PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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ヴィム・ヴェンダース監督作品だったとは!
映画を見る時は、ほぼ何も情報を入れないようにして
(入っちまっても脳みそから追い出して忘れた状態で見るようにして)
そうやって見るものですから、見たあとクレジットで気づき
若い頃「パリ・テキサス」を見たことがあり、意味がわからず、何だこれは?と
名作と言われているのにわからなかった自分に自己嫌悪が襲ってきたりして
それで、ヴィム・ヴェンダース作品は自分にとって「鬼門」だったのだけど
知らず知らず見て、結果、自分も年を取ったせいか
猛烈に心に響いた。音楽も風景も、俳優さんが他の演技も何もかも素晴らしかった。
(特にラストシーンの選曲と演技には目頭が熱くなりました)
自分にも毎日の暮らしのルーティンがあり
二人で暮らしていた母が入院してから半年。一人暮らしをしていて
いよいよ先日母が亡くなってしまったので、一人暮らしが本格的になった今
この作品の主人公の平山ほどではないけれど、どこかしらアナログなところも重なり
毎日が同じようで同じではない、みんな一人ひとりに世界があり
それはとても愛しく、また、尊い毎日なのだと、改めて感じて心に沁みた。
決して派手さはない、というよりむしろ地味な映画ということになるのだろうけど
これこそが「PERFECT DAYS」だと思った。
ボクにはボクの、みんなにはみんなの「PERFECT DAYS」が繰り返される。
毎日を丁寧に生き暮らす。本当に素晴らしい作品でした。
今なら「パリ・テキサス」もわかるかもしれない。そんな風に感じた。
胸がギュッとなった作品
「私にとって幸せってなんだろう」って暇になったらすぐ考えてしまうけど、どう頑張ってもいつ考えても世間の尺度で自分の幸せを考えてしまう。それってつまり私も自分がかんじる幸せを他人に当てはめてしまってるってことなんだよな。明日からは小さな幸せを見つけて、それに心躍らせて生きていきたい、そう思える映画でした。あと、ラストのI'm feeling goodの曲が好きすぎてタイミングよすぎて胸がぎゅうううってなった。映画館でまた観たい
どの世界に住むかは各々の選択
刺さらなかった。 正直、あざといなあ、と感じた。 残念。 有名俳優...
良作なのだろうなあと思う
渋谷の公衆トイレの清掃員という前知識があったので、住んでる場所がスカイツリーあたりとは思ってなくて、うちの近辺だと思うとついつい ここってどこ?あの通りか? ん?これは?
って見てしまうのが難点。
初っ端の通りなんて映像止めて見たくなるくらいだった。
墨田区の文化か立花か 向島方面? 牛島神社? 七福神?
桜橋渡って 浅草に行ってる。
そして 首都高乗って渋谷に行く。
渋谷のインターは最近 入り口が変わったんだけど、、
というか 入り口出口の使い方が甚だ意味不明で 帰りに北上野から乗るの。
渋谷行ってて向島に帰るのに北上野?????まあいいや。
そもそもなんで 首都高で行くのか、うちの近所から渋谷行くのに高速では行かないなあとか思いつつも かつてうちの夫が公的機関で輸送業務してた時に出来るだけ高速を使わねばならない決まりだった(たぶん人身事故が圧倒的に少ないから?) とか思い出して そういう事だろうなあとか
ほんと 土地勘って 邪魔よ。
それにしても たぶん このなんだかよくわからない古ぼけたメゾネット仕様の風呂無しアパート、これもう ないと思う。
残ってて欲しいと思う人多いかもだけど、撮影後 あっという間に影も形もなく消えて 新築高層マンションになっちゃってると思う。
今 そういう時代です。
ついでに言うなら アパート前の駐車場。最大に安くても3万/月 だと思う。
この辺りが割と都心だって事に みんなが気づいたのよね。
東京駅までタクシーで10〜15分
羽田まで20〜30分
新宿まで電車で20〜30分
渋谷も大江戸線と半蔵門線のおかげでかなりスムーズ
スカイツリーと
隅田川
この界隈は もう私にとって地元なのだなあと実感する。
映画の内容に戻る。
