PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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深く考えないで観察する映画
退屈に思える一般人の毎日、でもその中でも、小さな幸せを感じたり、悲しみを感じたりしてる。
わかりにくいかもしれないけれど、そんな心の機微がラストの役所さんの表情(顔芸)にあらわれてるんじゃないかと思う。
意外に平凡だけれど退屈しない映画です。
傑作としか言いようがない
脚本、演出、演技、どれも素晴らしい。
終わった後、映画館にいる誰かに、素晴らしい映画ですねって話しかけたくなった。
役所広司は言葉じゃなく表情ですべてを物語っていたし、終盤の三浦友和も存在感素晴らしい。石川さゆりなど他の演者もいい。脚本と演出が良ければ、日本人俳優は素晴らしいことを再認識。
今、日本の映画は内向きのお子ちゃま向けのソフトクリームのような映画ばかり。
こういう大人の余韻がある映画、なぜ日本で作ることができないのか。それが悲しいし悔しくなった。
ヴィム・ヴェンダース監督が切り取った東京が素晴らしく魅力的
セリフが圧倒的に少なく、その分 映像が今の時代 個性的なスタンダードサイズの画角で秀逸のため、観るより”感じる”という印象が強い作品だと思いました
主役の平山を演じる役所広司さんでさえ、ほとんど喋らない不思議な魅力を放つ良作でした
が、そういう雰囲気とストーリーというストーリーが無いので、退屈に思う人も多いかもしれません
大好きな東京の風景
煌びやかな東京スカイツリーから雑多な浅草駅の地下街まで、ヴェンダース監督が美しく情緒豊かに”ニッポン”を撮ってくれていて、とても嬉しくなります
主人公 平山がトイレ清掃員として働く、渋谷にある数々の個性的な公共トイレ
平山の住むメチャクチャ味のある(ありすぎる 笑)アパートや銭湯を墨田区某所にて
そして平山が行きつけの下町情緒溢れる一杯飲み屋を浅草で
など、徹底してロケ撮影にこだわっただけあって、本当に素晴しい東京の風景が描き出されており、何度も好きで行っている東京ですが、また訪れたくなりました
ルーティーンの暮らしに生きる平山ですが、そんな中でも毎日は違いがあって、嬉しい時もあれば悲しい時、困ったと思う時、など そよ風レベルの違いを愛おしく思い、毎日を噛み締めて生きていく
そんな生活に一番の幸せを感じ生きている
という寡黙で何とも哀愁漂う男を役所広司さんが静かに力強く演じており、素晴らしかったです
日々の喧騒から開放され、全てをノイズだと思い、必要最小限の物と好きな物だけを身近に置き、生きていく事ができたらどんなに楽な生き方だろう、と考えてしまう秀作でした
トイレ文通
ひょっとしてセリフなし? ドキュメンタリー風が永遠に続くの? なんていう序盤がすぎ、アヤちゃんが出てきたあたりから俄然面白くなる。アオイヤマダの存在感がすごい。
ホームレス風パントマイマーの田中泯とか、境内での昼食タイムに毎回鉢合わせする不思議ちゃん風のOLとか、毎日夕食をする居酒屋の店主とか、平山さんの日常を追体験していくうちに、平山さんの心の内がわかってくる。
平山さんは、人とのコミニュケーションが嫌いなわけでなく、気が知れた人とボディランゲージだけで会話するのが心地よいらしい。
姪っ子が突然、平山さんの家に闖入してくるシーケンスは、やたらと感情が揺さぶられる。平山さんの過去に何があったかは、観客に委ねられるが、えーひょっとして、◯◯なの? 思ってしまう。
豪華な脇役に驚かされるが、全員下町になじんでいる。
マジックシールドがあるトイレとか、最新の公共トイレにはビックリするばかりだし、流れる曲がとてもいい。昭和世代ですが、さすがにテープは面倒なので、Apple Musicで探します。
多目的トイレは正しく使いましょうね。
素敵なクリスマスプレゼント!
