PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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マル暴?ヤクザ?いや、ただのおっさんですて話
こうゆう紆余曲折の少ない映画も見れるようになった自分の成長が著しいなと。
金持ちだから
イケメンだから
有名人だから
幸せか?
中にはだから幸せという人もいようが
主人公のただのおっさんのように、何を持っているよりも自分の世界を持つ人間こそ本当に幸せなんだろう
東京の空気感
数年前まで東京で生活していた。
映画にも出てきた原宿よりの公衆トイレも仕事で使っていた。
東京の空気感。
この映画はそれが程よく表現されている。
東京で生きるという事は、常に走り続ける事を求められていると思う。
止まったらその瞬間に置いていかれる。
娯楽が何でも手に入る東京。
そんな東京でささやかな、繊細な幸せを日々大切にして生きている主人公。
多くを語る必要もなく淡々と1日が進む。
緩やかで穏やかで、それでいて目を凝らせばドラマチックな日々。
とても心地よい。
日常に疲れた時はこの映画を観て、東京に帰って来れる。
程々に他人に干渉せず、程々に心地よい世界。
浅草の地下街にエアコンが付いたとの報をうけq、そういえばと思い出して久々に観直したが、そこにある東京の空気感は僕にとってとても懐かしい
p.s. 歳下の彼女とお付き合いを始めて早1ヶ月。
向こうは色々と壁がるためまだ彼氏とは定義していないようですが、毎日の会話が植物を愛でるこの映画の主人公の様で、ほんのり幸せです。
「よもぎ蒸しのように、静かに心を整えてくれる映画」
良さがわからない
諸行無常もFeelingGood
物語は、平山のシンプルな生活を淡々と追いかけます。毎朝決まった時間...
物語は、平山のシンプルな生活を淡々と追いかけます。毎朝決まった時間に起き、トイレの清掃に励み、休憩時間には古本を読み、音楽を聴き、木々の写真を撮る。そんな繰り返しの中に、彼の小さな喜びが散りばめられています。ルーティンの一つ一つが丁寧に描かれ、まるで彼の心の平穏を映し出すよう。渋谷の喧騒の中で、公共トイレという地味な場所が舞台なのに、そこに美しさがあることに気づかされます。ベンダース監督は、渋谷の街並みや「THE TOKYO TOILET プロジェクト」のモダンなトイレを背景に、日常の尊さを浮かび上がらせます。
特に心に残ったのは、平山の生活を通じて見せる「小さな喜びの積み重ねが幸せ」というテーマです。古いカセットテープで音楽を聴き、木の葉の揺れを愛でる彼の姿に、人生の豊かさを感じました。
そして、クライマックスの運転中のシーン。平山が涙を流しながら車を走らせる場面は、胸を打ちます。それまで感情を抑えていた彼の内面が、初めて溢れ出す瞬間です。穏やかな日常と心の奥底の複雑な感情が交錯し、喜びと悲しみが共存する人間らしさが伝わってきます。このシーンで流れる「Feeling Good」の明るいメロディと歌詞が、平山の涙と対比され、彼の人生が「完璧」でありつつも完全ではないことを示唆します。家族との過去や孤独、そして日常の美しさと儚さが、涙を通じて一気に表現されていました。
この映画は、派手な展開や劇的な事件はなく、静かな時間が流れます。それでも、平山の小さな動作や表情、渋谷の街の風景、音楽の調べが心に深く響きます。日常の中に潜む美しさや、人生の喜びと切なさを改めて考えさせられました。50代の私にとって、平山の生き方はどこか共感できるものがありました。日々の繰り返しの中で、自分なりの幸せを見つけることの大切さを教えてくれる作品です。
観終わった後、ふと木々の揺れる音に耳を傾けてしまいました。『PERFECT DAYS』は、そんな風に日常を少し違った目で見つめ直させてくれる、素晴らしい映画でした。
ルーティーンを死守する事壊される事
外国人が撮ったと分かる感じ。品の良い公衆トイレとスカイツリーや浅草の古き良き日本を撮るところなんかまさに。ルーティーンにこだわる生活をしている主人公はテレビもスマホもない聴くのは音楽テープという俗世間と離れた生活を送っている。そこまで現代を排除したいのに周りからルーティーンを乱される。テレビ無くてラジオも聴いてない感じ…全メディアを拒否してるみたい。でもiPhoneを店と勘違いするくらいの現代人存在するのかなー?最後の泣き笑いシーンはみんな呆れるな笑でもせっかくルーティーン守って無駄な感情持たないようにしてるのにみんな何だよ泣…って感じにルーティーン死守派の自分には見えた。
