンドイッチの本当においしそうな事、夕食時の1杯が格別な事どこを切り取っても幸せにしか見えない。その平山をいろんな人が通り過ぎていく。そこでは現実に戻される。現実は何故皆勝手なんだろう。いろんな思いがこみ上げてくる一遍になっています。お時間あれば是非劇場で多分こういう映画は終わるの早そうですからお早目にお出かけ下さい。
主人公平山の幸せを、映画を通じて共有できる良作
主人公平山の日常を描く作品なので、ともすれば退屈になりがちなテーマだと思うが、全くそんなことは無かった。
昼休みに神社で写真を撮る、仕事終わりに銭湯へ行く、飲み屋で一杯やる、寝る前の読書といった平凡な日常に彼は幸せを見出している。その幸せを、映画を通じて共有できるのが面白い。
贅沢をする=幸せでは無い。彼は決して裕福な暮らしをしているとは言えないが、身の丈に合った幸せを噛み締めながら生きている。幸せは、日常のささいな出来事に見出すものだというのを教えてくれる映画。
平山はとても寡黙で、作中でもほとんど話さない。人が周りに居てもただ笑顔でいるだけのことが多い。それでも職場の後輩や飲み屋の女将といった、彼の周囲にいる人々と、不思議と心地よい関係を築けている。人間関係の構築には、必ずしも社交的である必要は無く、ただ楽しそうにその場に居るだけで十分だということが分かる。
映画の中で彼の周りの人間が、仕事を辞めたり癌が発覚する等、様々な出来事が起こるが、そういった生活の変化が、一人一人の人生があることを感じられてしみじみとした。
人生や幸せについて考えることのできて、劇場で観れてとても良かった。
平山を初めとする登場人物は何者なのか気になってしょうがない
「変わらないわけないじゃないですか」
ルーティンと思える日常も、細部は少しずつ異なり、人は少しずつ変わっていく、そんなことをじんわり伝えてくれる映画でした。
トイレ清掃員ということで、もっと目を覆いたくなるカットがあるかなとか、淡々と進む映画のため、どこかで平山がひどい目に遭うんじゃないかとびくびくしながら見たのですが杞憂で、ほぼ起承転結のない映画でした。最後の平山の表情の変化など、どう解釈すればいいのかまだよく分からず、評価が難しいですが、役所広司の演技は確かに素晴らしかったです。
平山は何者なのか、その他の登場人物(例えば、アヤや、昼に公園で出会うOL)の細部も気になって仕方がない。
小津安二郎作品を見たことがないのですが、小津作品を見た外国人が描いた現代日本なのかな?とも思われ、小津作品を見てみようと思います。
PERFECT HIRAYAMA!
なんとなく内容の予測ができた上での鑑賞だったが、思った以上に淡々んと進んだ話。
終始、素敵な平山さんだった。
役所広司の平山演技・魅力によって成り立った映画と言っても過言ではない。無言のまま、一人芝居みたいに。
立派で、優しくて力強かった...極日常的な表情がここまでこの「公共トイレ宣伝映画」を劇映画にしたことに驚いて、、、感動した。
素敵な平山さんだった。
ヴィム・ヴェンダースが尊敬する小津から借りた名字。日本(東京)への愛が込められた名付け、愛が込められたローアングル、日本的なショットの数々....こんな空ショットで埋め尽くされ、「禅」を感じさせる映画だからこそ、役所広司の演技を最大限に引き立てたと思う。目が、平山さんから離れなかった。
(ロードムービーのように繰り返される日常から長〜い人生を感じさせるのも、また監督ならではのプレゼントかも。
素敵な平山さんだった。
現代のひらやまさんには家族がいなかった。小津のどの映画の登場人物とも違い、一人で生きている。けど、彼は決して不幸ではない。自力で生きていて他人には寛大で思いやりがあり、自分には素直で可愛かった。
こんな素敵な人間になりたかった。(なりましょう)
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木漏れ日ムービー
物凄く大胆な脚本だと思いました。セリフはすごく少ないし、説明的なものも無い。
ただ淡々とトイレ清掃員の平山のルーティンや日常と些細な出来事(観るものにとっては)を映し出す。
いったい平山はどのような人生を歩んできたのか、観るものの想像に委ねられている。ただ、たくさんの細やかなヒントはあるので想像するのが面白いという映画。
こういう映画は集中できる映画館で鑑賞しないときっと面白くないのではないか。
けして金銭的には裕福な暮らしではない中で、木漏れ日のようなささやかな幸せや気づきを見つける平山を見事に演じている役所広司さん。カンヌ映画祭の男優賞は納得です。
<1/9追記>
鑑賞から二日たちますが、まだこの映画についてあ~だこ~だと考察している自分がいます。
こんなに引きずることができるこの作品はスゴい!
