落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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期待値ほどではなかった
落下(した夫)の(心の内を)解剖(し、残された妻子はそれを)学(び理解する)
一般的な見方をすればそうそう作品
しかし、私は、ダニエルはほんとは目が見えたんじゃないかと考えました。犬と散歩してる姿はとても盲目とは思えず、アスピリンを犬に飲ませる件もそうだし、母親寄りの証言といい、犬が最後に母に添寝しているところを考えると、どうも3人、いや2人と1頭の共犯とも考えられる。弁護士はその流れをすべて知っていて、法廷での無音のヒソヒソ話も合点がいく。
落下(した夫は3人)の(策略にはまり殺され、司法)解剖(されても不審死としか判定されないように3人は)学(習しその成果が出た)。
って見方をすると、弁護士はアレンジャーかディレクターの役割で、3人に絡んでくる。
私は殺していない
そこは重要じゃない
この母親と弁護士のやり取りが全てでダニエルが盲目ではなくて父親を転落死させた実行犯と考えれば話は変わってくるんじゃないだろうか
だけど、演出が地味なんだな~ぁ、これが
効果音もないし、意味深過ぎて伝わりにくい。
疑ってかかると
冒頭から妙な違和感が漂い、最後までどうなるのかと目が離せませんでした。
いろいろな証言や鑑定から検察や弁護士がそれぞれの主張をする法廷劇としても面白かったですし、心理ドラマとしても考えさせられました。
夫婦の関係性については、経済的に優位な妻が家事負担する夫の意見をまともに取り合わないという、家父長制が逆転しているような状況が印象深いです。
日本では家父長制の意識がまだ根強くあると思うので、この男女逆転した構図は皮肉にも感じますが、フランスでもそういう意識なのかというところはよく分かりません。
そういう男女差を置いておいても、夫婦間でのパワーバランス、相手を理解しようとする姿勢について考えさせられます。
録音や証言も人物のある一面を示すもので全てではない、写真や動画の表情もその場での一面を切り取ったものに過ぎないという気もします。
テレビでの報道の様子も、疑ってかかる目線で見ていた自分には身につまされる部分も。
真実はともかく、家族の死に対してどう向き合うか、周囲や世間がどう想像するか、という部分を描いているとも感じます。
何度か出てきた、真実は問題ではない、といった意味合いのセリフも印象的でした。
実際、個人的には事件の真実は分かりませんでした。
個人的には、妻の犯行ではと思っていましたが…。
妻が通報する時に倒れている夫には触れていないと言っていたので、怪我の状況や生死の確認をしないのだろうか?と思い、息子の最初の証言との矛盾もあり、疑っていたものです。
息子が悩んだ末に行った最後の証言は母を救うための偽証かも、判決後の場面も罪悪感を抱いている様子なのかも、などと考えてしまいましたが。
とは言え、疑ってかかるからそう見えるだけで、妻は冷静な判断で倒れている夫をむやみに動かさずに通報した、息子は父の言葉の意味を認めたくなくて悩んでいた、手にかけてはいないものの妻は夫の死に罪悪感を抱いて息子に対しても後ろめたい、というようにも考えられます。
自分が気付かなかっただけで真実が分かる部分があったのかもしれませんが…、結局最後まで明確には分からず。
現実的な事件報道や裁判なども、証拠から推察するもので真実は分からないと言えると思いますが、そういう点も考えさせられました。
妻の演技もリアルな存在感があり良かったですし、息子と犬も好感が持てますし、どうやって撮ったのか、やはり犬にはハラハラさせられました。
落下の解剖学 真実がどうかと言うよりも真実や結論を求めるまでの過程...
