「 異能を使っての墓地荒らしを生業とする男が、死んだ婚約者の母の下...」墓泥棒と失われた女神 sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
異能を使っての墓地荒らしを生業とする男が、死んだ婚約者の母の下...
異能を使っての墓地荒らしを生業とする男が、死んだ婚約者の母の下で働く女と出会って…というラブストーリーとしても犯罪ものとしても、いくらでも面白くなりそうなストーリーはどうも散漫(差しはさまれるミュージカル的シーンの方が印象的なくらいだ)で、この映画の本筋はそこにはないらしい。むしろ強く感じられるのは、どこにも居場所のない、異邦人としての主人公の有り様だ。ビジネスの成功やコミュニティの獲得を、敢えて忌避するように彷徨いあるく彼が最後に行き着くのは…「赤い糸」のモチーフが、地下世界からの脱出・明暗の反転とともに、夢から醒めたような鮮烈なラストシーン。
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