ということで☆4.5から、5.0に変更させていただきました。
ふと見上げてみよう
役所広司で120分
時間
そして生活はつづく
東京のど真ん中。スカイツリーのそばで暮らすトイレ清掃員のおっちゃんの日常を覗き見る話。
派手な出来事もなく淡々と日常を繰り返す。
朝起きていつものルーティン、植物の水やり、仕事に行く車内のカセットテープ。そして仕事中にある自然の機微やちょっとしたユーモア。
おっちゃんの好むものは、人から見ればどうでもいいことかもしれない。
ただそれこそ住む世界が違うだけの話。人に踏み込まず一定の距離だけど、相手の好きを尊重するおっちゃんは超イケおじ。日常系リアル充実おっちゃん。
正直、見ていて単調だなーと思いました笑
全然会話しないし、流れる景色だけのシーンが大半。
でも本当の日常ってこんなものだ。なんてことない日が一番なんてことあるもんだ。
映画終わりにZORNや田我流、星野源さんの曲が聴きたくなりました。
「日々をかみしめ生きてゆく」芸術的一作
カンヌ映画祭で賞をとったようですね。
あまり邦画は見ないのですが、賞賛のレビュー多く今年の1本目として拝見。
初めのボロアパートシーンは古いながらも、主のこだわりや趣向が十二分に表現されており、貧しいけれど暮らしに満足している事がすぐに伝わりますね。植物を小さく育てている、玄関の鍵をキレイに並べている等、日々を丁寧に過ごしているのが伝わります。
作中の出来事も淡々と過ぎてゆきますが、主のほんの少しの表情の変化を通して心の機微が伝わります(迷子の子供が手を振ってくれたシーンの役所浩司の微笑みは、この映画の中でもトップクラスに好きです。
この映画、室内や自然、夜景が美しいんですよね。それも、本作の品の高さを支えていますよね。
起承転結がかなり薄いですが、解釈を観る側に委ねている芸術作品を拝見出来ました。
恐るべしは柳井さん
平穏な日常の美しさに気付かされる一方、『海外の反応』みてるみたいだなと客観視する自分も。
役所広司がトイレの清掃員として日々の日常を送るという、ストーリーの概要を説明すればただそれだけの映画。日常の中の何気ない感動や美しさを切り取るのがうまい。たとえばふと空を見上げた時の木漏れ日だったり、見ず知らずの人とのちょっとした交流だったり、些細な幸せにフォーカスがあたる。無表情の役所広司が少し顔を緩ませるのをだけでなんかこっちまで幸せな気持ちになってくる!
「あなたにとっての幸せってなんですか」と聞かれた時に、「朝起きて布団を整え、着替えをして歯を磨く…そんな些細な日常が私の幸せです」という返答って一定数あると思うけど、その日常の幸せみたいなのが上手く映像化されていたなぁと思った!
仕事仲間が飛んで遅くまで残業してイライラしても次の日にはちゃんと補填の人がやってきて平穏へ戻る…
姪がやってきて、2人で暮らすという変化がらあっても2日後には母が迎えにきてまたいつもの日常へ戻る…
何か劇的な展開があるのかも!?と思ってもあくまでも日常に戻るというのがちょっとツボだった。笑
あと、最後の方の初対面のおじさん同士で影踏みするシーン、「では私から、いきますよ」とか敬語でちょっと気を遣いながらも笑い合って楽しそうにしてるのが微笑ましくて可愛かった!
