PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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美しいが、危うい
政治とか経済とか世界情勢とか社会とかと一切隔絶した、一種の晴耕雨読の隠遁生活を描いた作品。
出来事は主人公平山の周りを通り過ぎていく。
平山氏は清掃会社に所属しているので、会社への業務日報なり、定時連絡なり、給与の振り込みなりがあるはずだが、そこも描かれない。
平山氏の実家は裕福な資産家のようだが、資産には興味がないらしく、妹から実家に戻るように提案されても、拒否する。
家族も財産も捨てた、一種の仙人みたいな生活である。
会社員人生とか長いと、煩わしさから解放されたこういう生活に憧れる気持ちがわからないでもない。美しいとも感じる。
でも、交差点で不注意なドライバーが信号無視して突っ込でくるもらい事故だって、現実にはあるわけじゃないか。そう思ってしまう。
小津安二郎を敬愛するのであればカメラはパンを一切しないでほしかったな。
主人公平山の幸せを、映画を通じて共有できる良作
主人公平山の日常を描く作品なので、ともすれば退屈になりがちなテーマだと思うが、全くそんなことは無かった。
昼休みに神社で写真を撮る、仕事終わりに銭湯へ行く、飲み屋で一杯やる、寝る前の読書といった平凡な日常に彼は幸せを見出している。その幸せを、映画を通じて共有できるのが面白い。
贅沢をする=幸せでは無い。彼は決して裕福な暮らしをしているとは言えないが、身の丈に合った幸せを噛み締めながら生きている。幸せは、日常のささいな出来事に見出すものだというのを教えてくれる映画。
平山はとても寡黙で、作中でもほとんど話さない。人が周りに居てもただ笑顔でいるだけのことが多い。それでも職場の後輩や飲み屋の女将といった、彼の周囲にいる人々と、不思議と心地よい関係を築けている。人間関係の構築には、必ずしも社交的である必要は無く、ただ楽しそうにその場に居るだけで十分だということが分かる。
映画の中で彼の周りの人間が、仕事を辞めたり癌が発覚する等、様々な出来事が起こるが、そういった生活の変化が、一人一人の人生があることを感じられてしみじみとした。
人生や幸せについて考えることのできて、劇場で観れてとても良かった。
平山を初めとする登場人物は何者なのか気になってしょうがない
「変わらないわけないじゃないですか」
ルーティンと思える日常も、細部は少しずつ異なり、人は少しずつ変わっていく、そんなことをじんわり伝えてくれる映画でした。
トイレ清掃員ということで、もっと目を覆いたくなるカットがあるかなとか、淡々と進む映画のため、どこかで平山がひどい目に遭うんじゃないかとびくびくしながら見たのですが杞憂で、ほぼ起承転結のない映画でした。最後の平山の表情の変化など、どう解釈すればいいのかまだよく分からず、評価が難しいですが、役所広司の演技は確かに素晴らしかったです。
平山は何者なのか、その他の登場人物(例えば、アヤや、昼に公園で出会うOL)の細部も気になって仕方がない。
小津安二郎作品を見たことがないのですが、小津作品を見た外国人が描いた現代日本なのかな?とも思われ、小津作品を見てみようと思います。
繋がっていなくても、重なり合って生きている
この映画を言葉で表現するのは難しい。表現しきれない何かがある。敢えて言うなら・・・
都会の片隅で生きる一人の善き人の日常を、美しく、純粋に切り取って見せる。ただそれだけなのに、人生とは何か、幸福とは何かについて考えさせられる、ような作品。という感じだろうか。
※キャスティングと音楽の選曲のセンスが凄い!サントラ欲しい。
※年末年始に1回ずつ鑑賞。2024年4月堪らず3回目鑑賞。
■1回目(2023年末)
福山雅治がラジオで「奇跡の映画」と紹介していたのを聞き、年の締めとして映画館へふらっと行って観た。カンヌで役所広司が主演男優賞をとったトイレ清掃員の映画、という事前知識しかない状態での鑑賞。
主人公の平山は、毎日決まった時間に起き、布団を畳み、髭を剃り、歯を磨き、植物に水をやり、空を見上げ、缶コーヒーBOSSを買い、車に乗ってトイレ掃除の仕事に向かう。仕事場では一切の無駄口をたたかず、ムダのない動きでトイレをきれいに磨き上げ、帰宅したら銭湯で一番風呂、浅草地下街で晩酌、読書して床に就く。まるで修行僧のように寡黙にルーティンをこなす日々。
