「善き人 善き生き方」PERFECT DAYS Toshiyaさんの映画レビュー(感想・評価)
善き人 善き生き方
観終わっていつまでも余韻に浸っていたいと思った
日本の善き人の心象をこの監督はどうしてこんなに精緻に普通の日常から描けるのか
日本に親しみがあるとか、日本映画に深い敬意を持っているとか、そのような次元を超えて異国人でありながら凡人には知り得ないこの文化、風土への理解力を示してくれたように思った ただし監督が異国人であることは首都高や東京の街並みの映像が翻訳されて目前に映し出されることで疑いもなく感じ取れるのではあるのだけれど。
その理解力は平山の夕食の店主とのやりとりや銭湯で一人静かに享受する開放感や居酒屋で幸福のうちにいただく酒のうまさの切り取り方に無駄も無理もなく描かれていた
そしてそれは、この国において、正しく美しく生きる善人の姿を等身大で捉えていたように思った
私はNHKの72時間というドキュメントを観てしばしば胸がいっぱいになる
それは正しく生きている方々の日常を垣間見せていただくことで自分の心の在り方を正さなければという衝動に突き動かされるためだ
この映画はフィクションだからこそ純粋に、強く心を揺さぶられたのだと感じた
善き人として生きたいと思う
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