「パーフェクトな日常の中に流れるもの」PERFECT DAYS エルフくんさんの映画レビュー(感想・評価)
パーフェクトな日常の中に流れるもの
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いまいち評価がわからない作品。東京都心でトイレ清掃員として暮らす60代男性の日常が淡々と映像で映し出される。潔癖で、質素で、単調な日々。それが彼のパーフェクトな毎日なのだ。チャランポランな仕事の同僚に困らされたり、姪っ子が突然やってきたり、行きつけの飲み屋の女将さんの元夫が現れたりと出来事は起きるがドラマは無く、日常に戻っていく。そんな彼の心、感情が揺れたのが妹から入所した父(認知症?)の様子を聞いた時と飲み屋の女将さんの元夫の命が短いという話を聞いた時。淡々と過ごす日常の中でも確実に訪れる老いや死という問題が、時間と共に流れているということを実感させる。
こうした淡々とした映像の中に、その背景にあるであろうドラマを様々に想像し考えを巡らせることが、この作品の面白いところなのかもしれない。
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