浅草に 石川さゆりがあがた森魚の生ギターで歌うスナックがあるなら マジで毎日満杯だろうなあ。
三浦友和が、未だかつてないくらいハマり役。
このくらいの分量で出るのが望ましい。
音楽が 効果音としてでなく 役所広司がカセットで聞くときに流れる そして 車が止まれば 音楽も終わり。
「おじさん」
そう呼ぶ少女が出て来るが、それは 一般成人男性の総称としてのおじさんではなく 本当に 叔父なのである。
お母さんのお兄さん。
住む世界が違ってるとは 一体どういう事か
なぜ泣くのか
想像するしかない。
役所広司がインテリで 元は違う暮らしだった。
渡してるお土産(お礼?)が くるみっこ って事は横浜方面から来てる?あれって元は鎌倉殿ってお菓子なんだよね。
(すみませんけど 地価に関しては墨田区 横浜には負けてないんですが? まあ墨田区と言っても我が家のある両国地区とこの向島界隈は少々違うとしてもよ、我が家の長女家族はうちの近所でのマンション探しを諦めて横浜市(とは言え青葉区)に地価にして3分の1、同価格としては面積3倍の物件を購入したのだ。まあ どうでもいいですけど。)
まあいいや。
会うと涙が出る関係。
それはどういう経緯だったのだろうか。
姪に 大きくなった そう言ってるという事は 相当の年月 会ってないのだ。
何があったのか。会えてない理由は何か。
全然 教えてくれない。
Spotifyをどこかのお店と思うほど情報に疎く 削ぎ落とせるだけ削ぎ落として 自炊もせず コインランドリーで洗濯し 薄いせんべい布団を毎日畳む(万年床にしない)。
シーツ変えない エアコンない 冷蔵庫たぶんない。キッチンはもはや洗面所で一階の部屋はそれまでの過去を詰め込んだ物置。その過去は無かったことにして二階の二部屋で静謐に暮らす。(姪が来て物理的に過去に潜り込まねばならなくなるのは作為的なんだろうか)
目の前にある自販機のコーヒーが朝食代わり。
昼はコンビニのサンドイッチ。
そう言えば、古本屋も。
こんなに文学に長けた本屋の主人がいたら 私も通うわ。
私の知る限り 古本屋の主人で読書する人に会った事ない。
まして b◯◯kオフなんて クソofクソ。
そして 昭和丸出しの銭湯。
多分 この男 妖精
そりゃあ 住む世界 違うよ 現世とはね。
なんか文句ばっかり出て来て 自分で驚いてる。
10年前、だったらまあ こんな感じだったかも知れないとして
渋谷区の恐ろしいほどにデザインされた 美しい公衆トイレを掃除する仕事。
こういう人からも 税金と 高額な社会保障費を差し引き
過去最高の税収を海外にばら撒く。
あーーーまた愚痴を言ってしまった。
けれども 空気感は 良かったのだ。
役所広司でなければもたない間を全編通して見せつけられ、端端まで名優を使う贅沢さ。
いい映画 だったのよ 本当に。
Perfect
主人公は多くは語らない
彼の思いやストーリーは、鑑賞者の想像の中
彼は毎日几帳面に生活をし、決して裕福ではない
だが、自分が誰か、どんな習慣をもっているかを知る人が近所にいて、仕事であるトイレ掃除を丁寧に、丹念にやる
趣味のフィルム写真も定期的に現像してはフィルムを買ってその場で詰め次に繋がる
文庫本は読み終えたら古本屋で次の100円の文庫本を買って読み始める
彼の生活と同じく、絶え間ないルーチン
彼が毎晩見る夢は、その日の印象的な出来事がモノクロで流れていく
そして近所のおばあさんのルーチンである竹箒の掃き音で目覚める
影は重なったら濃くなるか?彼の中では濃くなるのだそうだ
その理由は、そうならなければつまらないから
ぐっとくる
数多くのキャラが出ては消えていくが、彼らの人生も深くは描かれない
でも、誰もがいろいろなストーリーを抱えているのだろう
そんな、いろいろな人の人生が主人公の人生に少しずつ重なり、影を濃くして、彼のパーフェクトな日が成り立っているのかもしれない。。。
チグハグとんちんかん映画
嘘みたいに綺麗な公衆便所
素手でゴミを拾う清掃員
かと思いきや掃除手袋のままペンを持ちマルバツゲーム始める
使い切り洗剤は高い
毎日コンビニランチ
毎日自販機コーヒー
都内3k駐車場付き
都内車持ち車通勤
毎日居酒屋
粗食の割に良い体付き
人とコミュニケーション取らないタイプかと思いきや人肌恋しくてママの酒場通い
