劇場公開日 2023年12月22日

PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価

全852件中、641~660件目を表示

5.0逆輸入されて味わいを増す、これは小粋だ!

2023年12月28日
iPhoneアプリから投稿

同じ一日を淡々とただじっくり噛みしめて生きる独り身男性の暮らしを、海外のみなさんの興味を掻きたててやまないだろう、TOKYOの雑然とした調和の中に描く

自ずと起伏の少ない物語にグイグイ惹きこむのは役所さんならでは、カンヌ国際映画祭の主演男優賞もむべなるかな

でもこの作品のすごいのはその先、海外で評判になり日本に逆輸入されてみると、ええっ、そんな端役にそんな俳優さん当ててんの、という、本作を評価した外国のみなさんには感じ取れないだろう驚きがバンバン仕込まれている

いや、これは実に小粋、年の瀬にいいもの観た

コメントする (0件)
共感した! 16件)
sysr

5.0アナログに囲まれ浮かび上がる生活の美しさ

2023年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

この映画の画面サイズは4:3の昔のアナログテレビサイズになってます。
フィルム写真のように切り取られた美しさを狙ったのか。アナログの世界感を強調したかったのか。

寡黙な平山(役所広司)の触れるものは、仕事で使うガラケー以外徹底してアナログで統一されていて、アパートにはテレビも電子レンジも洗濯機も見当たらない。ミニマリストでさえ最低持つパソコンも当然ありません。
棚にあるたくさんの本、オリンパスのフィルムカメラ、カセット、ラジカセ、電気スタンド、布団、植木鉢、歯ブラシ、電気シェーバー。

最小限のアナログたち。しかし平山は充足しているように見えます。
アナログなものは自由を含んでいる。デジタルのような窮屈さがない。

東京の公衆トイレをカセットテープの音楽とともに清掃して回り、銭湯に行き、駅地下の酒場で夕食をとるというルーティンを僧侶のように繰り返し生活する。その生活をまるでドキュメンタリーのように淡々と見せます。
役所広司演じる平山の所作があまりに無駄なく、何十年もそのように生活してきんだろうと思わせ、私は平山の動作一つ一つに目を奪われ続けました。

あのような平山の生活を美しいと思えるか否か、この映画を評価する分水嶺はそこにある気がします。
ヴェンダース監督は彼の生活に恋したと語っています。
私も平山とその生活が大好きです。

コメントする (0件)
共感した! 18件)
shige0052

4.0素敵に見えるルーティン→抜け出せない生活の繰り返し?

2023年12月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

・平山が眠りについた後に表現される深層心理シーンに目👁がサブリミナル的に現れているのに気がついた(多分) 。何を表しているのだろう?実際の目だったり枝が目に見えるような仕掛けだったりブルブルした目玉っぽい何かだったり。
『人からどう見られているか、人をどう見ているか、何を見ているか』かな?(※他人の目を通して世界がどのように見えるか、らしい)
迷子の子供と繋いだ手を母親に拭かれた事のチクッと感。自分は汚いと見られているのか。
「こんな所に住んでるのね、本当にトイレ掃除の仕事してるの?」自分は憐れ?
「金がなきゃ恋もできないのか」憐れに思いお金を渡す。人を憐れに見る?

公園で見かけたホームレスへは微笑ましく見てた平山だが、終盤の駅前で踊っていたホームレスを見かけた時はどういう感情を抱いたのだろうか?後ろの車からクラクションを鳴らされる程に何とも言えない表情で見入ってしまう平山。心配?憐れみ?社会からの孤立?自分はそのホームレスをどう見ているのか?自分も同じ?
その後ラストまでの顔アップ そのうち涙目になる平山。涙の訳が答えられません
(追記:公園では微笑ましく見えたけど、駅前の人混み、つまり社会に混ざったらとたんに異色な存在に見えたのだろうか)

・父と確執があるみたいだけどそれがハッキリわからなかった。平山の影(陰)の要素は?トイレ掃除をどう考えてる?やりがいのある仕事?選べなかったからやってる仕事?ボロアパートではあるけど仕事はあるし銭湯も飲食店もスナックへも行けるし休日も満喫できてるし、どの辺が影なのだろうか。

