PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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平山と東京とルー・リード
おそらくこの映画で描かれる平山の生き方は、実は現代人にとって本当に必要なものではないのだろうか?
世間から決して華やかなイメージを持たれている仕事ではなくとも自分の役割に誇り持ち、小さな幸せを見つけられる日常のルーティンがある。
幸せになるには実はこれだけで十分なのではないかということを、情緒溢れる東京の風景と古典ロックとともに描いたこの作品は私にとってとても尊く、愛おしいものだった。
そして、洗練された日常のルーティンはこんなにも美しいことがよくわかる。
現代人は何かと効率主義に囚われがちである。何か生産性の高いことをしなければならないといった観念が強すぎるのだ。
その結果、自分が今向き合うべき感情を無視することになる。
しかし、平山はその瞬間瞬間をしっかり噛み締めて生きているように見える。
「今度は今度、今は今」なのだ。
ただし、葛藤もある。笑っているとも泣いているとも見えるラストシーンで、本人のなかで複雑な感情が渦巻いていることがわかる。この暮らしも決して良いことだけではないようだが、それでもあのシーンは苦しみではなく、そのとき感じた幸福感からにじみ出たものであると私は信じたい。
観賞後は何故か無性に銭湯に行きたくなる。
作品のタイトルがルー・リードの曲名から来てたことを作中の音楽を聞いて理解したとき思わずニヤリとしてしまった。
この曲がこの映画そのものだったからだ。
東京とルー・リード、何故か絶妙に相性が良い。
今度、Spotifyで聴きながら都内を歩いてみようか。
Spotify?どこにあるの、そのお店。
ドイツ人が作った日本映画、良い映画でした
平山さんと自分の違い。
朝さっと起きるところ、さっと洗面所に行くところ、本をいつも読んでいる、お腹が出ていない、頭髪がふさふさ、お酒が強い、コーヒーはボスのカフェオレ、人に優しい、多分生まれはお金持ちの家、仕事を愛してる、何故か女性にモテる、そして一人だけど孤独ではない。
私は平山さんとは全てに違いすぎるオッサンですが、それでもこの映画が好きです。2時間完全に見入ってしまいました。
まずディテールの凝り方が凄まじい。自然に撮っている様だが、全てヴィムヴェンダース監督が、東京、日本をイメージして作り込んだ物です。気づけば気づく程いろんなものを詰め込んでいます。監督は、小津安二郎が大好きな人だそうだから、本当に日本が好きなのか、たぶんその知識量が半端ない。本当にドイツの人が作った映画なのかと思う程、日本映画です。それも抜群にセンスが良い日本映画。日本で似た人といえば、たけしさんかな(全盛期の)。画の切り取り方や間がですけどね。観たきっかけは、又吉さんがYouTubeで偉い褒めていた事からです。封切中に観られて良かったです。もう一回観に行こうと思ってます。
彼もアパートも渋い!
穏やかに
ずっと見ていたい感じがする
カンヌの最優秀主演男優賞で話題になった作品。これは見逃すわけにはいかない、ということで。
なんか、すごいよかった。
どこが?って聞かれてもどこがよかったんやっけ??ってなるけど、ずっと平山さんの生活を見てたい感じがしてしまう不思議。ちょっと憧れすら感じてしまう。かっこいいなって。
役所さんはもちろんすごいけど、ひとりのおじさんの生活を切り取るっていうこんな斬新な映画を作るビムベンダース監督って何者。他の作品も見てみたいと思った。
なんかすごい刺さって、気づいたらパンフレット即買いしてた笑。
パンフレット片手に、渋谷の公衆トイレ巡りに行きたい。
穏やかな心になった。
台詞が無くとも、こんなにも伝わる映画があるのだな〜と感動しました。
トイレ掃除って作品で描かれているよりも、もっと過酷だと思うツッコミどころはありましたが……。
何かとザワつくこの時代に、一瞬【ゆとりの気持ち】が持てました。
駅等のトイレを利用する時には、この映画がよぎります。
PERFECT DAYS は言葉以外で語る物語だった
「日本・ドイツ合作の映画」という紹介文を見て、完全には日本向けじゃなくて楽しめないかと思って見送っていた。
だが世間で絶賛されていたので見に行った。
結果、ちゃんと日本映画だったし、良い作品だった。
自分の場合、人が絶賛しているほど逆に自分は絶賛したくなくなるので、何も事前知識なしに観たかったとは思った。しかし他の人のレビューなしには映画館に足を運ばなかっただろう。
日常の風景
この映画は男の日常の風景から始まる。最初はセリフは全くない。
冒頭にまったくセリフを入れずにひたすら日常を映し出す映画は案外多い気がする。なので「またこの手法か」と思ったのだが、この映画は無口のレベルが違う。
なんと冒頭10分ぐらい全くセリフがないのだ。
だが途中でこう気づく。男が一言も言葉を言わないのには理由がある。言葉を喋れない障害を持っているのだと。この映画はそういうテーマの作品なのだと。
結果的にはそうではなく、ただ本当に無口なだけだったのだが。
言葉 VS 言葉でないもの
映画の中にはとにかく言葉先行のものがある。言葉の理屈が幅を利かせており、言葉の背景として映像があるかのような作品だ。
だがこの映画の「言葉以外で語る」というやり方は対照的だ。
日本ドイツ合作だという背景もあってこの構成になったのだろうか。
自分の好みとしては、映画の言葉は最小限の方が好きだし、説明的ではない映画の方が優れていると思う。
PERFECT DAYS
一体何がパーフェクトなのか?
