「心地の良い説明不足」PERFECT DAYS コビトカバさんの映画レビュー(感想・評価)
心地の良い説明不足
大きな出来事はなく、朝のシーンは、間違い探しくらいの再放送。
住んでるアパートは『すばらしき世界』ともあまり変わらない。
アヤちゃんの事、神社のOLさんの事、カセットテープの顛末など、答え合わせはない。
姪っ子が来たあたりで新展開かと思いきや、1人にしちゃいけない事や、過去に父親と何かあったはずだろうことも語られることはなく、全て観客の想像にお任せします。
ただ清掃員のおじさんの日常を観るだけなのに、あれもう終わり?というくらいに観てられるのは、小津安二郎監督に影響を受けたヴィム・ヴェンダースだからかな。
まだ薄暗い早朝の自販機や植物部屋の紫のライト、朝焼け夕焼けなどいろいろな光が美しい。
撮影班と照明班の連携で、なんて事ない日常の風景が、素晴らしい映像美に仕上がってる。
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