PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
全717件中、221~240件目を表示
キーワードは“ 木洩れ日・影・人 ”
公開当初は、もう一つ見たいという気にならなかったのに、カンヌ映画祭で男優賞を受賞したと聞き、見る気になったのに、風邪を引いたので、エラク遅い鑑賞になったけど、良い映画でしたネ!
貧しくても、お天道様に恥ずかしくない、まっとうな生き方をしている主人公を、何度も出てくる木洩れ日越しに太陽を見る姿で、象徴している様に思いました
日々の生活を淡々と描写する中で、救われたのが、「トイレの神様」を当然知らないスマホ世代の姪っ子が、トイレ掃除を手伝ってくれた所でしたネ! お金持ちの娘の設定でしたが、まっとうな良い娘でしたね 結婚したくなる程の、清楚な美人だったし!
それに比べて、あの青年は「オレオレ詐欺」の闇バイトをして人生を潰すことになるんじゃないか?と、心配になったのは私だけでしょうか?
主人公は人生経験から帰ってこないお金と分かっているのに、あの青年の儚い夢の為に、持ち金のほぼすべてを貸す人の好さをあれで表したのでしょうね!
最後に突然出てきた三浦友和のお陰で、最終的にはスナックのママと一緒になるかも?!と思わせてくれたのも、この映画を見てよかったと思える設定で、なぜかホッとしました
作者達が言いたかったのは、人は勿論一人でも自由気ままに生きて行けるけれども、人は文字通り「支え合って生きる」ことが大切だ
映画の中程でもでて来た「影」というキーワードが、木洩れ日の影には陰影があり、ぬくもりのある人との影は濃くなるという事を終盤の影踏みを通して表し、ぬくもりのある人と支え合う事が大切だと言っているのではないでしょうか?!
「格好良過ぎる」
予想通りの良作!
同じ日なんてない
虚無の目をしたOL
良作
家族で見ないほうが良い
好きだし嫌いな映画
ショーペンハウアーの「幸福について」を体現するような生活。生き様。
アパートの鍵をしめないのは、物に固執していないから。
他人とかかわらなくても、自分を楽しむことができる。写真などの創作活動もして人生の軌跡も残す。快楽もないが苦痛もない。
故に、自分は幸せである。
でも、何もわからずに多分このまま終わってゆく(死んでゆく)。
それでいいんだろうな、いいと思うことにしよう。そんな日々。
ラストシーン。平山は自分のことをきっとこう思っている。
私は優しい、思慮深く、幸せもので、どちらかというとモテて、繊細で、器用で、孤独を愛し、感性も豊かな人間だ。
と同時に、稚拙で、臆病で、短気で、インポで、短小で、甲斐性がなく、不器用で、寂しがりやな人間だ。
幸せだ、いや情けない人生だ。いや他人より幸せだ、優越感、いや劣等感か。。。
自己嫌悪=自己陶酔。全部まとめて自分。矛盾だらけが普通の人間。幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなんだ。
鑑賞後のいま、本作は素晴らしく美しい映画だなという思いと、平山はあまり好きではないなという、混沌におります。
古書店のおばちゃんが好き
私には東京の美しさはわからない。日本人の中にも酷い人間はいるし、汚い風景も隠れてる。けれど、寡黙な男平山の日常に差す緑葉の木漏れ日や人々の喧噪、窓の色、ページをめくる摩擦音、そこに紛れるラジカセの音楽、全てが彼にとって愛おしい日常なんだということが伝わってきました。
私は小説が好きなので、古書店のおばちゃんの一語一句が毎回面白くて好きだった。パトリシア・ハウスミスは私も読んだことがあったので、「不安と恐怖は違う」というニュアンスの言葉に、確かに…とたったそれだけで共感めいた喜びが湧き上がってきた。いつもの人と店がいつまであるかわからないけれど、きっとその記憶は美しい思い出として残っていく。
役所広司さんだからこそ表情で魅せる演技、睡眠時のモノクロの継ぎ接ぎ、トイレでの顔の知らないゲーム相手に想像力が刺激された。あと、清掃員の助っ人女性(安藤玉恵さん)がプロフェッショナル感がでててかっこよかった。幸田文さんの「木」も読んでみたいなぁ。
超!余韻が残る映画でした!
凄く感じるものが多い映画でした。
まず日本の日常を非常にうまく切り取ってあることにビックリしました。まだ夜明け前の街を歩く学生服に身を包んだ女の子、子供のことで頭がいっぱいになってる礼を失した女性、まだ息づいてる下町文化etc…。何でジム・ベンダースがこんなに日本に精通してるのか、パンフレット買って確認しようと思っ出たんですが、、、パンフレット買うの忘れた。そして日本の清潔なトイレ文化も上手く捉えられています。
ささやかだけど満ち足りた生活を送る平山は仕事前に、いつも夜明けの空を見上げて笑顔になります。溜まらんな〜。私なんか出勤前は、いつも死んだような表情をしてるので、空を見上げて笑顔になるなんて経験、少なくともここ数年は無いですね(笑)
登場人物の背景は平山を筆頭に細部まで描かれません。でも上手く匂わせる。だから私達は、それを手掛かりにちょっと想像する余地があります。三浦友和の「何も分からないまま終わるんだな…」と言う呟きの重さに思わず「フー」とため息が出てしまいましたが、それに対して自分は「確かめてみましょう」と声をかけられるか?「影踏みしましょう」と声を掛けらるか? 自分のキャラじゃないと自覚しつつもそう言う人に憧れますよねー。結構そう言う人多いんじゃないでしょうか。だから朝、空を見上げて微笑む事と相まって平山の人間性が良く表れてる気がしたし、ちょっと羨ましいと思ってしまいました。
そしてキャスティングでも存分に楽しませてくれましたね。
「え!これ石川さゆりじゃね?」
石川さゆりだった。
「え!これ吉田類じゃね?」
吉田類じゃなかった汗(あがた森魚だった)
他にも研ナオコや片桐はいりや、他にも挙げきれない程、意外な人が意外な所で。そこら辺も存分に楽しめる映画でした。ジムベンダースのネームバリューが成せるわざでしょうか?とても満足できた映画でした。
劇場に3回足を運びました。
#02 すべてがパーフェクトじゃないけど
美しいものは絶望を遠ざける
15年以上前に読んだ子育ての本に「美しいものは絶望を遠ざける」という言葉があり、ずっと覚えていたのだが、まさにそれを体現したような作品であった。心に染みる音楽を聴き、空を見上げ木漏れ日に目を細め、生きる力を回復させる。作品に映画らしいスペクタクルはないが、ないことに徹するのもまた映画であろうと思った。
物語の舞台として東京の最新鋭の公共トイレが次々と登場し、これはトイレの宣伝なのかと思いながら観ていたが、本当に東京の公共トイレを刷新するプロジェクトが発端となっているとのことで、その意外な繋がりがまた面白いと思った。主人公が日々掃除するトイレがこれほどスタイリッシュでなければ、物語はこうも美しくはならなかったはずで、綺麗な公共トイレは世界を救ってくれる気がした。
全717件中、221~240件目を表示