貧困格差 障害 ルーティンを阻害される煩わしさ いきつけの店が混んでて端の席に座り店主ともあまり話せない

・面白トイレ紹介かと思いきやアーティストがデザインしたプロジェクトだった事を後で知る。(エキセントリックなトイレだなぁ...と思った)

・おじさんがキャッキャして影踏みする 陽の当たらない部分=影=人が抱えてる陰など踏んでしまえ
・挿入歌たちのよさ 挿入歌の歌詞にもひょっとしたら正解があるのかも 後で調べたい
・カセットテープ⇄Spotify 新旧
・光と影の揺らぎ 陽が当たらない部分=影=社会の影部分 ホームレス 弱者 孤立
・重なった影が濃くならないなんて(社会の影部分の弱者が重なっても弱者は弱者のまま)そんな馬鹿な話はないでしょう 平山の望み 懇願
・駅改札の客層キラキラ感⇄ガード下のゴミゴミ感
・早朝の竹箒の音 良さ⇄騒音迷惑 どっちと見るか
・それぞれ違う世界に生きている
・平日は腕時計はいらない
・ゴミをトイレに放置する人間は滅ぶべき
↑これは自分の意見
色々もう少し理解したい

サブタイトルや綺麗な情景と良い音楽と時々みせる笑みで、悲壮感のなさを感じてしまい、穏やかで充実したステキな生活のルーティンに思えてしまったが、後から考えたら ”抜け出せない生活の繰り返し”ではなかろうか?と思えてきた。
美しい映画と思いきや、「万引き家族」や「誰も知らない」や「パラサイト 半地下の家族」のような社会からはみ出てしまった陽の当たらない人々の話だったかも?と思うのは違う⁇

プロジェクトの一環らしいそもそもの豪華トイレも そんなのに金かけてて大丈夫?みたいな皮肉になってしまってないか⁇

コメントする 1件)
共感した! 10件)
助六

4.0極上の日常

2023年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

底辺にいるおじさんの繰り返す日常の中にも揺らぎがあり、そこに光があって素晴らしい、みたいなテーマはキレイごとっぽいし、どの世代の女性にもてる主人公の生活に現実感はないし、時々出てくる哲学的セリフもなんだか鼻につく。
ただ、これをヴェンダースが監督し、役所広司が主人公である事で極上の作品になっている。
異邦人ヴェンダースが切り取る不思議な味わいのある東京の日常風景の中で役所広司という圧倒的な存在感を味わうだけで十分贅沢なのに、そこに石川さゆりや三浦友和を合わせてくるとか贅沢すぎる。
3つ星シェフが作る高級食材をトッピングした薄味の立ち食いそばみたいな感じ。
そんな映画のラストシーンには繰り返す日常に特別な物語はなくても喜びや悲しみが重なった圧倒的な光があるという事を思い出させてくれる説得力があった。

コメントする (0件)
共感した! 13件)
にょいりん

3.5可もなく不可もない淡々とした作品

2023年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

難しい

東京国際映画祭で話題になった作品が、いよいよ公開し観ることが
できた。第一印象は賛否も分かれ、可もなく不可もない作品に見えた。
いい点と悪い点もはっきりしている。
いい点は役所広司の演技と音楽、本の使い方。役所広司の演技はさすが。
また、この作品のポイントである役所広司が演じる平山の楽しみであるカセットテープの
音楽、本が作品にピンポイントで響いてくる。
弱みは退屈感と単調感。作品そのものはよくてもどこか退屈感が強すぎる。
観る人によっては退屈に思う場面もあるだろう。
前半は不安だったが、後半はしっかりストーリーになっている。
PERFECTDAYはストーリーとしては見事。ただ、退屈感と単調なのは気になった。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
ナベウーロンティー

4.5まさにPerfect Days

2023年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

淡々とルーティーンを行なって、その中に小さなよろこびを見つける主人公。コロナ禍が明けた時には居酒屋に行けるだけでも感激した自分だったが、時間が経つとそれも忘れてしまう。役所広司さん最高。ヴィム・ヴェンダース最高の1本
そしてラストの曲(曲名は伏せておく)が最高。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
hanataro2