人によっては眠気を誘うであろう静かな映画が、ここまで評価されているということに驚いた!キャッチコピーにもある通りに、「こんなふうに生きていけたなら」と多くの人が思っているんだろうなと感慨深くなった。
色々と考えながら観られるような余白が多い作品だと思ってて、鑑賞中も色々「どんな幼少期を送ってきたのだろう」とか、「あのママへの気持ちはどんなものなのだろう」とか、色々考えている中でふと客観視して観る時間も多かったので、
日本の日常が美しく映っているシーンを、『海外の反応まとめ』に書いてある美しい『ザ・日本』そのものみたいだなと思ったりしてしまった。笑(批判しているわけでも皮肉っているわけでもない)
日本好きの海外の人が観たら、「ZEN!!」と喜びそうだな〜なんて思いました!笑
日本の日常がここまで美しく描けるのは、海外の監督がつくってるからだよなぁ〜と。
巡りくる朝へのときめきと感謝を胸に生きていく
こんなにも透明感のある静謐な時間を体感できる映画は初めてです。ヴィム・ヴェンダースは、公衆トイレの清掃人である初老の男のつつましくも穏やかな毎日の繰り返しを淡々と描いていて、劇中では事件らしい事件も起きません。主人公の家は築50年くらいのアパート、趣味はカセットテープの音楽とフィルム式カメラ、1冊100円の古本の読書で、携帯はガラケーとアナログなライフスタイル。それでいて、彼の隠者のような毎日から目を離せず強く惹かれるのは、細くても他人とのつながりを持ちつつ決して争わず、平凡な日常の中にささやかな喜びをみいだす穏やかさが、現代の生活では得難いものだからだと思います。同じような毎日、でも少しの変化を感じ、今日も無事に朝を迎えることに喜びを感じる主人公の謙虚さ、清々しさが心に残ります。タイトルの意味がそこにあると気づき、とても満ち足りた気持ちになります。役者では、役所広司の自然な演技が胸に沁み入るようで、彼自身の代表作と言えます。他の出演者の皆さんも出番が少ないながらも、いい味を出していました。
とても美しいフィクション
とてもとても美しい映画だった。
「静謐」とはこういうことなんだろうな。
これが外国映画だったら、私は大感動しただろう。
でも、現代の日本は、少し近すぎる。
しみじみするには、現実が近すぎるみたいだ。
同僚の子が突然辞めてしまい、
1人で全部のトイレをこなさなければならなくなった平山が、やっと仕事を終え(随分暗くなっている)派遣会社に「こんなのは毎日はできないですからね」と声を荒らげて電話し、銭湯にも行かず、いつもの飲み屋にもよらず、本も読まないで疲れて布団に倒れ込む。
これがきっと現実だ。
私たちの毎日は「こんなの毎日は無理」な仕事量を、日々こなさなければならない毎日なんだ。
映画では、翌日には新しい代わりの人が派遣される。
ああ、これはおとぎ話なんだなって、思った。
しみじみ映画は、自分の日常・文化からある程度離れてないとダメなんだな、と思った。
私自身、他人から見たら、随分と平山寄りの世界に生きているように見えるかもしれない。
でも、自分の静謐を守りつつ、他人とのささやかな関係を築くなんて、めちゃめちゃ高度なダンスステップを踏むようなものなのだ。自分を守りすぎると、他人との関係は消えてしまう。
そんな村上春樹に小説の主人公のようなこと、現実に生きる不器用な自分には到底無理なんだ。
近すぎて届かない蜃気楼のような映画だった。
この年齢だからこその共感
熟れイケ爺主演の東京プロモーションムービー
公衆便所掃除をする爺さんの映画で、主演の役所広司さんがカンヌで主演男優賞を獲得した映画、という前情報のみで鑑賞。
もっと社会派の映画なのかと思いきや、便所掃除は有名建築家によってデザインされた粋なもので綺麗なところしか見せず、主人公の生活も寡黙ながら行きつけの店に知り合いがいたりなど、それなりに充実した日々を送っている感じ。その点は期待外れでした。
ただ、元々渋谷のオシャレな公衆便所のプロモーションから始まった映画という事を思うと(ネット情報、パンフは売り切れで買えず)
大したストーリーも見せ場もないのに2時間の1本の映画として魅せられるものになっているのは凄い思うし、そこには主演、役所広司の役者力にかなり頼っているな、と思います。
ビジュアル的な面に絞りますが、御年67歳となってもスクリーンいっぱいに顔面ドアップでも惚れ惚れとしてしまうイケ顔、
度々挿入される銭湯での入浴シーンで魅せる裸体も年齢を考えればかなり締まっており、一緒に写るモブ爺さんとは一線を画しており、その点も個人的に眼福でした。
意味を求めず、ひたすら感じる(劣情も含め)映画だと思います。
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