劇場公開日 2024年10月11日

二つの季節しかない村のレビュー・感想・評価

全29件中、1~20件目を表示

4.0感動や衝撃とは一味違う不可解な人間模様に引き込まれる

2024年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

かつてヌリ・ビルゲ・ジェイランの映画に魅了されてトルコを旅した経験のある筆者にとって、今回の新作はアナトリア東部の村に広がる雪景色にどっぷり身を浸しつつ、そこに立ち現れるクセの強い嫌なキャラクターに絶えず心をかき乱される3時間18分だった。面白いもので、その嫌なやつぶりが定着すると、徐々に自分の中の印象が「彼が」ではなく「人間ってやつは」に変わる。どんな場所でも、状況でも不満タラタラ。こんな人はどこにでもいるし、ある意味、私の内部にも確実に彼は存在する。そんな普遍的な写し鏡のようにすら思える状況がそこには刻まれ、主人公の身勝手さが上書きされるたび、対比的に壮絶な過去を持つヒロインの、後ろ向きではない生き様が際立っていく。決して感動や衝撃といったカタルシスではなく、それとは別次元のなんとも不思議で不可解な心模様に連れ込まれる異色作。後半でふと差し挟まれるちょっと思いがけない描写も楽しみたい。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
牛津厚信

4.0厳しくも美しい大自然に対比させられた主人公の卑小さに魂が震える

2024年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

映画のあちこちにアンバランスな二項対立が散りばめられている。自然と人間、教師と生徒、男と女、管理・監督する側とされる側、理想と現実、善と悪、個人と集団、若さと老い、夢と挫折感。そうした対立する要素が複雑にからみ合い、ストーリーに緊張感と推進力をもたらしている。

トルコの名匠と称されるヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の直近3作品は、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「雪の轍」、「読まれなかった小説」、そしてこの「二つの季節しかない村」と、いずれも3時間超の重厚なヒューマンドラマ。主要人物らによる現実的な話題や問題についての対話や論争から、「人間とは何か」「生きるとはどういうことか」といった哲学的・観念的なテーマが浮かび上がってくるのも共通点で、大長編の文芸作品を読み進めるのにも似た鑑賞体験と言える。

主人公の中年男性教師サメットは、自尊心が強くて村人を見下したようなところがあり、卑しくてずるい部分もある。ジェイラン監督は屈折したインテリの嫌なところをこれでもかと徹底して描き、観客の多くはサメットを好きになれないはずだが、隠しているつもりの自分の醜い内面を見透かされたようで、精神の深いところ、あるいは魂が震えているのではないかという気さえしてくる。本質的に近しい部分がいやおうなしに共振してしまうというか。

本編の約2時間半過ぎ、サメットとヌライの長い対話のあとで、構築された映画の世界を崩すような意表を突く演出がある。さまざまな解釈が可能な仕掛けだが、映画世界の虚構を見せることによって、自分から見えている世界に絶対的な真理はない(見えない裏側がある)ということ、言い換えるなら“主観の世界の相対性”を象徴しているではないかと個人的には感じた。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
高森 郁哉

2.5人間の本質を抉り出す会話劇

2024年11月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 7件)
ひでちゃぴん

4.0トルコ東部の、雪深い村の中。 小学校の先生や生徒たち、村のご近所さ...

2024年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

幸せ

トルコ東部の、雪深い村の中。
小学校の先生や生徒たち、村のご近所さん。

長い期間を雪に閉ざされて、行動半径も範囲が限定的になりがちな。
感じ方次第で、受け入れて楽しもうという人もいたり
または、閉塞や孤独を感じて、出て行きたいと言い続ける人もいたり。

景色といい人々といい、おらの郷里(日本の東北の豪雪地帯)に近い感じがします。
特に、普段みている世界の範囲の、狭さ/広さ。
良い悪いではなく、
冬は、限られた、その範囲を謳歌しよう、という人もいますし
外にあこがれる人もいますし。

慕われる先生、気に入られる生徒、もいれば
その逆もいたり。

慕われている人が、人格者とは限らなかったり。
崇高な志を持つ人が、別の事情で色眼鏡で見られていたりも。

見かた次第で、他人の印象はどうとでも変わるんだねと
気づきの場面も多数でした。

人々の会話が凄く多い映画、
意見がぶつかるのは普段当たり前にあり、それでも、険悪になることはあまりなく。
セリフの多さには、(いち鑑賞者として)体力をかなり持っていかれました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
woodstock

4.0ポスターのシーンのための映画

Mさん
2024年11月1日
Androidアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 7件)
共感した! 8件)
M

3.5不勉強ですいません、トルコって雪降るのね。

2024年10月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

始まる直前に3時間!!と気付いた。
しかしそれほど長くは感じなかったよ。
田舎の教育問題、教員制度、コンプライアンス、ハラスメント的な話かと思ったらそれはどうやら表面的な事象でテーマはもう少し深い所にありそうだ。
並行して進む義足の教師と友人との三角関係とか、人との繋がり、関係の不確実さを二つの方向から描いてるって事かな?知らんけど。
トルコの田舎教師も大変だ。コンプライアンスに関しては日本なんかより進んでいるかも知れない。
ほぼトラップかよ案件、しかし力関係がはっきりしてる教師と生徒、男と女の世界だから昨今慎重にならないといけない訳だよ!という教訓として観た。

でまあ後半の方にある例の表現、するっと滑り込ませて上手い事やりやがってと思ったけど、何かの効果があったのかは疑問。「関心領域」の赤外線カメラと同じなくてもいんじゃね?という感想だった。
赤外線カメラより演劇的表現かな。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
masayasama

3.5長尺だけど、個人的には良かったです❕小学校の先生三人(男2 女1)...