落下の解剖学
真実がどうかと言うよりも真実や結論を求めるまでの過程を追う難しさ、大切さ、そして楽しさなんかも与えてくれる作品と感じた。
夫の死により本来は見えなかった部分、見ようとしなかった部分なんかも明らかになっていく過程、そしてこの作品の様に答えが明確にならない事案、確固たる証拠がない事案も自分の中にある固定観念がどこか答えを求めようとする稚拙さを擽られるよう作品であった。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
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4 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
5 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
6 アクアマン/失われた王国 4.5
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8 異人たち 3.7
9 ミツバチと私 3.6
10 コヴェナント/約束の救出 3.0
11 僕らの世界が交わるまで3.0
12 カラーパープル 2.9
13 弟は僕のヒーロー 2.8
14 ジャンプ、ダーリン 2.5
15 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
16 マダム・ウェブ 2.3
17 落下の解剖学 2.3
18 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
19 哀れなるものたち 2.3
20 ボーはおそれている 2.2
21 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
22 瞳をとじて 2.2
23 ゴースト・トロピック 2.2
24 葬送のカーネーション 2.2
25 Here ヒア 2.1
26 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
27 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
28 VESPER/ヴェスパー 1.5
29 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
妻と息子そして犬
自殺ならなぜ遺書を残さなかったのか。
妻の犯行ならなぜ凶器を探さないのか。
大きな疑問符が残る。
法廷劇にしては設定が緩いし、どんでん返しを期待すれば裏切られる。
それでも最後まで目を離せないしラストもそれなりに納得させられる。
それは理性と人間味にあふれた妻ザンドラや悲しみを乗り越え成長する息子ダニエルのみごとな人物造形に依るが、傍で家族を見守る犬の存在も大きい。
クレジットに犬の名前があった気もするのだが、たしかに重要な登場人物のひとりだった。
脚本、役者、演出どれもよい。
言うまでもないがあの夫、いくら時間があっても小説なんか書けないね。
「寸止め」映画
延々と裁判を傍聴しているような感じ。
その割には明確な死因や判決の決定的な理由も語られず(推定無罪とか疑わしきは罰せずと言うのはわかるけど)でモヤモヤが残ってしまった。
裁判も終盤になり旦那さんが録音した音声が出て来た時や判決が出た後で、やっとこれから展開が動き出すぞと思わせてからの何も無しでストレスが溜まったままで終わってしまった。
友達の弁護士との関係もいろいろと思わせたままで何も無し。
検察官は荒川良々に似ていた。
犬は2度もアスピリンを飲まされてかわいそ過ぎ。(あれは演技だそうですw)
子供の目の色少し怖かった。
鑑賞者に委ねるタイプの脚本というのは理解できるし、数々の名誉ある賞を獲った(獲りそう)というのもわかるが、楽しく見る事ができたかと考えた場合に決してそうでもなかったので、自分の好みからは大きく逸れていた作品であったという事に尽きる。
中身が感情の絡み合いなれど、作品そのものは非常に冷静な現世の写し
嘘や隠し事も意図せぬ出来事で露わにされてしまう・・・ちょっとした秘密や恥部さえも許されないのか・・・でも自分がどんなに辱めを受けようとも、何事に対しても誠実であれば何とかなるのかなぁ・・・とても大変だけど─とまぁ色々と考えてしまった気がします。