前半は、余計な演出も台詞も音もなく、ゆるい流れで特に大きなイベントも発生しないので、色々と想像を巡らしながら観ることになる(研ナオコにはすぐ気がついたw)。
中盤を過ぎて、「今度は今度、今は今」という言葉を聞いたとき「脚下照顧」という禅語が思い浮かぶ。ああ、やはりこれは、外国人監督が理想の日本人像(令和の東京という俗世に生きる禅僧)を描いた話なのかな・・美しい映像と抜群のセンスの選曲のオシャレなアート映画なのかな・・・と見続けていると・・・
妹と姪との別れのシーンで号泣する平山に壮絶な過去が垣間見え。
ラストシーンで流れる「Feeling Good」に合わせて悲しみ、後悔、喜びといった色々な感情がない交ぜになって泣く役所広司を観て、自分も内側からこみ上げてくるものが・・・
何か凄いものを観た!という感じで呆然としてしばらく動けなかった。
恥ずかしながら、Wim Wenders監督も、「PERFECT DAY」や「Feeling Good」の歌詞もよく知らずに観た1回目。一旦映画館を出た後、戻ってパンフレットを購入。40代中盤まで生きてきて、映画のパンフを購入したのはこれが2作品目。
映画の余韻に浸りながら年を越した。
■2回目(2024年始)
あの場面の台詞の意味は何だったのか?あの映像の意味は?平山の過去に何があった?色々考えながら、これはもう一度観なければ、と年始に再び映画館へ。
1回目は観ているようで観ていなかったこと、気づかなかったことに色々と気づく。
平山は、微笑む。自分を取り巻く人々、街並み、木々に。そして光と影を愛する。トイレの壁に映る木々の影、木漏れ日の下で踊るホームレスを観て幸せそうな笑みを浮かべる。
と思いきや、同僚が突然やめて怒りの感情をむき出しにする。
不意にキスされた後、銭湯でニヤけて湯につかる。
ヤケ酒も飲む。吸えないたばこも吸う。でも、最後は微笑みながら帰宅する。
彼は禅僧なんかじゃない。生身の人間だ。
禅僧のようなルーティン生活をしているのは、つらい過去や孤独に飲み込まれるのを防ぐためではないか?
リズム。一定のリズムを刻み続けるように生きることで今に集中できる(音楽やダンスのように)。そんなことが頭をよぎる。
最後のシーン。「Feeling Good」の歌詞の意味をわかってから観た2度目。役所広司の演技は、顔面だけで平山のこれまでの人生、そして今、これからを表現しているように思えて、泣いてしまった。
■3回目(2024年4月)
3回目の鑑賞で、東京スカイツリーを見上げる構図、複数階層になった首都高を見下ろす構図が何度も出てくることに気づいた。これは平山の視点ではない。Wenders監督の視点だ。監督は、愛する今の東京の街と平山(役所広司)の日常をたった16日という短期間で、瞬間冷凍のように記録し、封印したのだ!この映画は、もう二度と同じように撮れない「奇跡の映画」なのだということを思い知らされた。そして、ラストシーンの朝日の光は、平山のPERFECTな日々がこれからも続くことを示す、人生賛歌の光なのだと私は感じ取った。
■繋がっていなくても、重なり合って生きている
「この世界は、繋がっているように見えて、繋がっていない世界がいくつもある」と言う平山に対して、ニコは「私はどちら側の世界にいるの?(おじさん側の世界って言って欲しい)」と聞く。平山は答えない。
最初、自分(平山)が住む世界は、多くの人が住む世界と違うという意味だと思ったが、回を重ねて観ると、それは多分違うと思った。今、生きている一人一人が、繋がっているように見えて、他人と繋がっていない世界を生きている(みんな孤独)という意味ではないか。でも、影踏みで平山が言った「重なって濃くなる」という言葉から、繋がっていなくても、ときどき重なり合うことで、人と人は関わり合い、生きているんだ、という人生観を平山が持っていると私は思う。
観る人によって、いろんな解釈ができる映画。
そして、孤独を抱えながらも、毎日を新しい気持ちで、生きようと思える映画。
朝、空を見上げるのがしばらく習慣になりそう。
PERFECT HIRAYAMA!
