「平穏な日常の美しさに気付かされる一方、『海外の反応』みてるみたいだなと客観視する自分も。」PERFECT DAYS ともさんの映画レビュー(感想・評価)
平穏な日常の美しさに気付かされる一方、『海外の反応』みてるみたいだなと客観視する自分も。
役所広司がトイレの清掃員として日々の日常を送るという、ストーリーの概要を説明すればただそれだけの映画。日常の中の何気ない感動や美しさを切り取るのがうまい。たとえばふと空を見上げた時の木漏れ日だったり、見ず知らずの人とのちょっとした交流だったり、些細な幸せにフォーカスがあたる。無表情の役所広司が少し顔を緩ませるのをだけでなんかこっちまで幸せな気持ちになってくる!
「あなたにとっての幸せってなんですか」と聞かれた時に、「朝起きて布団を整え、着替えをして歯を磨く…そんな些細な日常が私の幸せです」という返答って一定数あると思うけど、その日常の幸せみたいなのが上手く映像化されていたなぁと思った!
仕事仲間が飛んで遅くまで残業してイライラしても次の日にはちゃんと補填の人がやってきて平穏へ戻る…
姪がやってきて、2人で暮らすという変化がらあっても2日後には母が迎えにきてまたいつもの日常へ戻る…
何か劇的な展開があるのかも!?と思ってもあくまでも日常に戻るというのがちょっとツボだった。笑
あと、最後の方の初対面のおじさん同士で影踏みするシーン、「では私から、いきますよ」とか敬語でちょっと気を遣いながらも笑い合って楽しそうにしてるのが微笑ましくて可愛かった!
人によっては眠気を誘うであろう静かな映画が、ここまで評価されているということに驚いた!キャッチコピーにもある通りに、「こんなふうに生きていけたなら」と多くの人が思っているんだろうなと感慨深くなった。
色々と考えながら観られるような余白が多い作品だと思ってて、鑑賞中も色々「どんな幼少期を送ってきたのだろう」とか、「あのママへの気持ちはどんなものなのだろう」とか、色々考えている中でふと客観視して観る時間も多かったので、
日本の日常が美しく映っているシーンを、『海外の反応まとめ』に書いてある美しい『ザ・日本』そのものみたいだなと思ったりしてしまった。笑(批判しているわけでも皮肉っているわけでもない)
日本好きの海外の人が観たら、「ZEN!!」と喜びそうだな〜なんて思いました!笑
日本の日常がここまで美しく描けるのは、海外の監督がつくってるからだよなぁ〜と。