「東京に空が無い、ほんとの空が見たい」と昔、智恵子さんは言ったらしいですが主人公平山(役所広司さん)が優しい表情で見上げ時折フィルムカメラに収める空にはスカイツリーも借景として実に感慨深いものになってました。
まず、このシチュエーションで、しかも台本のセリフ行数数えられるんじゃないか、と思うほど圧倒的無口な平山を主人公として素敵な作品に仕上げた監督の力量、才能に感服です。監督の目のつけどころ、日本の公衆トイレはこうして清潔さを維持しているのかと心から感心するとともに日本で生まれ育ったことに感謝感謝です。
以前は何年かに一度海外出張に出かけることがありましたが成田やセントレアに着くと、まずは空港のトイレでスッキリして日本に帰ってきたな!って実感したこと懐かしく思い出しました。映画の中の公衆トイレも結構ハイテクなものがあり、東京ならではかもしれませんがやはり日本のおもてなしの心を感じます。
またカセットテープから流れる古き良き時代のアメリカンポップスが懐かしくも心地よい響きです。今Z世代はじめ若い方々にもレトロが逆に新しいみたいで、親子や孫子で同じ曲をカセットやレコードを聴くなんて素敵なことでしょうか。
タカシ(柄本時生さん)の今どきっぽい仕事のやっつけ度合いにも怒ることもなく淡々と仕事を進める平山が、おそらくハイソサエティらしい妹(麻生祐未さん)に姪っ子のニコ(中野有紗さん)を返したあと慟哭する姿にえも言われず心を揺さぶられました。またエンディングの役所さんの顔のアップ。複雑な想いをぐるぐると巡らし、笑いそうなところから苦しそうな、泣きたいような表情の繰り返し、それだけでアカデミー主演男優賞ですね。なんて素敵な役者さんなんでしょうか。
他にも古本屋のおばちゃんのまとを得た書評、田中泯さんのパントマイム、メモ書きの手紙やり取り、石川さゆりさんの艶やかな歌声、三浦友和さんとともにやめたタバコにむせたり影踏みしたり、タカシの彼女(にしたかった女の子)のキスにあたふたしたり、始まっちゃったギターはあがた森魚さん?などなど語りたいこと満載ですが今回は余韻にひたり、割愛です。
ハリウッドであのリチャードギアを主役にリメイクされた「Shall we ダンス?」や「素晴らしき世界」など数々の名作、様々な役どころを演じ分けられる日本一の役者さんに間違いありません。
個人的には家族にちゃちゃっと『マルちゃん正麺』を作ってドヤ顔の役所さんや、古くは『ダイワマン』として唐沢寿明や黒木メイサさん(離婚しちゃいましたねー)と絡むCMの役所さんがとっても好きでした。※新しい『ダイワマン(西島秀俊さん)』はベルリンやカンヌで最近評価が高く役所広司さんからこの役を引き継いだそうです!(嘘です)
多くを語らずとも仕草や表情で演技を極める最高の役者さんが最高の監督やスタッフと出会って完成した素晴らしい作品だと思います。年の瀬にいい映画と出会えて幸せでした。
カセットテープと木漏れ日
まず今年公開された江戸時代の汚穢屋の生き方を描いた阪本順治監督の『せかいのおきく』を思い出した。
あちらは汚物そのものを取り扱う人々の物語だったが、公衆トイレの清掃員も誰かが行わなければいけない必要な仕事であるにも関わらず、あまり日の目を見ることがないのは同じだと感じた。
主人公の平山はその生真面目な性格が覗えるように、たとえすぐに汚れてしまったとしても丁寧に時間をかけて便器を磨き続ける。
それでも急いで用を足したい者からは、まるで邪魔者を見るかのように扱われてしまう。
この映画はそんな平山の判を押したような単調な生活の描写から始まる。
朝起きて身支度を整え、出掛けに缶コーヒーを一本飲み、車の中ではアナログなカセットテープをかけて音楽を聴く。
都内の様々な公衆トイレを掃除して回り、代々木八幡宮の境内でサンドイッチを食べ、趣味のカメラで木漏れ日の写真を撮る。
仕事を終えると植木の手入れをし、銭湯で汗を流した後に浅草の地下街の飲み屋へと赴く。
そして寝る前に文庫本を読んでから一日を終える。