サンドラ・フラーが素晴らしかったです。あらゆるエモーションがにじみ出ているといった印象で、かなり泣けました。
あの賢い犬もとても効果的だったと思いますが、ちょっとずるいような・・・でもあんなスマートならたくさん使いたくなる気持ちも分からないでもありません。でも、あのガキ何さらしとんじゃい!と思ったりもしたので、だから尚更ずるいと思った次第。
人生いろいろと大変だけど何とか完走していきたいものですね・・・などと今でも思考が巡っています、とくに接点がある話ではなかったのですが、他人事とは思えないわけで、なかなか巧みで秀逸な作品だったかと─。
ミステリーにしたほうが良かったのでは
ミステリーじゃなくヒューマンドラマ、家族の話でしたか。
法廷での丁々発止のバトルや、新たな事実の発見で犯人が二転三転、伏線とか伏線回収とかスリリングな展開のサスペンスを期待したのに、そういう映画じゃなかった。
ひねりもなく裁判も話も終わった。
結局のところ、彼の自死ということで良かったのでしょうか。
法廷のシーン、検察側の主張が主観と憶測ばかりでシロウトみたいで、こんなんで通用するのかと思った。
暴露された夫婦喧嘩の言い分は、明らかに夫のほうが分が悪い、駄々っ子みたいな言い分で、冷静にズケズケ本質をついた返しをする妻のほうが上手。
夫の、妻の才能への嫉妬とプライドがこんな態度になるんだろうけど、八つ当たりです。
別れちゃえばいいじゃん、なんだが、妻は夫を愛しているのがなんとも。
だったら妻も、もう少し夫を思い遣ってもよかったのでは、と思う。
人間をじっくりみせるためにこの尺が必要だったんですかね。
淡々としており、私には長すぎてところどころウトウトしました。
唯一の現場の証言者である息子が視覚障害者、という条件が生かされていない。
サスペンスにしたほうがよい材料だったと思う。
案はいいのにそれを活かして小説にできなかったという、亡くなった夫がダブりました。
解剖されたのは、家族関係
あの切り札証言で勝負あった。って感じだけど、自分の心証を覗いてみるとどうも釈然としない。
疑念を抱かせる微妙な表情をするザンドラ・ヒュラーの演技力と、英語とフランス語を巧みに切り替えるシナリオに惑わされてしまう。
真実を解き明かすことがメインテーマではなく、夫婦間や親子間の心の揺れ、ひいては家族のあり方を解剖することが主題に感じる。
とは言っても、裁判シーンは見応えがある。法服を着た1厘刈りの検察官、この人の舌鋒が鋭くて、被告人であるサンドラに殺意があることを参審員に印象付ける。
守る側の弁護士は、ウェーブがかかった髪にスーツを着こなしているハンサム弁護士。検察官の攻撃を冷静にかわしながら、サンドラをがっちりガード。どことなくアラン・ドロン感がある。シーソーゲームを繰り返しながら、いよいよ判決。
観た人はわかると思うけど、ダニエル役のミロくんがとんでもなく上手い。交通事故で、幼い頃に視力を失った少年の役なんだけど、耳にしたくない両親の負の部分を裁判で聞かされた時の困惑した表情のリアリティがすごいというか、守ってあげたくなる。
夫婦喧嘩の最中にサンドラが夫を責める回想シーンがあるだけど、どうしても夫側で見てしまう。サンドラの芯を食った言葉が夫のハートを直撃し、追い打ちをかける体重の乗った言葉に夫のプライドはズタボロ。ホントのことを言うのは、やめてあげて。トドメはささないで。いつぞやの自分と重なって、胃がキリキリする。
夫婦で鑑賞したら、気まずくなること間違い無しの作品でございます。
2人で見れば終わった後の話は盛り上がります
サンドラ・ヒュラー
今週の月曜日、吉祥寺で映画を見たあと、昼食で寄ったお店にイヤホンのバッテリーを忘れてきてしまった ヤッチマッタナ~
仕事終わりに吉祥寺で映画を観る予定をムリヤリ入れ、まずはバッテリーを回収せねば💨
店員さんの親切な対応に感動しつつ、時間を埋めるために富士そばで一杯のかけそばを←昭和〜⤵️
これがいけなかった😲
案の定、前半寝落ちである💤 オレノバカ!
後半、気合を入れ直し、ガン観ですよ❗オリャー!
この主演女優さんのサンドラ・ヒュラー、「ありがとうトニ・エルドマン」で観たときから個人的に好きな顔なんですよネ~
「希望の灯り」も観たとき、「あっ!トニ・エルドマンの人だ❗」と⤴️
この方アカデミー賞にもノミネートされており、かなりの実力派らしいです
話自体はよく理解できなかったけど、「また、会えたね❤️」と、今日も一人、井の頭線に乗り帰宅する天皇誕生日デシタヨ オワリ!
