「サメットは自分&疑問点」二つの季節しかない村 ツッチーさんの映画レビュー(感想・評価)
サメットは自分&疑問点
告発されたことの腹いせに生徒に当たり散らし、最初は女性は紹介してもらわなくていいと言いながら、いざその女性が同僚と仲良くなっているのを目にすると、抜け駆けしてその女性(の両親)の家に押しかけ、同僚との信頼関係を壊すようなことを平気でする。教育熱心というわけでもなく、任地を離れることしか頭になく、自由が好きという割には自由を守るために何かしらの行動をするわけでもなく、その言い訳だけは屁理屈こねて言う。自分が気に入っている美少女生徒に自分は好かれていると勘違いする。他の人も指摘しているが、サメットは他人ではなく、自分のことだと思った。言わゆるどこにでもいる俗物だ。3時間18分という長い上映時間だったが、なぜか席を立たずに最後まで見続けたのは鏡のなかの自分から目をそらすことが出来なかったせいからか。
ひとつだけ疑問がある。新車でサメットとケナンの宿舎を訪ねて帰ろうとするヌライが、雪が深いので送ってくれと言った時、なぜ3人同じ車で出かけたのか?ケナンの車とヌライの車2台で、ヌライの家に行くのなら分かるが、1台だけだとヌライを送り届けて2人が帰るなら、ヌライの車は宿舎に置いたままなので、また取りに来ないといけない。3人が1台の車に乗っているシーンを撮りたいという監督の気持ちは分かるが、普通はそんなことしないと思う。疑問だった。
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