「期待と不安」PERFECT DAYS おまつさんの映画レビュー(感想・評価)
期待と不安
ヴィム・ヴェンダースというフィルターを通して見た日本って一体どんなふうに映るんだろう・・・期待と不安に胸膨らませて鑑賞に挑みました。
前半は布団を畳んだり銭湯や相撲のTV中継のシーンが何度も出てきたりして、日本を舞台にした外国人監督の作品によくありがちな、滑稽な日本文化をこばかにしたような映画の類のように思え落胆。正直、一体何を伝えたいのか理解できず不安が的中といった印象。
ところが、中盤以降から派手ではないけれどいくつかの下世話な事件が勃発し始め、無機質だった映像に役所広司さんの豊富で絶妙な表情が散りばめられていきどんどん人間臭さとその温かみが増していきます。個人的には、終盤の三浦友和さんとのからみが圧巻で、生きていることへの哀愁と幸せを改めて気づかせられた気がしました。
結局、私にとっては期待通りというかそれ以上に印象深い作品になりました。それは外国人といった我々と違った視点で我々の日常を表現することによるギャップによるものなのか、もしくはヴェンダースの研ぎ澄まされた感性によるものなのか、今日一度観ただけでは整理しきれていません。多分ずっと気になると思うのでまた時間をおいて観なおしたいと思います。いずれにせよ、まだ観られてない方は肩ひじ張らず平常心で観ていただくことをお勧めします。
今晩は。
この作品は私にとっては、予想以上の素晴らしい映画でしたが、仰る通り複数回観ても、更に余韻が残る映画でした。新年以降、信じられない災いが連続して起こってしまっていますが、出来るだけの支援をする事をする積りです。何も起こらない日々の大切さを今作品を観ると改めて思います。では。