PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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個人的には苦手な分野だが
個人的には苦手な分野の映画だが、役所広司の演技は安定の素晴らしさで、自然とこの作品の世界観に引き込まれていった。
それは当然監督の手腕によるところが大きく、並の監督がこの類いの映画を作ったとしたなら、私は最後まで観ることが出来なかっただろうと思う。
そして、なんと言ってもラストの音楽と役所広司の表情が素晴らしかった。
芸術性の高い作品
通好み
想像に委ねる
役所さんはじめ、キャスティングは良かったし、寡黙な中年男性の清貧な暮らしの中にある、ささやかな変化や喜びも、観ていて気付かされるところがあった。
ただ妹との抱き合うシーンや最後の泣くシーンでは、情報が少なすぎて、こちらの想像で解釈するしかない。想像の余白があるのは良いが、ほんの少し委ねる部分が多すぎるように感じた。そのほんの少しが感動より、違和感に繋がった。
マル暴?ヤクザ?いや、ただのおっさんですて話
こうゆう紆余曲折の少ない映画も見れるようになった自分の成長が著しいなと。
金持ちだから
イケメンだから
有名人だから
幸せか?
中にはだから幸せという人もいようが
主人公のただのおっさんのように、何を持っているよりも自分の世界を持つ人間こそ本当に幸せなんだろう
東京の空気感
数年前まで東京で生活していた。
映画にも出てきた原宿よりの公衆トイレも仕事で使っていた。
東京の空気感。
この映画はそれが程よく表現されている。
東京で生きるという事は、常に走り続ける事を求められていると思う。
止まったらその瞬間に置いていかれる。
娯楽が何でも手に入る東京。
そんな東京でささやかな、繊細な幸せを日々大切にして生きている主人公。
多くを語る必要もなく淡々と1日が進む。
緩やかで穏やかで、それでいて目を凝らせばドラマチックな日々。
とても心地よい。
日常に疲れた時はこの映画を観て、東京に帰って来れる。
程々に他人に干渉せず、程々に心地よい世界。
浅草の地下街にエアコンが付いたとの報をうけq、そういえばと思い出して久々に観直したが、そこにある東京の空気感は僕にとってとても懐かしい
p.s. 歳下の彼女とお付き合いを始めて早1ヶ月。
向こうは色々と壁がるためまだ彼氏とは定義していないようですが、毎日の会話が植物を愛でるこの映画の主人公の様で、ほんのり幸せです。
「よもぎ蒸しのように、静かに心を整えてくれる映画」
良さがわからない
諸行無常もFeelingGood
物語は、平山のシンプルな生活を淡々と追いかけます。毎朝決まった時間...
物語は、平山のシンプルな生活を淡々と追いかけます。毎朝決まった時間に起き、トイレの清掃に励み、休憩時間には古本を読み、音楽を聴き、木々の写真を撮る。そんな繰り返しの中に、彼の小さな喜びが散りばめられています。ルーティンの一つ一つが丁寧に描かれ、まるで彼の心の平穏を映し出すよう。渋谷の喧騒の中で、公共トイレという地味な場所が舞台なのに、そこに美しさがあることに気づかされます。ベンダース監督は、渋谷の街並みや「THE TOKYO TOILET プロジェクト」のモダンなトイレを背景に、日常の尊さを浮かび上がらせます。
特に心に残ったのは、平山の生活を通じて見せる「小さな喜びの積み重ねが幸せ」というテーマです。古いカセットテープで音楽を聴き、木の葉の揺れを愛でる彼の姿に、人生の豊かさを感じました。
そして、クライマックスの運転中のシーン。平山が涙を流しながら車を走らせる場面は、胸を打ちます。それまで感情を抑えていた彼の内面が、初めて溢れ出す瞬間です。穏やかな日常と心の奥底の複雑な感情が交錯し、喜びと悲しみが共存する人間らしさが伝わってきます。このシーンで流れる「Feeling Good」の明るいメロディと歌詞が、平山の涙と対比され、彼の人生が「完璧」でありつつも完全ではないことを示唆します。家族との過去や孤独、そして日常の美しさと儚さが、涙を通じて一気に表現されていました。
