「日常を大切に思う」PERFECT DAYS hkr21さんの映画レビュー(感想・評価)
日常を大切に思う
少しセンチメンタルで、
でも、いっぱい温かくて、とても優しい気持ち。
起きた時に、木漏れ日を見た時に、空を見上げた時に、
笑顔になれる平山って素敵だ。
そして、ラスト、平山の泣き笑いに尽きると思った。
最初のトイレ清掃から帰ってくる車中のシーンで、
なぜだか泣いちゃいました。
悲しさとは違って、音楽のセンチメンタルさも加わって、
涙中枢を刺激されてしまったみたいで...。
なんで泣いてんねんって、心で自分にツッコミ入れた。
でも、音楽って悲しい曲じゃなくっても、歌詞がわからなくっても、
泣いてしまうことあるよなー。そんな選曲が上手い!!!
サウンドトラックも最高だったなー。
普段は、役所広司さん、顔圧が強すぎて、少し敬遠してしまうんですが...。
カンヌで男優賞を取ったのも納得の平山さんでした。
渋谷のトイレで、押上の道端で、ひょっこり会えるんじゃないかと。
そして、ラストの泣き笑いの顔は、本当に素晴らしかったです!
なんだか、これを打ちながらも、思い出して泣けてきちゃいます。
あのシーンを見ながら、
欲張らずに、一日一日を、その時間時間を大切に思おうっ!て、
そんな気持ちにさせてくれて、なんだか幸せだなーって思った。
あと、ヴィム・ヴェンダースさんの影の使い方や、
光の加減や、色味がとても心地好くて好きだなー。
間の取り方とか、セリフの感じとかも、同様に心地よく、
小津安二郎監督を思い出させる部分もありつつ、
監督の作品らしさというか外国っぽさというのかなー、
きちんと主張されていて、さすがのヴィム・ヴェンダース監督!!
ポスターもカッコ良い!色彩感覚が違うのかな…。
また、78歳という年齢に驚いたんですが、年齢なんて関係なく、
才能って枯れるどころか、どんどん、磨かれていくのですね!
まだまだ、これからも監督の作品がたくさん観たいです!!
2023年の映画納めに最高の作品に出会えました。
ありがとうございます。