「ドキュメンタリー的なファンタジー」PERFECT DAYS gomako1933さんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリー的なファンタジー
役所広司演じる平山、ドキュメンタリーのように存在感あり。そこに居るだけで説得力があります。
流石。
そして現実的には搾取される仕事についてる人はこんな表情は無いでしょう。
みんな居ない者にされそれは存在の否定
この物語で魅入られるのは平山・役所の表情。
ルーティンに悦びを見出している。
仕事では自分の存在を肯定するため人を寄せ付けない
人々の評価が高いのは、この勤勉性。
時給で価値を換算する現代の人には無い搾取されていると怨みを持つならこの表情はできない、まるで修行僧のような清々しさです。
これはもうファンタジー
それも60代男性のファンタジーでしょう。
シーン一つひとつ検証すると搾取する側の意図が見えてきます。
ディテールが現実的ではない。
墨田区木造アパートにメゾネットはないでしょう、あれば家賃は8万円はくだらない。
ETCで首都高速の勤務も腑に落ちない。
カセットテープ
文庫本
コンパクトな企画品の羅列
盆栽も紫外線ライト
1階の自分のそれまでの荷物はゴルフバッグやトランク
木漏れ日を撮るフィルムカメラ、現像するのも自分の好きなものの執着か
ただ、その木漏れ日を見るだけで良いのではないのかな。
自炊はせずに行きつけのお店で、特別扱いの氷水(平山は普段はお酒は飲まない)
このTTTルーティンじゃない日は腕時計をしていく。
自分を特別扱い一目置かれる人物の証なのかな。
食生活が朝はBOSSだけ
昼・夕飯は炭水化物・糖質の偏り
食生活は健康の基盤、健康保険はどうしているのか謎
豊かに見えるのは清貧に見えても自分の好きな物だけに囲まれてるから。
物を求めない生活っていいでしょうの洗脳にもなりかねない。
この生活のコストは時給1,200円では赤字ですね。
ヴィムベンダースは映画を豊かに撮る
とても心地良い作品
しかし描いていない日本の社会の問題は
また別の話。
企画・制作
電通とファーストリディリングのマジックですね。
私は脚本・企画にもやもやしました。
こんなふうに生きられたら…
どの様に生きるのが良いのか
もう少し考える余地がある。
ただその意味では良い揺らぎのある映画でした。
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