休日は現像したフィルムを受け取り、古本屋を訪ね、行きつけの飲み屋で時間を過ごす。
単調な描写だが、観ていて飽きることはない。
平山は寡黙な男だが、決して無愛想なわけではない。
むしろ些細なことに微笑みを浮かべる彼の姿が彼の人柄の良さを語っているようで、観ているこちらも幸せな気持ちにさせられる。
平山がいつも出会う公園のホームレスも写真屋の店主も寡黙だが、それとは対照的に同僚のタカシは必要以上に喋りまくる。
何でも十段階で評価しようとするタカシはかなり軽薄な男なのだが、どこか憎めない愛嬌がある。
そして彼が想いを寄せるアヤも不思議な魅力を感じさせる。
いつもおかえりと出迎えてくれる浅草の飲み屋の店主も印象的だった。
平山の姪のニコが家出をして彼を久しぶりに訪ねてきた時から、単調な日々が変化を見せる。
ニコは平山をとても慕っているのだが、どうやら彼は家族との間に大きな確執があるらしい。
今まで穏やかな表情を崩さなかった平山だが、妹のケイコがニコを連れて帰った後に初めて泣き顔を見せる。
さらにタカシが無責任な形で仕事を辞めたことで無茶なシフトを組まれた時も彼は声を荒げる。
そして彼は行きつけの飲み屋でママが別れた夫と抱き合っている姿を見て、気まずさのあまりにその場を立ち去り、普段は吸わないタバコを吸ってむせてしまう。
前半は単調な描写ながら幸福感に包まれていたが、後半は影を感じさせる場面が多い。
ママの別れた旦那が平山に「影は重なると濃くなるんでしょうか」と聞く場面が印象的だった。
影が重なっても濃くなることはないのだが、平山は頑なに影が濃く無ったと主張する。
そして何も変わらないなんてことがあるはずはないと答える彼の言葉は、まるで自分に言い聞かせるようでもあった。
この映画を観て幸せとは何かを考えさせられた。
どうしても人は日々の生活に変化と刺激を求めてしまう。
しかし判を押したように同じ生活が続くということは本当はとても幸せなことなのかもしれない。
誰かと一緒にいなければ幸せになれないわけでもない。
と同時に、誰かと喜びや悲しみを共有出来ることが幸せなのだとも感じる。
最初は平山が幸せそうに見えたが、彼もまたどうしようもない孤独を抱えて生きていることが分かった。
悲しみや苦しみのない人生などない。
むしろ人生は悲しみや苦しみの方が多いのだと思う。
木漏れ日がとても象徴的に感じられたが、まさに影の間から時折差し込む光があるから人は前に進んで行けるのだろう。
彼が最後に見せる笑顔は流れそうになる涙を懸命に堪らえようとする笑顔だ。
それでもラストシーンに悲しさは感じなかった。
平山の持つカセットテープにセンスの良さを感じたが、アナログなのはカセットテープだけでなく棚に並ぶ映画のVHSもそうだ。
日本人ではないヴィム・ヴェンダース監督だからこそ描くことの出来る風景があるのだと感心させられた。
まさに普通【悪くない】の観客全員善良の作品。❗️ モンクのつけどころがないが、かといって加点もない。
ドイツ人監督✖️役所広司🟰少し芸術的な傑作 気づきに感じ入る作品 理解は極めて容易 最後タバコ🚬出てくるけど今は禁煙派です私。
こういう人生でもイイよね👍 地味だけど清貧の清々しさ と思う
投資家や外資系コンサルは多分、無くなって困る人は それこそ上級国民一握り
でも、トイレ🚽掃除の人が居なくなったら 世の中の人全員困る
ネット情報も テレビも何もない 古いボロだけど 広い アパートで 一人で文庫本で読書
イイよねぇ そういう生活も 新聞も取って📰無い模様なので
世の中の流れに振り回されていない。良い意味の唯我独尊
樹木を愛し、毎日毎日 なるがままに 新しい時を過ごす 勿論トイレ清掃の仕事も適度に真剣勝負
生き様、生き方 人間の命の刹那感じる好作品
主人公のカセットテープ以外は音楽も無い ドキュメンタリー的フィクション
観客【結構お客さん入ってた❗️】全員で 作風を噛み締める 情報共有感が尋常で無く、心地よかった。
イイねぇ マイペース トイレ清掃の仕事 一人で文庫本
