チネチッタで会いましょうのレビュー・感想・評価
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ナンニ・モレッティの自虐と悲哀
1950年代のイタリア共産党を題材にした新作を撮影しようとしていた映画監督ジョバンニ。ところが若手スタッフからは共産主義者=ロシアかと問われたり、時代錯誤なセットが置かれていたりとズレが生じ… ナンニ・モレッティ作品をしっかり観たのはこれが初。資料には彼の過去作のパロディなども盛り込まれ、ラストシーンでは過去の出演者が大挙カメオ出演しているらしいが、それら全て分からずじまい。要はモレッティに触れてない人にはとっつきにくい内容となっている。 かといって一見さん完全お断りかといえばそうでもなく、若い監督の演出に口出し、何かと「映画製作ってのはな…」と講釈垂れたりとシネフィル面するジョバンニが滑稽で悲哀。この人物描写はモレッティ本人の自虐ネタだろう(というかモレッティの本名が「ジョバンニ」)。Netflixの戦略と、資金提供してくれる韓国資本側の映画製作に関するスタンスがいかにもで可笑しかった。 モレッティ作品を観ていたらもうちょっと評価が上がっていたと思う。
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