タイトルに込められた深い意味
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたことで有名になりましたが、いままで見ていませんでした。
いやぁ、カンヌに出るだけの事はありますね。っていうか、間違いなくアカデミーでは無く、カンヌの作品だなと思いました。
タイトルの『PERFECT DAYS』ですが、どこをもってして“完璧な日”と考えればいいんでしょうかね?何事も無く平凡に過ぎていく日常が良いのか、あるいは、波瀾万丈な色々巻き起こる日が良いのか。なんか、この作品では、どちらも“完璧な日”と言っているような気がしました。
気になったのは、主人公の平山に関する説明が全く無い事。そう言う意味では、出演しているそれぞれの人物についての説明がほぼないんですけどね。まぁ、普通の日常ってそう言うものですかね。とはいえ、終盤、平山に関してはちょっとだけ何やら彼の事が仄めかされます。あくまでも仄めかしですが、それはそれで、なぜ彼がトイレ掃除をやっているのかという謎も付いてきます。
いやぁ、しかし、この平山は役所広司以外では成立しなかったんでしょうね。渡辺謙とか、真田広之とか、他にもできそうな俳優が思い浮かばないわけでは無いですが、それでも、その二人はちょっと圧が強すぎますからね。役所広司ほどの力を抜いた感じが出せないかもしれません。
なかなか面白かったです。
ラストカットの解釈を
おじさん定点観測
生きる
大きな出来事が起こるわけではない。
けれど、同じ日は一日として存在しない
そんな「日常のかけがえなさ」を静かに描き出した映画だった。
起承転結の結の部分がどうなるんだろうと考えながら観ていたぶん、物語としての“満足感”を得られなかった。
この映画の本質から外れた見方だったのだと思う。
予兆のようなものは確かにあった。でも何かが劇的に動くわけではない。
そうやって、静かに流れていく毎日のなかに、じわじわと沁みてくる何かがある。
歳を重ねたときに、また見返したくなる気がする。
そのとき、今とは違う感じ方をするのかもしれない。
いま見えなかったものが、未来の自分にはちゃんと見えるようになっているかもしれない。
そんなふうに、時間とともにじっくり効いてくる一本だった。
人間という生き物そのもの
木洩れ日が差し込む
誰にどう思われるか、ではなく自分がどう思うか
ままならない現実も受け入れて、なるべく笑顔で生きていきたいと思った
そろそろ本当に自分の人生を生きたい
平山さんは家族と何があったのか、あの涙は何なのか知りたいけど、それは平山さんが抱えている大事な事
私は知らなくて良いんだ
日常を大切に、、
おじさんの日常。
•おじさんの日常をずっと流してるだけなのになんでこんなに見入ったんだろう、、
•テーマは変化。自分は同じことの繰り返しの日常に不安を感じたりしていたけど、ちょっとした変化に気づけていないだけなんだとわかった。
•ちょっとした変化に幸せを感じることの大切さと難しさに気づけたいい映画だった、、
日本人が日本人であることとは?
perfect days
2023年 日独合作
ヴィム・ヴェンダース監督
淡々とした日常、ストーリーがないようであるような超薄味
それでも、観終わった満足感はずっしりとありました
日本人が日本人であることとは?
それがテーマのように思えました
判で押したような日々の繰り返し、誰も見ていなくとも仕事の責任を満足できるまで果たす平山
登場する若い世代の男女も日本人だけども、これから日本人になろうとしています
平山だって日本人だけども、いつの頃からか、日本人になったのでしょう
日本に生まれたから、はじめから日本人になれる訳じゃない
両親が日本人だからそれだけで日本人になれるわけじゃない
日本人という存在になろうとして、初めて日本人なれるのだということを本作は言いたいのだと思いました
公衆トイレのクリーンさ
大都市なのに静かさがある
公衆トイレのクリーンさを守るために真面目に仕事をする人がいる
本作には、クラクションも盛んに聞こえず大声で話す人々もいません
日本人には当たり前過ぎて気付きもしません
本作はただ普通無意識にそれを撮ったようにみえます
でもインバウンド観光客が語る日本の印象に、クリーンさ、静かさを語ることがとても多いようです
監督の目にも奇異に見えています
だからそれを撮っています
それはどうしてそうなのか?