なんとなく内容の予測ができた上での鑑賞だったが、思った以上に淡々んと進んだ話。
終始、素敵な平山さんだった。
役所広司の平山演技・魅力によって成り立った映画と言っても過言ではない。無言のまま、一人芝居みたいに。
立派で、優しくて力強かった...極日常的な表情がここまでこの「公共トイレ宣伝映画」を劇映画にしたことに驚いて、、、感動した。
素敵な平山さんだった。
ヴィム・ヴェンダースが尊敬する小津から借りた名字。日本(東京)への愛が込められた名付け、愛が込められたローアングル、日本的なショットの数々....こんな空ショットで埋め尽くされ、「禅」を感じさせる映画だからこそ、役所広司の演技を最大限に引き立てたと思う。目が、平山さんから離れなかった。
(ロードムービーのように繰り返される日常から長〜い人生を感じさせるのも、また監督ならではのプレゼントかも。
素敵な平山さんだった。
現代のひらやまさんには家族がいなかった。小津のどの映画の登場人物とも違い、一人で生きている。けど、彼は決して不幸ではない。自力で生きていて他人には寛大で思いやりがあり、自分には素直で可愛かった。
こんな素敵な人間になりたかった。(なりましょう)
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概ね良いかと思いますが…
絶対に日本人ではとれない感覚の映画かと
観る人の年齢や住んでいる環境、東京か田舎か
また人生観で評価は180度変わるかと思います。
わたしは自販機での飲み物を毎日買うシーン。
姪の女性がでてくるシーン、妹さんとの会話シーンは良いですね。
ただ、後半の三浦友和さんがでてる飲み屋から
橋での会話シーンは賛否がわかれるかと思いますね。
あそこから映画がかわりました。
私は、ない方が良かったかとも思いますが
どうでしょう?
ただ、絶対に見たほうがいい映画かと思いますね。
木漏れ日ムービー
物凄く大胆な脚本だと思いました。セリフはすごく少ないし、説明的なものも無い。
ただ淡々とトイレ清掃員の平山のルーティンや日常と些細な出来事(観るものにとっては)を映し出す。
いったい平山はどのような人生を歩んできたのか、観るものの想像に委ねられている。ただ、たくさんの細やかなヒントはあるので想像するのが面白いという映画。
こういう映画は集中できる映画館で鑑賞しないときっと面白くないのではないか。
けして金銭的には裕福な暮らしではない中で、木漏れ日のようなささやかな幸せや気づきを見つける平山を見事に演じている役所広司さん。カンヌ映画祭の男優賞は納得です。
<1/9追記>
鑑賞から二日たちますが、まだこの映画についてあ~だこ~だと考察している自分がいます。
こんなに引きずることができるこの作品はスゴい!
ということで☆4.5から、5.0に変更させていただきました。
ふと見上げてみよう
良く言えば静かな映画
特に事件が起きるわけでも、何かが解決するわけでも、だれかが成長するわけでも、伏線が回収されるわけでもない。
厳密にいえば事件が起きたり何かが解決したりだれかが成長しているのかもしれないが、観ている人間の想像力に委ねられる部分が大きい。
ここから何かが始まるのかな? と思わせておいて特に何も始まらなかったり、あとあと関係してくる人間かと思いきやその場限りの人物だったり、ルーティーン動画とか「かもめ食堂」を観たあとのような気分になった。
役所さんの演技をじっくり堪能したい人には良いかもしれない。
個人的な感想では役所さんはスマートでナイスダンディすぎるので、もっと苦み走った芝居のできる醜男で不器用そうな俳優ならもっとハマった気もする。
昭和の雰囲気がする主人公の住居や、淡々と過ぎていくささやかな日常を眺めるのは好きだが、映画館で観るほどではないかなと思ってしまった。
でも自宅のテレビで、大きなイベントのない映画を集中してみるのは難しい気もする。
役所広司で120分
時間
日常が永遠に続く訳ではない⁈
驚くような事件は何も起こらないのだが、とても心に沁みる作品。やっぱりコロナ禍を経験した後だからこそか? (作品の企画、キッカケは2018年だったようですが…)
役所さんが演じる、淡々とルーチンな日々を送る公衆トイレ清掃員の平山。朝イチの缶コーヒーとカーステのカセットで流すお気に入りの音楽で一日のスイッチを入れ、黙々と清掃作業をこなし、ランチ休憩の境内で木漏れ日を写真に収め、銭湯の一番風呂に感謝し、その後に寄る安居酒屋での一杯に至福の表情を滲ませる。そして、アパートで好きな本を読みながら、せんべい布団で寝落ちする毎日。
そんな日々の中の些細な幸せ。偶然発見したまるバツゲームにちゃめっ気を出し、ホームレスのダンスに感嘆し、木の芽を見つけて大事に持ち帰り慈しむ。
この毎日こそが、パーフェクトデイズだった⁈
ところが、小波のように、同僚の若者が絡んだ小さないざこざがあったり、裕福な実妹の娘が家出して安アパートに訪ねてきたり、休日(休日だけ、腕時計する)のルーチンではあるが平山にはハレの空間の小料理屋の女将と元夫の再会に出くわす、なんて事が起きて…
それらが、平山の日常、そして感情を大きく揺さぶった事を、ラストに役所さんの素晴らしい表情の変化だけで描く。本当に見事なシーンでした。
でも、平山はその後またパーフェクトデイズに帰って行くのでしょう。
女将が常連客のギターに合わせて歌う曲、運転中や休日のアパートでカセットから流れる楽曲がどれも素晴らしかった! あと、浅草やきそば福ちゃん、久々に行きたくなりました!
