「大都会の片隅、木漏れ日の中で織成すひと時~ 人の出会いと温もりを感じた!」PERFECT DAYS The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
大都会の片隅、木漏れ日の中で織成すひと時~ 人の出会いと温もりを感じた!
監督:ヴィム・ヴェンダース作品
彼の作品は『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』『ミリオンダラー・ホテル』とかで有名なのかな。どの作品も心地よくて一度は目を閉じて寝るかも~www。
今日は「PERFECT DAYS」を観に行ったぞ。
こう言う作風は本当にいつ見ても彼らしいなぁの一言。
主人公 平山、THE TOKYO TOILETの寡黙な清掃作業員:(役:役所広司さん)。
初っ端から都会の公衆トイレ清掃ってヤツをこれでもか~って位見せてくれる。
ちょっとこのシーンは長いかなと思う。人物像を現わすには必要かもだけども。
清掃車内にかかる懐かしの洋楽がメッチャ心地いいなぁ。そう思って聴きいった方も多いだろう。車の停止やドアの開閉で突如寸断されるメロディに、もっと聴きたいなときっと思う事でしょう。
今時見かけないわ~カーステ。音楽アルバムカセット持ってるけどテープ延び延びやで。
絶対SDとかだと思うけどな、やっぱテープのアナログ音質が受けるのかな。
カメラも同じくでデジカメ多い中、銀塩写真て・・・今時現像店が分かんねぇ。
裏ブタ開けてパトロ-ネからのフィルム供給音、懐かしいナ。
音楽も写真もその時代の味ってやつがそこで現わされていると思う。
トイレ清掃中に見かけた3マス並べ?の落書きメモ回し。
相手は?良く見かけるベンチに腰掛けのOLさんなのかな。それとも女子高生?。メモのやり取りが続いていくって事や、カセット音楽を気に入ってくれた彼女や、樹木の根の元で見つけた新しい植物や、遠くで軽く挨拶してくれるお坊さんなど、木漏れ日の中で覗く彼の周囲の人々の心がほんのりと温かい。そう感じます。
叔父さんと慕い突如やってくる家出の姪。念のため妹に連絡して迎えに来させるが、相手は凄い裕福そう。この対比表現が生む見えない境目がこの作品のテーマなのかと感じます。
TT兄弟じゃないけどw(“T”多い)-THE TOKYO TOILET-この清掃作業着は誇れるものではないの?だからこの作品があるんでしょう?そう思うんだな。
誰かが汚れた後を綺麗にする、だから明日が(次が)ある!そう思うんだよネ。
残念な所を一点あげるなら、多分 平山は真面目で独身だけど、居酒屋の女将(役:石川さゆりさん)に好意があった様なんだな。最終的に勘違いだったけども抱きついてた元夫との姿を見て 急にその場から去って、あんなにタバコに酒に急に溺れるかね?あれは有り得んよと思う。
その後 気にして追いかけてきた元夫が まさかの初対面に病名告白。かつ元女房をヨロシクと言うのだ。展開流れが今まで各駅停車でのんびりと旅してた気分だったのに、最後きて急に新幹線に乗って最終目的地に着いた~って感じしたわ。それとラストカットの運転席の場面で真っ直ぐ走っている車なのにハンドルに手を掛けて回しすぎだよと思うw(細かく見ててゴメン)。そこがとっても残念!
「君の名は。」かと思うぐらいとても綺麗な都会の朝焼けシーン。その街中をゆっくりと清掃車がカセット音楽を奏でながら 今日に、明日に ほんのりと温かい心に満たされた彼が走って行く~。
興味ある方は 是非劇場へどうぞ!