綺麗好きで便所仕事着週1しか洗わない
自転車もう1台どこから
ありふれた下町ノスタルジック
現像した写真を躊躇いなく破る
臭すぎるセリフ
主人公の実家が金持ちってとこがミソ
素朴で質素な暮らし風だがかなり贅沢
理想詰め込みすぎてこれじゃあまるでファンタジー映画じゃないか
リアルもくそもない
役所広司の演技と映像の綺麗さでなんとか最期まで観れたけど、終始ツッコミまくり
金持ちぼっちゃまだからこその余裕
素朴もクソもない
きのう何食べた?の方がよっぽどリアルだわ
耳を澄ます
個人的に大好きな「パターソン」にとても雰囲気が似ていた。
平穏で静かな日常を送る平山の視点から見える世界は澄んでいて自然が煌めいている。
平山の毎日を充実させるのは、
・陽の光
・植物
・古本
・ハイボール
・サンドイッチ
・カメラ
・カセットテープ
・缶コーヒー
・人間観察
などなど
平穏な変わらない毎日だからこそ堪能できる。
心の幸せを得るのに、決して贅沢な生活はいらない。
しかし、姪との再会という"イベント"で、平山の表情は一気に明るくなる。平穏な生活で感じる幸せよりも、人との温もりで感じる幸せのほうが遥かに大きいことに気づく。
姪を迎えに来た妹とのやりとりから、人と距離を取るようになった彼の悲しい過去が垣間見えた。
厳格な父のもと育てられ、その期待に応えようと仕事人として忙しなく働いていたのか。。
一族経営の会社で妹とともに父のもと仕事をしていたのか。。
しかし、実利主義で忙しない環境に気を病み、厭世的な生活を送っているのか。。自宅の雑多な荷物の山からそんな背景が想像された。
明らかにはされないが、いろんな想像が頭を巡った。
姉と抱擁を交わした後の涙がとても切なかった。。
本当は大切な人と時間をともにしたいのだろう。でもそれをしたくてもできなかった過去があって、住む世界が違うと信じて、孤独感に蓋をしているのか。。
その後、突然辞めた同僚の尻拭いで朝から晩まで忙しなくトイレ掃除をする場面では、口調は荒くなり、仕事人時代の平山の姿が垣間見えた気がした。
最後の涙はなんだったのか。
美しい朝の景色に感動したのか?世界の美しさに涙が溢れたのか。
日々の幸せを噛み締めると同時に、抑え込んできた孤独感に苛まれ、単調に終わってしまうかもしれない自らの人生に悲しみの涙を流していたのか。
個人的には後者と感じた。
淡々と進み、説明もないのであれこれと想像を膨らますことができてとても良い。
表情だけで機微を表現する役所広司の演技が素晴らしかったです。
理想の世界
リアルじゃないけど、どこかリアルな映画。
観る前に、オチの無い、観てスッキッリするタイプの映画では無いことは感じていたので、がっかりすることも無く、伏線回収を期待すること無く、映像の良さや演技の上手さ、この監督の巧さに集中しながら飽きることなく観れました。面白かった。
前半、平山さんの毎日のルーティンを何度も観せられるんだけど、それがなんでかわからないけど、良くて。
あれ家の鍵閉めないのって、オートロック方式?地味に気になりました。
後半にいくにつれて、、おやっ?っていうシーンがいくつかあって。それが観終わった後に、「あれはなんだったろう……」ってなる。
例えば、姪っ子と自転車に乗ってるけど、2台も自転車あったの?とか、お互いに好意を持ってそうだった飲み屋の女将さんと男が抱き合っているのを目撃した後に平山さんが川でお酒飲んでるところにその男が現れ元夫で余命も短いから会いにきたんだと告げられるとか、、。ちょっとリアルなようで、リアルからズレている。希望的観測をこめた平山さんの妄想??とか思ったり。
本当は妹や姪っ子に会いたいけど会えないのがリアルなのかなと思ったり。
あと、毎晩見ているぼんやりした白黒の夢とか。窓のカーテンを全開で寝ているとろとか。随所随所に、「ただ淡々と毎日を自分なりに楽しんで生きている男」以外の要素が散りばめられていて、何かあって精神的に不安定になったような訳あり過去とか、そんな人生の影を抱えながら生きている様子を勝手に感じさせられる。
あとから考えると、平山さんの表情が全て語っているような気もして。
本当に役所広司さんの演技力が凄くて、本人ですよね、平山さんていますよねって、思うくらい。
