劇場公開日 2023年12月22日

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「街の息づかいを撮った作品」PERFECT DAYS 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5街の息づかいを撮った作品

2023年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寡黙なトイレの清掃員の日々を美しく撮っている。渋谷のデザイン・トイレのパブリックリレーションの役目を負った作品であるが、トイレの先進的なデザイン性とその清掃員の住む古い木造アパートは対照的である。しかし、ヴェンダースは新しいものを良く見せているわけでも、古いものをみすぼらしく見せるでもなかった。むしろ、新旧のものが共存している東京の街並みに関心を寄せている。カセットテープの音楽を聴き、フィルムのカメラを趣味とする役所広司演じる主人公は、古いもの代表なわけだが、周囲の新世代に振り回されながらもなんとなく共存していく。東京という街は、近代的なものと古いものが混在している場所として多くの海外旅行者にも認識されているのだが、そういう目線がここにはある。しかし、旅行者目線とは異なる視線でそれを成立させていることにこの作品の美点があるだろう。街を撮るというのはなかなか難しいことで、そこに生きる人の息づかいみたいなものがないといけない。この映画はそれが感じられる。

杉本穂高
糸電話さんのコメント
2024年3月7日

無表情で虚空を見詰めているような無口で何も起こさない男。
 しかし、最後の車の中の男の表情。泣いてるような笑っているような顔・・・心が引っ掻き廻されました。この男の今までの人生を思い観ている私も自分の生き方を振り返ってしまいました。
 役所広司さん❗素晴らしい‼️
wonderful❗

糸電話