劇場公開日 2024年4月26日

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「宗教が絆を断つものであってはならないと思う。」エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 大粒 まろんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5宗教が絆を断つものであってはならないと思う。

2025年5月7日
iPhoneアプリから投稿

理不尽極まりなくて、腹立たしい。

この映画の不思議な点は、エドガルドの目線が殆どないこと。大人になっても彼は帰らない。これを、大概の人が洗脳もしくは、ストックホルム症候群と思うのだろうけど、親の元でユダヤ教であれば、洗脳ではないのかというと、これもわからない。

そして、彼は成人した後も、司祭として従事した。これは彼の判断だったのではないのか?その点の取材は明かされない。彼が明かさなかったのか、またも教会側の力が働いたのか、これも解らない。

理解はできないけど、彼の生きるための選択の一つということはわかる。でもそれは、誰でもそうなのではないだろうか。

理不尽でもブラック企業で社畜になる人も生きる為だ。だからこそ、雇い主や権力側の人は、思慮深い人格者であってほしい。

これを観てて思ったのは、近年の虐待に対する児相や警察などの対応の鈍さも、この視点で考えると頷ける。罷り間違えば連れ去りになるのだから。

警察だって権力組織だもの、一見すると正しく見える。それなら、この時代の教皇配下の警察のする事であれば、やはり抵抗するのは難しいということになると思う。

時代によって、立場によって正しいは変化し続けるけど、本当の意味での、宗教の持つ対話と寛容さを今後は実践してほしい。

大粒 まろん
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