この映画は、派手な展開や劇的な事件はなく、静かな時間が流れます。それでも、平山の小さな動作や表情、渋谷の街の風景、音楽の調べが心に深く響きます。日常の中に潜む美しさや、人生の喜びと切なさを改めて考えさせられました。50代の私にとって、平山の生き方はどこか共感できるものがありました。日々の繰り返しの中で、自分なりの幸せを見つけることの大切さを教えてくれる作品です。
観終わった後、ふと木々の揺れる音に耳を傾けてしまいました。『PERFECT DAYS』は、そんな風に日常を少し違った目で見つめ直させてくれる、素晴らしい映画でした。
ルーティーンを死守する事壊される事
外国人が撮ったと分かる感じ。品の良い公衆トイレとスカイツリーや浅草の古き良き日本を撮るところなんかまさに。ルーティーンにこだわる生活をしている主人公はテレビもスマホもない聴くのは音楽テープという俗世間と離れた生活を送っている。そこまで現代を排除したいのに周りからルーティーンを乱される。テレビ無くてラジオも聴いてない感じ…全メディアを拒否してるみたい。でもiPhoneを店と勘違いするくらいの現代人存在するのかなー?最後の泣き笑いシーンはみんな呆れるな笑でもせっかくルーティーン守って無駄な感情持たないようにしてるのにみんな何だよ泣…って感じにルーティーン死守派の自分には見えた。
タイトルに込められた深い意味
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたことで有名になりましたが、いままで見ていませんでした。
いやぁ、カンヌに出るだけの事はありますね。っていうか、間違いなくアカデミーでは無く、カンヌの作品だなと思いました。
タイトルの『PERFECT DAYS』ですが、どこをもってして“完璧な日”と考えればいいんでしょうかね?何事も無く平凡に過ぎていく日常が良いのか、あるいは、波瀾万丈な色々巻き起こる日が良いのか。なんか、この作品では、どちらも“完璧な日”と言っているような気がしました。
気になったのは、主人公の平山に関する説明が全く無い事。そう言う意味では、出演しているそれぞれの人物についての説明がほぼないんですけどね。まぁ、普通の日常ってそう言うものですかね。とはいえ、終盤、平山に関してはちょっとだけ何やら彼の事が仄めかされます。あくまでも仄めかしですが、それはそれで、なぜ彼がトイレ掃除をやっているのかという謎も付いてきます。
いやぁ、しかし、この平山は役所広司以外では成立しなかったんでしょうね。渡辺謙とか、真田広之とか、他にもできそうな俳優が思い浮かばないわけでは無いですが、それでも、その二人はちょっと圧が強すぎますからね。役所広司ほどの力を抜いた感じが出せないかもしれません。
なかなか面白かったです。
ラストカットの解釈を
おじさん定点観測
生きる
大きな出来事が起こるわけではない。
けれど、同じ日は一日として存在しない
そんな「日常のかけがえなさ」を静かに描き出した映画だった。
起承転結の結の部分がどうなるんだろうと考えながら観ていたぶん、物語としての“満足感”を得られなかった。
この映画の本質から外れた見方だったのだと思う。
予兆のようなものは確かにあった。でも何かが劇的に動くわけではない。
そうやって、静かに流れていく毎日のなかに、じわじわと沁みてくる何かがある。
歳を重ねたときに、また見返したくなる気がする。
そのとき、今とは違う感じ方をするのかもしれない。
いま見えなかったものが、未来の自分にはちゃんと見えるようになっているかもしれない。
そんなふうに、時間とともにじっくり効いてくる一本だった。
人間という生き物そのもの
木洩れ日が差し込む
誰にどう思われるか、ではなく自分がどう思うか
ままならない現実も受け入れて、なるべく笑顔で生きていきたいと思った
そろそろ本当に自分の人生を生きたい
平山さんは家族と何があったのか、あの涙は何なのか知りたいけど、それは平山さんが抱えている大事な事
私は知らなくて良いんだ
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