劇場公開日 2023年12月22日

「日本の下町風景がとても観やすかった!」PERFECT DAYS 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本の下町風景がとても観やすかった!

2024年1月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

言わずと知れた話題作!

東京には有名クリエイターによる
洒落た公衆トイレが沢山あるらしいと言うのは
何かの情報番組で知っていたので
それも楽しみで観に行きました。

役所広司さんがインタビューで
「本物の清掃員さんに芝居させてる様に
思って貰えたら嬉しい〜〜」的な事を
言っておられたと思うのですが、
色々な小道具を駆使してトイレを清掃する様子は
確かに寡黙な仕事人に観えました。

ハッキリとは語られないけど
何か大きな人生のターニングポイントが
あったらしい1人の男。
特に大きな事件が起きる訳ではないけど
淡々と続く日常。

お正月から大きな地震や事故の起きた今年。
この映画の様に普通の日常が続く事の有り難さが
特に沁みるではないでしょうか〜〜〜。

で、
月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては

ビム・ベンダースの映画は
「パリ・テキサス」を配信で
「ベルリン・天使の詩」を昨年映画館で鑑賞。

両方とも評価が高い作品ですが
私は「パリ・テキサス」はかなり苦手。
埃っぽい荒野の風景と、薄汚い中年男のコントラストが
観ていて退屈で退屈で〜〜
家で配信なんかで観てはいけない種類の映画でしたね。

それを思えば今作はかなり観やすい。
淡々と掃除を続けるシーンが続くのですが
見慣れた東京の下町の様子や
(東京に住んではいないけど、
日本の下町風景はあまり地域差が無いので)
個性的な公衆トイレの形状が画面的に飽きない、
トイレを利用する人との会話のない
ちょっとした触れ合い時に見せる
主人公の表情の変化。

その合間の木漏れ日の描写。

多くを語らない主人公と
多くを語らない編集で
観る者の空想が広がって行く作品。
観た後で誰かと語りたくなる映画でした。

それと役所さんがクローズアップされているので
あまり紹介されていませんが、
ちょっとした脇役が超豪華!!
各所で名バイプレイヤー達がいい仕事してます。
是非映画館で鑑賞して見つけて下さい。

ちなみに主人公が毎朝自販機で買う缶コーヒーは
「アレ」でした!(笑)

星のナターシャnova
みかずきさんのコメント
2024年1月9日

みかずきです
本年もよろしくお願いします

仰る様に、台詞が極端に少ないので、主人公の日常を切り取ったドキュメンタリーを観ているようでした。

台詞は少なくても、主人公役の役所広司のトイレ掃除を懸命にする姿、所作や表情だけで、主人公の心情が感じられました。
流石、役所広司ですね。
カンヌ映画祭で主演男優賞を受賞したのも納得の演技でした。

では、また共感作で。

ー以上ー

みかずき