新年早々に良い作品に出会えて感謝です。
とても味わい深いが、強烈な3D酔いが襲って来た。
iTunesかSpotifyでlou reed の"perfect day"を聴いてみて、好きだったら観ても良いですが、今一つなら観ない方が良いです。
あの曲を映像化したと言っても良い。淡々と始まり抑揚もなく、淡々と終わる。その世界観にしばし意識を浸せるかどうか。
被害者多数の様子でした(笑)。観客のお一人は「役所広司やからもっと面白いと思ったのに」と文句を言ってましたが、役所広司の動の演技を期待してたんでしょう。
敢えて言うと洋楽聴かない人(英語が堪能な人を除く)は楽しめないと思います。歌詞の意味のよく理解できない音楽を楽しめるか、雰囲気を楽しめるかなのかなと。
僕はと言えば楽しめました。この手の山もなければオチも無い映画はそういう楽しみがあるのは分かりますし、功成り名を遂げた巨匠の最新作(最近この手のマスターベーションにうんざりしてるもので…)ですが、映画としてとても丁寧に作られてるのがよく分かる。
個人的にはperfect dayよりもpale blue eyesがグッと来ましたが…。
が、後30分長ければ劇場を出てました。
あの揺らぎを表現した映像は「所謂3D酔い」を引き起こします。半分を過ぎた辺りから気持ち悪くなり出して、前半の単調な展開(後半も大差ないですけど」と相まって一時は限界寸前まで追い込まれました。その意味でも酔いに弱い人は避けた方が良いかなという感想でした。元々の評価は星4ですが、あの拷問のような綺麗な映像で星一つマイナスです(これは僕の完全な体質の話ですけど)。
それと、平山の生活は不可能でしょ…と日本居住者として思いました。あの立地で駐車場代幾らするのよと。実はあの付近の土地は平山の物だったりして…なんて変なことを考えてしまった。ファンタジーなのに、野暮な話ごめんなさい(笑)。
そして生活はつづく
東京のど真ん中。スカイツリーのそばで暮らすトイレ清掃員のおっちゃんの日常を覗き見る話。
派手な出来事もなく淡々と日常を繰り返す。
朝起きていつものルーティン、植物の水やり、仕事に行く車内のカセットテープ。そして仕事中にある自然の機微やちょっとしたユーモア。
おっちゃんの好むものは、人から見ればどうでもいいことかもしれない。
ただそれこそ住む世界が違うだけの話。人に踏み込まず一定の距離だけど、相手の好きを尊重するおっちゃんは超イケおじ。日常系リアル充実おっちゃん。
正直、見ていて単調だなーと思いました笑
全然会話しないし、流れる景色だけのシーンが大半。
でも本当の日常ってこんなものだ。なんてことない日が一番なんてことあるもんだ。
映画終わりにZORNや田我流、星野源さんの曲が聴きたくなりました。
「日々をかみしめ生きてゆく」芸術的一作
カンヌ映画祭で賞をとったようですね。
あまり邦画は見ないのですが、賞賛のレビュー多く今年の1本目として拝見。
初めのボロアパートシーンは古いながらも、主のこだわりや趣向が十二分に表現されており、貧しいけれど暮らしに満足している事がすぐに伝わりますね。植物を小さく育てている、玄関の鍵をキレイに並べている等、日々を丁寧に過ごしているのが伝わります。
作中の出来事も淡々と過ぎてゆきますが、主のほんの少しの表情の変化を通して心の機微が伝わります(迷子の子供が手を振ってくれたシーンの役所浩司の微笑みは、この映画の中でもトップクラスに好きです。
この映画、室内や自然、夜景が美しいんですよね。それも、本作の品の高さを支えていますよね。
起承転結がかなり薄いですが、解釈を観る側に委ねている芸術作品を拝見出来ました。
恐るべしは柳井さん
平穏な日常の美しさに気付かされる一方、『海外の反応』みてるみたいだなと客観視する自分も。
役所広司がトイレの清掃員として日々の日常を送るという、ストーリーの概要を説明すればただそれだけの映画。日常の中の何気ない感動や美しさを切り取るのがうまい。たとえばふと空を見上げた時の木漏れ日だったり、見ず知らずの人とのちょっとした交流だったり、些細な幸せにフォーカスがあたる。無表情の役所広司が少し顔を緩ませるのをだけでなんかこっちまで幸せな気持ちになってくる!