4.0大都会での田舎暮らし的美しさ

2023年12月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 7件)
kinya-n

4.0日常を噛み締める、優しい微笑み

2023年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

一般人のドキュメンタリーのようで、日常に心揺さぶるような出来事はそう起きないけど、何故か退屈ではなかった。大きな緩急のない中、役所さん演じる主人公の表情を見ているのが微笑ましい。
寡黙で日常生活と仕事を丁寧にこなし、小さな幸せを嚙みしめ、自然の木々と人を愛している主人公をとても愛しく思った。
裕福で恋人や家族や友人に囲まれ楽しく過ごしていれば皆幸せと定義するのは、とんだ勘違いでしょう。主人公の生き様もきっと幸せのかたちだから。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
映画感

4.5本当の豊かさとは

2023年12月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

期待を裏切らない素晴らしい映画だった。

役所広司演じるのは、大都会東京の片隅で、トイレ清掃員として暮らす無口な男。毎朝夜明け前に目覚める規則正しい生活。お気に入りの音楽をカセットテープで聴きながら車を走らせ、キビキビ仕事をこなした後は、銭湯で汗を流し、行きつけの地下街の飲み屋で晩酌をし、文庫本を読みながら眠りにつく。ただその繰り返し。小さな苗木を育てること、お昼休憩のときに木漏れ日の写真を撮ることをささやかな楽しみとして、生活を送っている。
日々の小さな喜びや感動を大事にするその姿は、いわゆる孤独とは無縁のように見え、心の豊かさとはこういうことなんだろうと感じさせてくれる。
自分一人で完結しそのサイクルの中で安定した、正に完璧な毎日だ。

その一方で、他者との関わりが、その「完璧さ」に波風を立てることがある。不確実性が生み出すストレス、心のザワツキ、消せない過去の記憶、憧れや愛情、喜びと悲しみ。
生きていく上でそれらを避けては通れないこと、個人の世界から一歩踏み出して、人とつながりを持つことの重要性を示唆しているのかなと思った。

毎日眠るときに、夢が映像化されるのが印象的だ。白黒の残像、記憶の断片。良い目覚めもあればそうでない日もある。こうやって1日1日リセットをしながら、日々の営みを繰り返していく。決して表には出さないけど、心の奥底に積み重なり、今もなお背負い続けているものがあるんだろう。

単調な映画なんだけど、驚くほど感情が揺さぶられた。
願わくば、こういう大人になりたい。

コメントする (0件)
共感した! 18件)
village

3.5ほんの一瞬の笑顔

2023年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

そもそも、「PERFECT DAYS」という曲を知らなかった。他の60年代ポップスは結構聴いてきたのに、この曲は完全にノーマーク。歌っているルー・リードという歌手も初めて知った。それどころか、主人公の清掃員がカセットテープで流すコレクションを一曲も知らないという事実。
自分の思い出と交錯できない事実が結構ハンディキャップで、主人公に今一つ感情移入が
できない。
ところが、清掃員演じる役所広司の圧巻の演技で、いともたやすくマイナスがプラスに転じる。

来る日も来る日も、公衆トイレ、銭湯、コインランドリー、写真屋(趣味のカメラのフイルム入替)、行きつけの飲み屋の繰返し。飲むものはいつもレモンサワー、ランチはいつもコンビニのサンドイッチ。
変わり映えもなく、一点の狂いもない毎日。なのに愚痴なし、しかめっ面なし、でもきちんと笑顔あり。
これは、フェイスブックやインスタで、自分の日常はドラマチックと常にアップする輩たちに向けた、完全なるアンチテーゼなのか?。見せる必要もない自分の日常をイイネで飾り立てた輩たちに向けた強烈なメッセージなのか?
いや、おそらくそんなたいそうなものではないような気がする。よく言われる幸せの在り処とも違う気がする。

人は生きてる限り生活し続けるってことかな。働いて食べて寝て、笑顔は絶やさなくてもいいから、笑顔になれる一瞬があればいい。そんなとこかな。
もしかしたら、日本人監督が描くともっとメッセージ性が浮き出るのかもしれない。だが、そこはヴィム・ベンダース。そうは問屋を下さないはず。
と思いきや、「すばらしき世界」とはまた一味違う、役所広司の一瞬の笑顔がそこにはあった。
ほんの一瞬の笑顔が、ダイヤモンドに見えた。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
ジョー

4.5おっさん理想の日々

2023年12月28日
PCから投稿

幸せ

平山の日常の所作を繰り返すショットが誠に映画的で、さすがにベンダースは上手いと今さらながら唸る。

なぜか主人公は「底辺の仕事をする貧乏な老人」であるという勘違いをよく目にするが、そんなことはない。裕福な家庭に育つも親と絶縁し、まともな仕事でそこそこ稼ぎ結構浪費家でもある50代後半くらいの設定。