幸田文 とか フォークナー ハイスミス 文庫本@100が渋すぎ 音楽が アニマルズって・・
清々しい あっ❗️こういう生活もイイよね作品。
姪が突然 家出で登場はフィクションそのもの❓だったけど
麻生祐未 の 鎌倉豪邸【運転手付き 想像】の妹
の 距離感 言葉 しかし それでも最後は抱擁 血のつながった兄妹の抱擁
の方が個人的に 泣き所だった。
渋谷区のトイレプロジェクト UNIQLOの息子さん【普通の国公立大出てて好感度大】
まあ見て損は無いです。ただ前半単調で眠かった【有料🈶パンフ読み込みすぎて、より単調に・・🥱🥱】
のと 挿入される モノクロイメージが 芸術狙っててわかりにくいのは玉に瑕
【余計なお世話様 情報】①くるみっこ のお菓子は 近所の百貨店で何度もバラで購入してるが 日本一と言ってイイほど美い
②ピースだっけHOPEだっけ 確かに強めのタバコ🚬だけど コクがあって美味いタバコ 大人がむせる程では無い ハイライトと比べれば・・
③ 駅のトイレ は 男子 誰がいつこぼすのか❓というくらい 小便器の下小便まみれ
だけど商業施設 オフィスビル 公共施設はこぼれていない なぜだろう いつも毎日駅の小便器下小便まみれ 全国統一的
④ 本作は 役所さんが実際のプロのもとで指導受けた模様で 素晴らしいが チコっと画面がキレイすぎて【有料パンフ中も指摘あり】❓
でもイイ作品ですよ。マイペース清貧 最初寝なければね❗️有料🈶パンフも 極めて普通 興味のある方はどうぞ
この監督色々作ってるんだな という カラフルさが良かった。
どっちに行くの?
美しい映画。予告編で見られる、シンプルな生活を過ごす男の満足感という面が基本にあるのだが、短期間を切り取ったと思われる映画の中、同僚の恋・姪の家出・スナックのママとその元夫など、いくつもの非日常的ともいえるドラマチックな要素が盛り込まれていたことで、自分の評価もどこを見ていいのか不安になりぶれてしまった。
主役はトイレ清掃員。その毎日は美しくもあり、ああ、こういう生き方もありかなあとも思わせる。一階の物置部屋にはゴルフバッグなどもあり、また妹との会話からも、かつては一般的なサラリーマンだったのかもしれない。極端に無口ながら、後々しゃべれば普通にしゃべれることがわかる。選択肢がなく今の生活に至ったということではなく、何かの原因があって今の生活を選んだ、ということなのだろう。
役所広司は当然のようにいいのだが、ラストの長いアップでの表情が移り変わる前の笑顔はもう少し抑えた方が良かったかな。石川さゆりの歌が聞けて良かったし、三浦友和とのハグは、ホリプロ同僚の山口百恵との関係を想起させる。。これは監督想定外だろう(笑)
心の処方箋
この時期(クリスマス、年末年始と孤独を感じやすい時期)観れて良かったな、と率直に思いました。
ソーシャルワーカー(トイレ清掃員)の主人公の日々のささやかな日常が淡々と描かれていきます。
その中で後輩になくなくお金を貸したり、家出した姪を面倒みたり、ガン告知を受けた恋敵を励ましたり、決して人を拒むことなくゆるやかに人とつながる生活を微笑ましくみてました。主人公の清貧な暮らしぶりに好感が持てて、こういう展開のまま終わるんだろうな、って観ていました。
ところが最後に主人公の悲哀が明らかになっていきます。首都高速の車移動と主人公の表情の変化が重なり、私もいろいろな感情が胸に迫ってきました。
だからって、暗い終わりじゃないのがこの映画のミソ。
冒頭に書きましたが、映画を観た後、なんか街の人達ひとりひとりを愛でるようになるといいますか笑
心が豊かになる感じなんです。
日常を大切に過ごそう、って。
「今は今、今度は今度って」。
それが題名のperfect daysにつながるのかな。
主人公が愛した木漏れ日のように、この映画も決して派手じゃないけど、そっと私たちを応援してくれる、心の処方箋のような映画でした。
今年最後に観る作品としてはおススメです。
役所広司、あっぱれ!
