「手を伸ばせる範囲の中での丁寧な暮らし方」PERFECT DAYS sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
手を伸ばせる範囲の中での丁寧な暮らし方
セリフもほとんどなく淡々と描かれる平山の日常を眺めながら、自分の心も次第に整っていくような気持ちがした。それは、平山が、流行り廃りとは無縁に、自分が手を伸ばせる範囲の中で、丁寧に暮らしを重ねているシンプルさへの憧れとも言える。
冒頭は、カセットテープのカーオーディオとETCのアンバランスさの違和感が拭えずにいたのだが、中盤で、平山が意図的にカセットテープを選択して生活しているのだと気付かされてから、ぐっと惹きつけられた。
全編を通して、とってつけたような説明台詞が一切なく、平山の過去も、平山の家族の状況も、あくまで想像の範囲でしか観客に提示されない。けれど、そこがいい。不必要なものには触れないというのは、まさしく平山の生き方そのものだからだ。
三浦友和演じる小料理屋のママの元夫とのやりとりの部分が出色。自分自身も人生を振り返る時期になり、2人の言葉がじーんと沁みてきた。
この映画を観た人と色々な面から語り合いたくなる一本だと思う。
フォローとコメントありがとうございます。
私も鑑賞後から身の回りに溢れる余分なものと自分の心を整えたい心境になっています😅
キーワードは〝手の伸ばせる範囲の中〟ですね☝️
埋もれた幸せの価値、みつめなおすいいきっかけになりそうです。
みかずきです
フォローありがとうございます
私、10年程前から、キネマ旬報、kinenote、Yahoo映画レビューなどに映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報掲載です。こちらのサイトには、2022年2月に登録しました。
本作、題名がLIFEではなくDAYSであることが秀逸だと思いました。
無常の人生を端的に表現していると感じました。
ー以上ー
トミーさん、コメントありがとうございます。「精一杯の強がり」という表現が、とてもしっくりきました。自らに言い聞かせているような「同じ訳ないじゃないですか」というセリフの意味が、改めて胸に落ちました。