「あなたにとっての幸せってなんですか」と聞かれた時に、「朝起きて布団を整え、着替えをして歯を磨く…そんな些細な日常が私の幸せです」という返答って一定数あると思うけど、その日常の幸せみたいなのが上手く映像化されていたなぁと思った!
仕事仲間が飛んで遅くまで残業してイライラしても次の日にはちゃんと補填の人がやってきて平穏へ戻る…
姪がやってきて、2人で暮らすという変化がらあっても2日後には母が迎えにきてまたいつもの日常へ戻る…
何か劇的な展開があるのかも!?と思ってもあくまでも日常に戻るというのがちょっとツボだった。笑
あと、最後の方の初対面のおじさん同士で影踏みするシーン、「では私から、いきますよ」とか敬語でちょっと気を遣いながらも笑い合って楽しそうにしてるのが微笑ましくて可愛かった!
人によっては眠気を誘うであろう静かな映画が、ここまで評価されているということに驚いた!キャッチコピーにもある通りに、「こんなふうに生きていけたなら」と多くの人が思っているんだろうなと感慨深くなった。
色々と考えながら観られるような余白が多い作品だと思ってて、鑑賞中も色々「どんな幼少期を送ってきたのだろう」とか、「あのママへの気持ちはどんなものなのだろう」とか、色々考えている中でふと客観視して観る時間も多かったので、
日本の日常が美しく映っているシーンを、『海外の反応まとめ』に書いてある美しい『ザ・日本』そのものみたいだなと思ったりしてしまった。笑(批判しているわけでも皮肉っているわけでもない)
日本好きの海外の人が観たら、「ZEN!!」と喜びそうだな〜なんて思いました!笑
日本の日常がここまで美しく描けるのは、海外の監督がつくってるからだよなぁ〜と。
役所広司で成り立っている映画
映画をエンタメとして楽しみたいのであればこの作品はお勧めできない。アートっぽい作品とか好きな人はいいかもね。もう冒頭喋り出すまでが長すぎる。テンポも悪い。
結局なんなのかわからないオチ。そもそもオチもついてない。姪関連のシーンは良かったけど、最後のスナックの元旦那も出す必要あった??どうせだったらもっとあの人の過去とか家族関係をクローズアップして取り扱った方が面白かった。匂わすだけ匂わしといて出さないんかい父親。
役者たちの芝居は流石素晴らしかった。
演出も良かったけど、やはり脚本が私は気に入りませんでした。流石に過大評価かなー
巡りくる朝へのときめきと感謝を胸に生きていく
こんなにも透明感のある静謐な時間を体感できる映画は初めてです。ヴィム・ヴェンダースは、公衆トイレの清掃人である初老の男のつつましくも穏やかな毎日の繰り返しを淡々と描いていて、劇中では事件らしい事件も起きません。主人公の家は築50年くらいのアパート、趣味はカセットテープの音楽とフィルム式カメラ、1冊100円の古本の読書で、携帯はガラケーとアナログなライフスタイル。それでいて、彼の隠者のような毎日から目を離せず強く惹かれるのは、細くても他人とのつながりを持ちつつ決して争わず、平凡な日常の中にささやかな喜びをみいだす穏やかさが、現代の生活では得難いものだからだと思います。同じような毎日、でも少しの変化を感じ、今日も無事に朝を迎えることに喜びを感じる主人公の謙虚さ、清々しさが心に残ります。タイトルの意味がそこにあると気づき、とても満ち足りた気持ちになります。役者では、役所広司の自然な演技が胸に沁み入るようで、彼自身の代表作と言えます。他の出演者の皆さんも出番が少ないながらも、いい味を出していました。
不思議と眠たくならない
ただ淡々と…
平山(役所広司 )のなんの変哲もなく
過ぎ行く1日1日を
見て、感じて、溶け込み同化する感覚
流れる洋楽
mama(石川さゆり )の哀愁漂う歌
ラスト、平山の表情に物語の全てが
込められているようでグッと惹き込まれます。
冒頭2箇所めのトイレがとても印象的
聖地巡礼したくなります🚽🧻
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