ヴェンダースの人間讃歌、万歳!
フライヤーに添えられた言葉が秀逸だ
僕は「陸王」を観てから役所広司さんを好きになった。人柄も好きだけれど、とにかく演技が好きだ。
この映画は、全体を通してセリフが少ない。下手をすれば事故を起こすレベルで「なにを伝えたいのかわからない」と言われてしまいそうな作品だ。
そうならないのはやはり役所広司さんの「演技力」なのだと思う。彼が演じる平山が、いま、何を感じ、どう思っているのかが、表情やしぐさで感じ取ることができる。
心がじーんとあたたかくなるシーンも、寂しくなるシーンも、たくさんある。どのシーンも全部、僕の思い出の一部となった。
ただ、平山の最後の涙は観た人それぞれの平山があるのだろうと思った。僕はまだぼんやりとしていて、ここに残せるほどの言葉がまだ見つかっていないけれど…最近の出来事をその日の気分で選んだ音楽を聴きながら思い出して、涙できれいに流して、朝日をみて、生きていることの喜びを噛み締めたのだと思う。朝日や夕焼けを眺めてなんとなく泣きそうになる…そんな感じもあるかな。
まわりから見れば、彼の一日はいつも同じようだけど、同じ日なんて一日もなくて、少しずつ違くて、少しずつ変化している。
彼は未来より、今を、一瞬を、大切にして生きている。少しの変化を感じて楽しみながら。
『こんなふうに生きていけたなら』
フライヤーに添えられたこの一言は秀逸だ。
エンドロールの途中で席は立たないで。
そのあとの映像で物語が完成するから。
なにを伝えたい映画なのかが分かるから。
今年観た映画で一番良かった!
日常のちょっとした事にも喜びを感じ、人生を楽しんでいる様に見える主人公… 悟った様にも見える主人公が人との結び付きを求めている事に気づく。影が重なると濃くなるとムキになって主張するシーン。『新しい夜明け!新しい一日!すごく気分が良い!』とカセットから曲が流れる中、朝日に向かって車を走らせる主人公がいつもの様に笑おうとして涙ぐむラストシーン!泣けました!
スカイツリーが繰り返しでてきますが、主人公の過去を象徴しているのかな?
いつもの劇場で掛かっていなくて、足を延ばしましたが、観に行って良かったです。 本当に良いので皆さんも劇場へ!
✳︎追記
スカイツリーは主人公の心かな?
後半までは昼も夜もハッキリと描写されているのに、夜の水面に映ったツリーはユラユラと揺れ、かろうじてツリーだと分かるレベルになっているので…
今を生きる平山
平山の暮らしぶりには共感しかない。
アスファルトを掃き清める箒の音で目を覚まし、
朝のルーティンをこなして、カセットテープで同じ曲を繰り返し聴きながら仕事に向かい、
口にするものも毎日同じ。
版で押したような日々が延々と続く。
まさか2時間ずっとトイレ掃除の映像が続くのかと少し心配になった。
姪のニコが登場してから物語が動き出す。
コミュニケーションの仕方を知ってるんだ、携帯(ガラケーだけど)持ってるんだと知る。
個人的に好きな場面は行きつけのスナックのママの元夫との影踏み。
建物を取り壊した空き地を見つめる老人が、
前に何があったのだろうと尋ねるシーン。
石川さゆりをはじめ、キャストも贅沢。
小津安二郎は私が敬愛してやまない映画人だが、
小津が名付けた平山は娘の嫁入りの心配から解き放たれ、
孤独を愛する小粋な平山だった。
畳の掃除の仕方、大いに勉強になった。
少し切ないけど平凡な日常が一番大事
役所広司さんならとにかく見ようと思い鑑賞。
ただ、凄いドラマチックな展開もアクションもスリルもサスペンスも物凄いメッセージや問いかけとかがあるわけでなく、
もしかしたら見る人によっては途中で寝ちゃうことはあるかも、っていう「日常を映しただけ」のシンプルな映像なので、娯楽という面を期待して見に行くと退屈かもしれません。
*****
ただ、何気ない日常のほんの些細な出来事達を愛でていられたらきっとこうやってそれなりに幸せ。。なんだろうな、と思いました。