寡黙ではあるものの表情は豊かで趣味は豊富。女の子にチューされればにやけるし、バイトがバックレたらプンスカ怒る。惚れた女性(石川さゆり)の前ではめちゃくちゃ饒舌だし、初対面の男(三浦友和)に積極的に絡んでいったりもする。

寡黙だがよく笑う主人公。これを役所広司はアンミカの「白は200色あんねん」を地で行くように、繊細に笑いの機微を表現する。本当に素晴らしい演技。

平山が車内のカセットデッキで聴く音楽はいかにもベンダース。金延幸子「青い魚」がかかったのは嬉しい驚き。同僚の友達の女の子がパティ・スミスを好きになるのはありきたりなシーケンスかもしれないが、オッサン的には何か嬉しい。カセットを鉛筆でクルクル回したり、フィルムを現像したり、毎日居酒屋で一杯だけ飲んだり、おっさんが落ち着くショットは数多い。

とにかく、多くのおっさんにとっては理想的な日常が描かれたファンタジックな映画。公共トイレを掃除しているだけで社会問題をテーマにしていると思い込む諸兄はご注意を。

あと、役所広司と三浦友和の絡みは最高ですね。今撮ってくれてよかった。

コメントする (0件)
共感した! 18件)
ハモニカ犬

4.5広司は、健にならんだな

2023年12月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

広司は、健にならんだな

コメントする (0件)
共感した! 7件)
あきちゃん

3.5絵になる役所広司と存在感が凄いトイレたち

2023年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 11件)
共感した! 29件)
ゆり。

4.0公共トイレの清掃員を生業としている中年男性の平山。 平山の毎日はだ...

2023年12月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

公共トイレの清掃員を生業としている中年男性の平山。
平山の毎日はだいたいがパターン化されているが、それでも毎朝、新しい気持ちで生活を営んでいる。

人によっては、取るに足りない人生に思うだろうし、トイレの清掃員という仕事は社会の底辺の仕事と思う人も居るだろう。
全く世界を意に介さず、独自の世界を形成する平山の生き様に、少し重なる部分があって、少ない台詞や少ない他人との関わりが愛おしくて、ラストに流れる『Feeling Good』で泣きそうになった。

私も業種は違うが、低所得なエッセンシャルワークに就いている。
たとえコロナで世界が激震していても、仕事を休めず社会で働いていたが、今だに、同じ仕事を、どこかで誰かと繋がることもあろうと思いながら続けている。

私も平山の言う、沢山の世界の1つなんだ…と思ったら、まるで人生を肯定されているようで、嬉しいことも辛いことも起こるけど、それでもこれからも生きることを続けていこうと思えました。
こんな、センスの良い、素敵な作品を世に送り出してくれたヴィム・ヴェンダース監督に感謝します。

コメントする (0件)
共感した! 12件)
エミさん

4.0淡々とした日を過ごしていく、同じ暮らしの繰り返し

2023年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

公衆トイレを丁寧に掃除していく仕事をこなし、終われば定食屋でチューハイを飲む
家に帰れば摘んできた草に水をやり、本を読んで寝入り、近所を掃除する箒の音で目を覚ます
彼が車で流す音楽が響いている
こころを閉ざしているわけではない
女の子とふれあえば楽しい
ただ思いの表し方が直接である
そんな彼が微笑み、涙するところで映画は終わる
彼は瞬間を切り取ろうと木漏れ日の風景を撮る
夢のなかこころのなかの景色

コメントする (0件)
共感した! 12件)
すぅ

4.0人生を美しく生きるのは自分次第

2023年12月27日
Androidアプリから投稿

古く汚いアパートのきれいに片付いた部屋に住む平山の日常を描く。何の事件も起きない。それだけなのになぜ引き込まれるのだろう。
まさに人間は内面で勝負だ。いい家に住んでいてもSNSで人を攻撃しているだけの人もいるだろうし。
役所さんのヘアスタイルが素敵なのでアデランスかと思ったら銭湯で洗髪していた。髪が豊かでうらやましい。
三浦友和。なんでいつまでも声が若いんだ。二人のシーンは近年まれに見る優れものではないでしょうか。
住んでいるのが下町なのに、掃除するのが渋谷の特殊なおしゃれトイレだったり、実は富裕層の勘当された息子っぽかったり、思春期の姪が信じられないほどいい子だったり、多少の嘘くささは漂う。しかし見ていて気持ちのよい、人生を大切にしよう、美しく生きたいと素直に思える映画だった。