主人公の男は清掃員の仕事をしており、トイレをひたすら掃除するのが役目だ。
毎日同じ繰り返しで生きている。同じコーヒーを飲み、同じ居酒屋に行って同じメニューを頼み、同じ銭湯に行って体を洗う。その繰り返しなのだ。
だがありふれた日常の繰り返しの中にこそ「完全」はある。それは自分が生きている世界を愛するということなのだ。
自分の心がけ一つで、この世界に生きているという奇跡を見逃さずに味わえるのではないか。この映画はそう思わせてくれる。
社会的強者の描く「社会的弱者」映画
主人公が大人の「よつばと!」なのでは、と思い至ったので評価を星3に改めました。
以下、修正前。
正直に言うと何が言いたいのかあまりわからなかった…トイレ清掃の人にも人生があっててとかそういう当たり前の話…?無口で何考えてるかわからない人だって何考えてるかわからないくらいにはいろんなこと考えてるなんて当たり前の話でして…
そんなことより週一場末のスナックで石川さゆりの歌が聴けるなら通うから店教えてほしいなって思いました。
正直あらすじを読んでもよくわかりませんでした…なんでこれが絶賛されてるんでしょうか。もしかしたら、こういう当たり前にエンタメを享受できる生活「しか」知らない人にとっては斬新な物に見えたのかなぁとも思います。小さな事で喜んだりするのは当たり前です。大きな喜びに出会えないんだから。小さな事に喜ぶしかできないんだから。
こういう、社会的弱者にスポットを当てて勝手に「それでも幸せに生きています」系はやっぱり胸糞悪いですね。これを見て泣けるとか言ってるのは社会的強者しか経験したことのない人では?幸せなわけあるかい。そうでもせな生きれんのじゃ。
ラストシーン、平山と同じくらいギリギリな人生を送っていた時に同様の事象を起こした事があるので、ああわかるわかる、と思いました。
趣旨がわかりづらい -1
冗長(それが良さでもある)(日常とは時にそういうものである) -1
胸糞(感動したとか言ってる人間、社会から断絶された未来が今日になれ)-1
女に夢抱きすぎ(神聖視しすぎ)(「好意を持たれているという思い込み」なら良かった)-1
って感じです。低評価つけたいわけではないんですが、見終わった後ただただムカついたので星1です。これまて主演が女なら色々言われてたんだろうなと思ったけど生々しすぎて書けねえわなとも思いました。日本てそういう国だもんな。
役所広司だけで最後まで飽きないという
・ふだんのじぶんの日常を見せつけられているようで、しみじみとしました。つなぎではないですが、作業服だし、トイレの詰まりには向かいますし、サンドイッチを公園で食べてますし。 ・選曲はさすがです。アニマルズは反則でしょ!w サントラ、かなり売れるんじゃないかな。 ・短編映画ならかなり引き締まった作品にはなるでしょう。しかし、このたゆたうような2時間に身を浸すという快楽があるのかも。 ・小津安二郎というより、ジャンヌ・ディエルマンですね。ふだんの生活動作に何かが宿っているよう。 ・予想以上に楽しく見る事ができました。昭和の日本映画みたいで懐かしい。 ・アナログな生活は、コンピュータやテレビやスマホから離れていれば可能であると。 ・日常を工夫したアングル、明かり、音響が効果を上げています。 ・少年の純粋さと、男の内なる狂気。 何考えてるかわからないギリギリを体現する、 つまりは一挙一動が目を離すことができない、稀有なアクター役所広司は、さすがでした。 ・影踏みで一触即発、殴り合いしたらどうしよう、なんてハラハラしたりして^_^
人は生きて行く
足るを知る
都内で清掃員として働く平山。
朝起きて、コーヒーを飲み、担当している
都内の公衆トイレを黙々と清掃する。
その後、行きつけの居酒屋で食事を摂り、
風呂に入り床につく。
そんなルーティーンを繰り返す彼に
来訪者が訪れる。
淡々とトイレを清掃する姿が描かれていく
けど、街や、休憩する神社にある木々の
木漏れ日、凡ゆる空気感がパッケージされてる。
悪態をつく利用者を意に介さず清掃に取り組む姿は、正に仕事における求道者のようだ。
平山の生活は極めて質素なものだが、心にはどこか余裕があり、物事を達観していて悟っている。
資本主義により、人や物やお金に執着して悩んでしまう現代だからこそ、彼の生き方がヒントになるのかもしれない。
渋谷にはデザイナーズトイレが
沢山あるようですね。
訳あって最近、関東圏に越してきたので
行ってみたいと思いました。
おじさんの日常
木漏れ日の様な日々
house of the rising sunはちあきなおみさんの...
巨匠・大ベテランなのに、最近の自主映画以上に自主映画していて、その...
巨匠・大ベテランなのに、最近の自主映画以上に自主映画していて、その若々しさに驚いた。ヴェンダースはずっとヴェンダースだなあと。サイレント映画の様に思えるところに、映画史の重みを感じる。これは誰彼でも撮れるものではない。感服しました。
微笑みの素晴らしさ!
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