今の仕事が何故清掃に至ったのかはわからないし、家族とは疎遠気味のようだし(妹は運転手付きの車で来て金持ちそう。。家族間のギャップが(汗))
公園で子どもを助けてあげても、繋いでいた子どもの手を母親にさも清掃員の手は汚れていると言わんばかりに拭かれてしまうという。。まず先に保護してくれたお礼、親なのに言わないの?少なくとも本人の目の前でそんなあからさまに子どもの手を拭くか?と思い切なくなりましたが、
でも一応ちゃんとクルマも所持して生活が出来てる。お風呂や洗濯機は無いけど近くの銭湯やコインランドリー行ってるし、行きつけの飲み屋さん、小料理屋さん、古本屋さんとかも行けてる。
戦争とかで日々の暮らしがままならない訳じゃない。
草木を育てるささやかな楽しみもある。
ありふれた日常がそれなりに幸せ。
いつものルーティンで生活して、たまーにイレギュラー(突然姪っ子が家出してくるとか)があったらそれもいっそのこと愉しむ。
最後の長い間、運転中の役所広司さんの、
笑ってるような
泣いてるような表情が印象的な、
なんとも不思議な映画でした。
夜が明けたら新しい1日
ラストシーンのうた、
it’s a new dawn
It’s a new day
It’s a new life for me
And I’m feeling good.
よいですね。
本作を象徴する歌詞ですね。
パーフェクトとは
1階に詰め込まれた家財。
ゴルフバックも見えた気がする。
1階も2階と同じ間取りだと考えると、一体どれだけのものを持っているのか。
でもそこに執着がないのか施錠をしない。
でも捨てていない。
よく分からない彼の内面。
平山という人をも少し知りたくなる作品でした。
何気ない日常にある幸せ。
トイレ清掃員として働く平山(役所広司)の話。
目覚まし時計代わりに、近所のおばちゃんのホウキではく音で起き、布団をたたみ、歯を磨き、髭を整え、玄関の鍵は閉めず、車に乗り込む前にBOSSのカフェオレを買って仕事へ向かう平山のストーリー。
冒頭のホウキではくおばちゃんのシーンから、あっ!何かこの雰囲気好き!
何が面白かったと聞かれたら何かうまく答えられないけど雰囲気で楽しめました。
この作品って役所さんが演じてるから様になってるし渋いし雰囲気いいけど、その辺のオッサンだったらホント何て事ないですよね。
やはり役所さんが演じてるからこそ何か分からないけどいい!って感じ。
寡黙で黙々と仕事するシーンや決まった場所で食べる昼食、そこで必ず撮る木漏れ日の写真、たまに優しくみせる笑顔、仕事終わりからの銭湯と飲み屋、休日のコインランドリーからのちょっとお気に入りのママがいる飲み屋、毎日が同じ事の繰り返しかもだけど何か良かった。その日々の中で見つける小さな幸せも。
あと、たまのイレギュラーには怒ったり(笑)
もと奥さんとの再会での会話、「トイレ清掃の仕事をしてるの?」のセリフは何か意味深だったように思えたけど考えすぎかな!?
ラストの涙は日々の幸せに感謝的な?!
追記
元奥さんだと勘違い!正解は妹さん!
失礼しました!(笑)
タイトルなし
もともとヴェンダースはそんなに好きではないのであまり期待もなかったけど、役所さんが良かった。喋らない演技だけに。こういうロードムービーもあるんだと思った。石川さゆりの歌はやはりうまかった。
渋谷のトイレがモダンすぎて、そこには文脈があるんだけど、全く言及なく、ただし、ヴェンダースを使えばいいと思ってるあたり、渋谷ネオリベ区がどれだけ馬鹿なのかを露呈していた。
家に鍵をかけずにいつも出ているのが気になっていた。
どうしても男目線の話なので、あまり感情移入できない。
きちんと暮らしてたり、本がきれいに並んでいるのは共感もてるけど、写真まできちんと箱に整理されていてオタク感が。ヴェンダースの夢でもあるのだろう。
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