コメントする (0件)
共感した! 15件)
みる子

2.5小さな幸せの日常

2023年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

役所広司さんの演技力がすごく見入ってしまいました。セリフがほとんどないことや、色々な伏線。そこが回収されず終わったのが少し心残りでした。原作を読んだらわかるのかな?色々と消化不良です。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
しんじ

2.5あんまり好きではない。

2023年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

好きか嫌いかで言うと嫌いだけど、
ヴィムベンダースがナチュラルに東京と撮ってるのがすごいと思う。
小津安二郎へのオマージュが言及されていている今作。
小津映画数本しか観れていないけれど、ものすごい完成度の映像だと思う同時に日本的家族感やお節介的人情味や男の身勝手さがやや苦手な私としては、
日本の日本家父長制的な家族を良いものとしては撮ってないと思うと言っていた黒澤清の言葉を思い出すまで(たぶん東京映画祭)、だーいぶモヤモヤしながら居心地の悪い気分で観てたが
この映画ストーリー、人物を“良いもの”として観なくてもいいと思ってから安心して観ることができた。

主人公のトイレ掃除のおじさんは
質素な生活をしているけど、結局まぁまぁ裕福な実家をもつ人がやっている選択的貧乏であって
きっとこの人のお父さんが死んだら死ぬまで困らない金額が口座に入るんだろうな。と思った。
食うや食わずの切迫した人とは違うから、
あの若者が飛んでシフトパンパンになったとたんイラつき出すのは自分の優雅な質素生活が乱された怒りだと思う。
同じく役所広司主演の「すばらしき世界」は、ほんとうの本当にぎりぎりの生活に追い詰められたおじさんを描いていて、同じ質素な部屋に住む日本人のおじさん同じ役者を使って撮った作品としては、話は雲泥の差があると思う。

結局この映画はおじさんが気持ちよくなる作品なんじゃないかなーっと思ってしまったのが私の感想です。

そう思うと、オタールイオセリアーニ監督の作品は
満ち足りたように見える裕福な人物と何も持たず貧乏ではあるがある種の優雅さがあるような人物がグラデーションでクロスしていく描写が多いけど、嫌味がなくとても美しいのはなんでだろう。ただの好みの問題もあると思うけど、違いはなんだろうと思った。
「素敵な歌と舟はゆく」はけっこうそこが主題な気がするのでまた見直してたい。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
madu

5.0人生はPerfectでなくても、 Perfectな日々を送ろうと思った。

2023年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

いつトミー・リー・ジョーンズが出てくるのかと思って観てた。エンドロールの後に、あの自販機の中から出てきたら面白かったのになぁ。(冗談です)

ひとつひとつのエピソードや登場人物、時々インサートされるモノクロームの夢、どれもがつながっていくわけでない。なのにどうしてこんなに惹きつけられるんだろう。
いっそもっと何も起こらなくてもよかったと思うくらいいつまでも観ていられる。(若い人たちには物足りないのかな)

役所広司演じる平山という男のバックグラウンドは想像するしかないけれども、観ている自分も平山と同じ気持ちになって微笑んだり、ちょっと嬉しくなったり、泣いたりしてしまう。

役所広司さんは唯一無二の俳優だなぁ。
例えばこの役を、三浦友和が演じてたら。
中井貴一だったら、佐藤浩一だったら、真田広之、渡辺謙、小林薫、、。過去に遡って、笠智衆、志村喬、三船敏郎、渥美清、高倉健、、、。
いろいろ想像しても役所広司さん以外に考えられない。(高倉健、いいかな。いや洋楽似合わないな。)

大谷効果で日本の人気が上がってるということでなくても、作品も含めてアカデミー賞は間違いない。
と期待したい。

帰りに幸田文の「木」とパトリシア・ハイスミスの「11の物語」買ってきた。持ってるのに。
もちろんBOSSも。

コメントする 7件)
共感した! 79件)
大吉

0.5好みじゃない。

2023年12月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 7件)
肉球