言い切れないもどかしさ
サンドラの描き方がとてもいいんですよ。模範的でも完璧でもない女性(母親)で。最初の学生がインタビューに訪れたシーンからして、ちょっと人をおちょくってる感じで話を逸らしたり、愛想もそんな振り向けない。息子のことは愛していていろいろ考えているけど、べったりという感じもなく、まずは作家としての活動に力を注いでいたり。裁判でのあのなんとも言えない戸惑ったような表情もいい。あと、裁判で明らかになった夫婦げんかのシーン、夫のいい分も妻の言い分もお互い嘘ではないだろうけど、それぞれ感じてることがこうも違うのかというくらい噛み合わなくて、男女のズレが鮮明に見えて面白かった。このケンカで言った言葉も怒りに任せて出てきたものもあるだろうし、前後の文脈も本人以外は分からないし(本人たちでさえもうそこに至るまですれ違ってるし)、このハッキリと断定できない曖昧な感じもこの映画の良さかなと。
法廷シーンは検察側の誘導尋問にイラついたけど、フランスはあそこまで自由なのか?と思うくらいペラペラ言いたい放題だった笑 見えてるもの、証言されることは全体の一部でしかないけど、その一部から事実を明らかにする必要もあり、そこのズレやもどかしさ、視点の違いが長い法廷シーンでじっくり味わえる。
視覚障害の息子と犬の演技も見どころ。最後はなるほどそうきたかという感じ。
フランス映画としては良かった
Anatomyとは構造を理解して外部のみならず内部を調べていることだ。タイトル通り、脚本がよく練られていて、そのセリフや行動からじっくりと解き明かしている手法に唸らされる。
苦手なパターン
今年度のアカデミー脚本賞受賞も納得の会話劇!(カンヌもグランプリ)
不審死した旦那の殺人容疑で妻が検察側に訴えられて裁判になるんですが容疑者がウソをついていたのが発覚して旦那のせいで息子が視覚障害になる怪我をさせていて容疑者が恨んで居た事実があって更には浮気をしていたけど物的証拠も無いし犯人だという事では無いが裁判のルール上は絶対に不利になります(そんな事をしてる人間なんだから殺したのはこいつだ!って憶測で決めつけがち)裁判で不仲だったから怪しいとか言ってるのも事実だけどそんなの人生の全てでは無いしほんの一部の切り取りでしかないのに恨んで居た!それで片付けられるような単純な話では無いのにルール上はそこが有罪か無罪かの判断に強く関わるから実際に黒とか白とか関係無くて如何に陪審員に良い印象を与えるかが1番重要ってのが怖いです!(リアルに自分にもあり得る話だし) だからこの作品は判決はでますが本当の真相は語られてません!
あとかなり容疑者が不利になる部分があって母国の言葉で話すのでは無いという点でパッと振られた質問で
なんて言っていいのか分からないとか圧倒的に調子悪いですよねこれは!
しかしこんな異常で病的なレベルで作り込まれた脚本の会話劇なんてそうそう無いし(みんな触れて無いのが逆に自分はビックリです)カンヌ映画祭でグランプリ獲得とか!ですよね!当然でしょ!くらいの脚本だと思います。
あと父親の事はあまり語られていないから自殺を本当にしたのか?って部分の判断材料も少ない中で容疑者が有罪か無罪か延々と考えさせられるのが面白かったのとハリウッド的なエンタメ寄りじゃ無いのが良かったし(会話少なくて白黒ハッキリしてるエンタメ寄りの作品だったらカンヌもアカデミーもノミネートは絶対にされてませんね笑)ベタなドンデン返しや真犯人が居たとかでは無く内容勝負に徹してた部分は素晴らしいと思います!(女性が監督で脚本も夫婦でやっていてコロナ禍の時のアイデアと言っていますがコロナで隔離されてる時に夫婦間のいざこざとかを元に書いたんだろうし詳細に至るまでの超クソ細かい会話だったりなるほどって思います!)
最後にこの監督って人を不快にさせたりイライラさせる描写が天才的でオープニングから10分くらいの不快な感じめちゃくちゃ好きです(インタビューしてるのに上の階から観客が会話に集中出来ないレベルの爆音の嫌がらせの音楽と検察側の弁護士の偏見フィルターかかりまくりマンの憶測で犯人と決めつけて高圧的に喋る部分が有り得ないくらいストレスかかって一回本気で大声で叫ぶ寸前まで追い込まれかけたくらいの状態になりましたよ)とはいいつつほぼ間違い無く自分ランキングで年間上位確定レベルの作品でした!
最後に犬が凄いんです!あのシーンとかどうやって撮影したのよ?って思ってたら演技でやってるそうです(死にかけたりする演技をやってるとか本当に凄いです)
あと余談ですが市子の監督がこの作品をめちゃくちゃ褒めていて 市子を作る人なら落下の解剖学めちゃくちゃ面白いってなりますよねって完全同意したところで締めたいと思います!
最近法廷遊戯という裁判モノを見たんですが落下の解剖学と全てが真逆の作りだったのである意味面白かったです。
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