「それぞれの世界のなかで」PERFECT DAYS ふじさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの世界のなかで
役所広司さん演じるトイレ清掃員平山の日々と、時折起こる変化を描く。
トイレ清掃員の暮らしは、まさにその日暮らしのようなルーティンの毎日で、顔見知りや行きつけの店はあってもとくに親しい人間関係はないよう。そんな毎日の中でも、平山はその日々の中に小さな楽しみを見出しながら暮らしている。
この世界に生きる各々が各々の世界を生き、それぞれの世界に楽しみや悲しみがある。そして、他人と交わりその2つの世界が交わると、大なり小なり変化が起きる。そんな当たり前なことだけど、ふだんは意識もしないようなことをじんわりと感じられました。
映画で観ているのは、平山というある1人のトイレ清掃員の日常ですが、鑑賞中そして鑑賞後も自分の日常のことを想起したり重ね合わせたり対照したりするような心の動きがありました。きっと見るたびにその時々の生活や心のありようで、感じるものが変わってくると思うし、また定期的に鑑賞したい映画でした。
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