観終わった後に、残ったのは、ほんのちょっとだけ恐いというか、狂気じゃないけど、もっとあったかいでもちょっと重い何か。あの日々のルーティンは平山さんの心の平穏を守るためなのかもしれない。
最近はこういう映画より明るくても暗くてもわかりやすい映画をよく観るし、こういう映画は好きじゃない時もあるけれど、この後に残った感じ、なんか分からないけど嫌いじゃないという。
論理的には考察できない感じ。やっぱり監督のヴィム・ヴェンダースさんと俳優さんの上手さが凄いなぁと思う映画でした。
トイレ清掃員の行き方に共感
古びたアパート、でも部屋の中はきれいに整頓された様子から主人公の几帳面さが感じ取れます。公園で見つけた植物を盆栽として育て、毎朝霧吹きで水をやることを怠らない。
朝は食事を取らず、缶コーヒーだけ飲んでトイレ清掃に車で出かける。
車の中では1960年代、70年代の懐メロをカセットテープで聴く。個人的に印象に残ったのは、オーティス・レディングのドックオブベイとアニマルズの朝日のあたる家だった。
昼は公園でサンドイッチを食べ、見上げた樹木の木漏れ日をオリンパスのフィルムカメラで撮る。隣のベンチには同じようにサンドイッチを食べるOL風の女性もいて顔見知りとなるが、特に会話はしない。
夜は地下街の定食屋でお酒と一緒に食べる。アパートにはお風呂がないので銭湯に行く。寝る前には読書する。
休日は自転車に乗って仕事着等をコインランドリーへ洗いに行く。その間、石川さゆり似のママがいるスナックに寄る。古本屋に行って本を買う。店主のおばさんは必ずその本について一言コメントする。カメラ屋にフィルムカメラの写真を受け取りに行き、同時にフィルムを買って帰る。家に帰ってその写真を整理する。気に入らない写真は捨て、気に入ったもののみ残して、アルミケースに入れて押し入れにしまう。押入れにはいくつものアルミケースがきちんと並べられていて、ここでも彼の几帳面さが伺える。
子供を見ると顔が微笑んだり、姪に優しい面がある一方、施設に入居している父親とは何があったかはわからないが、うまくいってないようで、妹が頼んでも会いに行こうとはしない頑固な面もある。
毎日が同じことの繰り返し。でもそのことの尊さを学びました。
平凡で何気ない毎日だけどそれでいて素晴らしき日々
主人公のような人間にはなれそうもない絶望
平凡で同じ事の繰り返し。ただ、同じ事を繰り返す中でも、ちょっとした出来事、小さな事件はある、
みたいなストーリーなのは良かったし面白かった。
でも、そこに幸福感や満足感、あるいは、
ささやかな楽しみを見出だせる主人公平山は、
大した人物だなとは思うけれど、
そうあるべきだとは思えなかったし、
自分は平山みたいに大した人物には、
どうやら、なれそうもない事に改めて気づいてしまった。
なーんだ、やっぱり説教映画じゃねえか。
あと、平山は運がいい。同じ趣味嗜好な女から突然キスされるし、「いい子」な姪が平山を頼りに家出してくる。
そんな女も姪も、自分にはどこにもいねえじゃねえか。
結局平山の日頃の行いが良いから、役所広司がいい役者だから、主人公にも「良いこと」が起こるだけなんだ。
なーんだ、やっぱり説教映画じゃねえか。
10ある中で8嫌なことがあっても、残りの2から幸福を掴める人は、この映画は刺さるかもしれない。
自分のような、10ある中で8嫌なことがあったら、8が16になっちゃうような人には、残りの2の幸福は、あっても気づかないまま。
捻くれ者にはちょっと辛い映画かもしれない。
現代プロラタの最高傑作
大切なものを見つめなおす機会になる。変わらないなんてバカはことはない。
同じ1日は存在しないし、同じ木漏れ日は2度とない。そんな日常の中にいるからこそ、変わらない静かな日を慈しむことを忘れてはいないか。また、誠実な人間は他者から信頼される。じぶんからもとめることはせず、話しかけることすらなくとも、同僚からも姪からも思い人の前夫からも即座に信頼される。それは誠実に生きてきた人間が獲得する年輪でありオーラである。平山は自分のロールモデルになった。
毎朝空を見上げたくなった
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