「足る、を知る。」PERFECT DAYS Yumさんの映画レビュー(感想・評価)
足る、を知る。
東京という情報の多い場所で、日々の
生活の中にある幸せや、ちょっとした人との
コミュニケーションの温かさを、とても豊かに表現している作品。
役所広司さん演じる平山はトイレの清掃員として
丁寧にきちんと仕事をこなしていきます。
公衆トイレという事もあって、同僚のタカシ(柄本時生)からは「どうせ汚れるんだから」なんて言われるけど自分の仕事を実直に全うしていく姿は清々しいです。
木漏れ日、が随所に出てきます。
陽の光の使い方がとても美しいです。
平山が空を見上げる表情は言葉なくても
幸せだな〜と語っているようで、幸せホルモンのセロトニンがバンバン出ているようでした。
そして今既にある生活の中の幸せや大切なことを
教えてくれます。
スマホに目を落とすだけでなく、
空を見上げたいものです。
コメントありがとうございます。
この作品の木漏れ日について考えてみました。
日が昇るというシーンは毎日あるのですが、沈むシーンは多くありません。
このことからこれが応援的メッセージでもあるように思います。
木は、見た目には変化のないもので、それは平山の生活を表現していると同時に、頑なにしている父との確執も表現しているのでしょう。
木漏れ日は、その頑なな心と、変化のない自分自身に付けたレッテルを取り払おうとしているのでしょう。
ドイツ人監督のこの手法は斬新で面白かったです。
特に映画という作品から物語を取り除いたことにそれを感じました。