「【”メイ・ディセンバー事件の真実。”トッド・ヘインズ監督の描く真実と、私が思った真実を記す。文句を言われても、知りません・・。】」メイ・ディセンバー ゆれる真実 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”メイ・ディセンバー事件の真実。”トッド・ヘインズ監督の描く真実と、私が思った真実を記す。文句を言われても、知りません・・。】
ー 1996年、34歳の既婚女性教師が12歳の生徒と性的関係を持ち、女性は児童レイプの罪で服役中に出産する。
年の離れた男女関係を意味する”メイ・ディセンバー”と呼ばれた事件である。ー
■獄中出産した子の、下の子(元女性教師と、生徒は結婚して、又子をもうけている。)の双子が高校卒業を迎える時期に、事件を下敷きにした映画の主人公を演じるエリザベス(ナタリー・ポートマン)はジョー(チャールズ・メルトン)とグレイシー(ジュリアン・ムーア)夫妻の元を訪れ、役作りのために当事者一家を取材する。
◆感想<Caution!私の勝手な感想です。>
・エリザベスが訪れた時に、ジョーとグレイシーが築いた家族は、仲が良さ気である。嫌がらせの届け物があっても、ジョーは手慣れた感じでサッサと処理し”前に比べたら、少なくなったよ”などと言っている。
・だが、バーベキューが終わった後にジョーがグレイシーのベッドに入って来てもグレイシーはツレナイ。
・屋根の上でジョーは息子の吸っていたハッパを慣れて居ないのに吸って、泣き出すシーンも印象的である。
■エリザベスが二人を良く知る人達に話を聞いていると、グレイシーの夫だった男のチャラい息子から”グレイシーとその兄弟の話”を聞かされる。
そして、ジョーは何故か部屋の中で、蝶の蛹を飼っている。グレイシーから嫌がられながらも。カメラは蛹から蝶が産まれ出る瞬間を捉えている。
ジョーは、その蝶を愛おし気に”窓から逃がしてあげる”のである。
・エリザベスは、ジョーと成り行きでセックスする。エリザベスの”役作り”がエスカレートしていく象徴の様なシーンである。だが、ジョーも悪びれた態度はない。
■双子の卒業式のシーンも暗喩的である。グレイシーが保護者席で祝っているのに対し、ジョーは何故か彼女の隣ではなく、柵の外から双子の姿を見ているのである。
<ラスト、エリザベスが映画の中で、相手役の若い男の子と睦会うシーンが強烈である。エリザベスは濃い化粧をして、男の子に蛇を巻き付けながら”咬まないから、大丈夫・・。”と言ってしな垂れかかるのである・・。
それを見て、怖い、怖いラストだと私は思ったのである。>