「IMPERFECT LIFE」PERFECT DAYS uzさんの映画レビュー(感想・評価)
IMPERFECT LIFE
平山の暮らしは形容し難い。
仙人とも、清貧とも、“丁寧な暮らし”とも、“衣食足りて礼節を知る”とも、近いようでどこか違う。
物語とは言えないそれを、ただ追っていく。
意味深に出てきた人物、伏線に感じた出来事や台詞は特に活かされない。
脇役はおろか、平山の過去や考えですら全く明かしてくれない。
だが、それでも見ていられるのだから凄い。
役所広司の演技や、一風変わったトイレ、画面の端に差し込まれる紫や緑の光、曲、モノクロのカット…
そういったものが、静かながら確かな抑揚を生み出していた。
序盤は口数も少なく泰然として感じるが、徐々に印象が変化してゆく。
ほっぺにチューされてドギマギした後に、思い出してニヤニヤする中学生みたいな姿がかわいい。
姪との交流や、妹との再会、匂わされる父親との関係が、唯一明かされる過去である。
ママの元旦那が口にする「会っておきたかった」は、分かり易くも胸に沁みた。
そういった流れからの、ラストの笑い泣き。
平山が蓋をしていたもの、日々の綻び、不安、後悔など様々なものが溢れたように見えた。
穏やかな暮らしに見えるが、タイトルは『PERFECT DAYS』であって『PERFECT LIFE』ではないのだ。
ELLEGARDENの『PERFECT DAYS』の詞に通ずるものを感じます。
観進めるごとに、はじめは理解できなかった平山の解像度が上がり、同じ人間なのだと感じられた。
またもコメントありがとうございます!&長いのに読んでもらってすみません(笑)! ここやコメントで書かれていること、おっしゃる通りで本当に共感いたします。お父さんや妹回りの話はあれくらいで敢えて説明しなかったのは大正解だったかと(運転手はちょっとやりすぎで戯作味が過ぎましたがw)。ニコちゃんが良い子に育っているという一点で、妹の人格を担保するのもうまい戦略かと。
みかずきです
共感ありがとうございます
主人公の清貧生活は、妹の台詞から、父親との壮絶な確執から解放されるとめだと感じました。
主人公が清貧生活で、小さなことに喜びを感じ心を満たすことができるのは大きな成長だと思います。
しかし、人は人との絆を糧にして生きていくものなので、
主人公が、濃厚な人間関係を築けるようになった時、彼の人生が更に豊かになると感じました。
ー以上ー
ガス欠回避のコメントに気づきました、ありがとうございます。
やっぱり売ったんですかね~考えないでも無かったんですが、ちょっとショックです・・シモキタまで戻ったんですかね?
今晩は。
コメントありがとうございます。(遅くなってスイマセン。勤め人なので・・。)
仰る通りですね。ホント平山さんは、善性の塊のような人でした。
正月休み中に、もう一回今作を観る積りでいます。
このサイトのMyベスト5に入れるかどうか迷っています。
Myベスト10だったら、確実に入る作品です。では。
コメントありがとうございます。
PERFECT LIFE ではないけど PERFECT DAYS……ほんとおっしゃる通りです。鋭いです。
ニコや居酒屋のママの元夫とのエピソードで、個人的には死に近い絶望とか無常みたいなものを垣間見た気がして、近いものをまた平山も背負っている気がしたんですよね。それでも、というよりだからこそ、日常を大切にする姿に胸を打たれました。
元夫の台詞を聞いて、私はエレファントカシマシの「流れ星のやうな人生」を思い出してしまいました。”何でぇ 結局何もわかりゃしねえ 流れ星のやうな人生”ってフレーズがありまして……
同じ歌の”今の自分を信じてみなよ”という歌詞が本作の余韻に重なったりもしました。
(歌繋がりなだけで長々書いてすみません汗)
こんにちは。
お〜う!エルレ!!
僕らは何も持ってないけど、ど〜ってことないだろ♪♪ですね。
パーフェクトデイズであって、パーフェクトライフではない。。
深い〜!本当そうですね。人間って。人生って。生きていく事って、奥深いですよね。
共感&コメントありがとうございます。
平山は私たちの目で見ると意外と、居る居るじゃないでしょうか。ヴェンダース監督には、数少ない昔ながらの日本人に見えるのかもしれませんが。
平山の解像度が上がった、という表現凄く共感出来ました。最初は不自然な位、言葉を発してなかったのにやはり完全ディスコミュニケーションじゃ居られない。正直ほっとしました。