それが本作なのだと思います
平山は衣食住すべてにミニマムな生活です
なのに彼は満ち足りています
なぜ独り暮らしなのか?
訳ありのようです
なぜ高い教育のある人間と思われるのに、今の生活に甘んじているのかは語れません
もっとより良い生活への意欲を失っている?
人生に諦めている?
外国人にはそう見える人が多いでしょう
でも日本人にはそうではないと普通に思えます
自分を律して自分の責任を果たすそれだけの毎日で必要十分
でもそれなら何故平山は泣くのでしょうか?
今の生活が屈辱だから?
そうではないことは彼の生活から分かります
平山の語られない訳ありの理由が彼の涙の理由なのだろうと思えました
低賃金なのだから、それに見合う適当な仕事で十分
しかし日本人はそうは考えません
だからと言って日本人が全員平山のような人間ではないのも当然です
それでも平山のような人間が数多く集まっているから、東京はこのように成り立っているのだと、そのことを説明しようとしているように思えました
今度は今度
今は今
(過去は過去)
(欲を求めればきりがない)
平山の過去は語られません
居酒屋のママの元夫のお話はそのヒントだったのかも知れません
影と影が重なって濃くならない訳が無い
少なくとも平山は自分を影と思っているようです
それでも与えられた責任は確実に果たす
アヤは平山から少し学んだようです
家出して来たニコは平山から日本人になるとはどういうことかを懸命に学ぼうとしています
タダシは知的障害のある少年に優しくできる良い面を持っていますが、日本人にはまだまだ、なっていないようです
もう少し時間がかかるようです
ラストの朝日に向けてバンを走らせる平山の笑顔
今日も自分の役割を果たすぞという満ち足りた泣き笑いの顔です
社会に関係して貢献する喜びです
自分は、決して影じゃない
より良い社会は自分を律する生活から始まる
それが結論のラストシーンであったと思いました
外国人監督が撮った「邦画」
渋谷の公衆トイレの刷新プロジェクト「THE TOKYO TOILET」をモチーフにした映画。このプロジェクトについては何度か報道も目にしており、いかにも「日本らしい」取り組みだと感じていた。映画はその「日本らしさ」、とりわけ「TOKYO」らしさが上手く詰め込まれている。近代的で華やかで賑やかな大都会の隙間にある庶民的な下町・銭湯・古アパート。ハイテクな公衆トイレの側にある穏やかな日常、そういった一見相反する性質のものが器用にミックスされている様子がよく表れている。この映画に限らず、多くの映画や写真などでも表されるものでもあるが、だからこそやはりそれが「TOKYO」なのだろう。
ストーリーは小さな起伏がありながらも淡々とした主人公の日常を淡々と描いている。
その雰囲気はもはや「邦画」であり、監督の感性が日本に合っているというのが窺える。
ストーリーの起伏が小さいながらも画面に見入ってしまうのはやはり主人公を演じる役所広司の力量が大きい。ちょっとしたしぐさ・表情がその人物の感情の些細な起伏を表す。トイレ清掃の様子・部屋の佇まい等々、彼の性格を表現する設定は随所にありよく練られているが、それ以上に役所広司の存在が役を雄弁に語るのである。
物語としては小さな起伏の詳細が「雰囲気」で伝えている感もあり、それに関しての感動はないが、見終わったあと「一人の人間を見た」実感が残る。
(ただ、そういう「役所広司ショー」と言う意味では「すばらしき世界」の方がより優れていると思う)
他の役者さんについても地に足の着いた実力のある役者が揃っている。
(石川さゆりと田中泯は本来の才能が生かされた役)
特筆したいのはアオイヤマダ。この人は本業はパフォーマーとのことだが物凄く存在感がある。また、役柄としても「ド派手でガールズバーで働く女の子が案外良い子」というのもなんだか「TOKYO」らしくて良いと思う。
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