2024年10月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

長尺だけど、個人的には良かったです❕小学校の先生三人(男2 女1)を中心に巻き起こる、恋愛 嫉妬 親子関係 障害者問題等々見所はかなりあった 主人公の男性教師は、ぺドフィリアちっくでありながら、足が無い大人の女性にもバイアグラ?を飲んでまで… 連帯感を嫌う孤独な自由主義者は、正に私の分身のようでもあった(共感できることが結構あった) あ、私はぺドフィリアではないけどね
有る意味一匹狼🐺的な主人公(男一人)と連帯感を感じたい二人に最後にはなってしまった 人生色々 自分の思ったとおりに生きたいな〰️

コメントする (0件)
共感した! 6件)
ろくさん

3.5冬を乗り切るため嫌な男がしゃべり続ける198分

2024年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
かみ

4.0世界がもし二つの季節しかない村だったら

2024年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 2件)
共感した! 4件)
レント

3.5カメラを止めろよ💢

2024年10月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 5件)
カールⅢ世

3.0なんか、嫌な感じの男の人の話だった ライト消しに行って変な所に迷い...

2024年10月22日
iPhoneアプリから投稿

なんか、嫌な感じの男の人の話だった

ライト消しに行って変な所に迷い込むシーン、
いきなりだったので、
気づかないうちに寝落ちしてたのかと思った

コメントする (0件)
共感した! 1件)
jung

3.5考えさせられる映画。一度観ただけでは理解出来ない。

2024年10月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

予告編を見て、鑑賞したくなった。
パンフレットやシナリオを読まないと私には理解出来ない映画だった。3時間超えの上映時間なので、2回目の鑑賞は躊躇してしまう。

人間とは何か?
生きるとは何か?
世の中の不条理・理不尽にどう対処したらいいのか?
観る人に問う映画だ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
いなかびと

4.0トルコが舞台でも主軸は普遍的な人生そのもの

2024年10月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公サメットは教師だからか思い込みも激しいが、この中年男の小さな心は誰しも自分や周辺に似た者を想像できる普遍的なものである。サメットとヌライの酔いながらの議論は、体制順応主義者と理想主義者のモデル的な対論でもあるが、もっと地べたの人生への諦観と希望の往復もある。クルドやテロの暗示にあるように選挙独裁の権威主義体制下にあるトルコでの対話であることを考えると、サメットの考えもただ平凡陳腐と切り捨てることもできない。トルコ映画には西欧映画にない社会のしがらみがしつこく描かれているものが多く、ちょっとアジア臭いところもある。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
Boncompagno da Tacaoca

4.024-109

2024年10月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

雪に覆われた長い冬と、
わずかな夏しかないトルコ東部の村。

大自然に比べ、
人間の暮らしや思考は実にちっぽけ。
いくら教養があり慕われている男といえど、
その姿は実に小さい。

猜疑心、虚栄心、嘘、噂、
どれもこれも取るに足らない存在のはず。
これらに飲み込まれる男が実にちっぽけ。

歴史は擦り切れた希望なんだろうか❓

コメントする (0件)
共感した! 1件)
佐阪航

3.565~70点ぐらい。釈然としなかったけど…

2024年10月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

あらすじ読まずに、タイトルとポスターと、巨匠が作った映画って事、是枝監督が絶賛した事、それだけの情報で観ました。

真っ白な雪景色の中に止まる1台の車、どこへ向かうのか雪の中を歩き始める男…

このオープニングで引き込まれました。

ポスターの女の子が主役かと思ったら、この男性サメットが主役です。

とにかく、トルコ東部の自然が美しくて、それが強く印象に残ります。

この美しい村自体も、この映画の主役でしょう。

この村の住人や自然を写した写真が差し込まれる演出、激しい議論のあと入る斬新な演出、も良かった。

最後が意味深で、もしやサメットは…と思ったんだけど、ネットで調べてみると、やっぱ同じ事を思った方が他にもいました。

観たあと釈然とせずモヤモヤして消化不良、妄想だったのか?とか、とんでもない事まで考えてしまったけど、いろいろ調べてるうちに概ね理解できました。

198分の長尺ですが、体感では実際の時間ほど長く感じなかったです。

それどころか、もう1回観たい(笑)

この映画でヌライという女性を演じた事で、2023年のカンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を獲得したメルヴェ・ディズダルが良いです。

その年の最優秀男優賞は『PERFECT DAYS』の役所広司さんですが、その縁でツーショットの写真も存在し、この2人は交流があるらしいです。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
RAIN DOG

3.0ほとんど冬。

2024年10月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

女生徒の告発で学校、村中が大騒ぎになるかと思ったがそうでも無い。後半はダラダラした大人の会話だけ。
ほとんど冬シーンだし終盤やっと夏になったらしいがどうみても秋っぽいんなあ。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
あらじん

4.0春と秋の無い村では、感情も簡単に、白日の元に晒されてしまうのかもしれません

2024年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
Dr.Hawk

4.5トルコに潜在する暗い影を垣間見た

2024年10月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
エロくそチキン2

3.0主人公を好きになれない

2024年10月14日
スマートフォンから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 5件)
jax

4.0乾燥した水気のない雪

2024年10月13日
iPhoneアプリから投稿

長い冬と夏だけの村での会話劇。
雪がとけ、夏になる前のほんの一瞬の春?に飛びまわる鳥。
考え方ひとつで、人生も案外楽しくなるかもよ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ジャイケル・マクソン