落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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事故か他殺か・・・
人里離れた雪山の山荘で、視覚に障がいのある11歳の息子が、血を流して倒れていた父親を発見し、息子の叫び声を聞いた母親が救助を要請したが、父親はすでに亡くなっていた。当初は事故による転落死と思われたが、前日に夫婦ゲンカをしていたことなど不審な点があり、妻で作家のサンドラに夫殺しの疑いがかけられた。自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の真相が明らかになっていくなかで、息子の証言が・・・さて真相は、事故死か自殺か他殺か、てな話。
なかなか奥深くて見応えあった。法廷でフランス語で質問され英語で答えるのは面白かった。
夫婦や家族の内情が法廷で明らかになるのはやれんなぁ、とも感じだが。
同じような仕事をして、妻の方が才能が有るとわかった夫は嫉妬するのだろう、とも思った。
裁判で勝っても得るものはない、という発言が有ったが、確かに、負けると失うものが多いが、勝っても得るもののない裁判ってあるよな、なんて妙に納得した。
邦題はフランス語の直訳なんだろうけど、こんな高尚なよくわからない邦題じゃあ、とっつきにくい気がする。
助演犬優賞はスヌープ!
「コット、はじまりの夏」を観ようとしたらシネマカリテはビルの設備点検で本日休館!予定を変更して新宿ピカデリーで「落下の解剖学」を。
雪山の山荘で転落死した父親は、事故か、自殺か、殺人か?
犬と散歩から帰って死体の第一発見者は、視覚障害者の息子(いや犬か?)、山荘にいたのは母親のみ。目撃者はなく、当然、殺人が疑われ、母親は起訴され裁判に…。
裁判で真実が明らかになるのかと思えば、明らかになるのは意外な事実ばかり。息子が視覚障害になった原因が父親にあったり、母親はバイセクシャルで女性と不倫した事があったり、二人とも作家だが夫の諦めた原案をまとめて妻が出版していたり、二人は死の前日にもそれらの事で激しく口論していて夫がそれを録音していたり。
彼らの口論の中で、フランス人の夫とドイツ人の妻は中間言語の英語で会話し(以前はイギリスに住んでいた)、フランスの雪山に来て彼女はフランス語も話さなければならず(裁判中も途中からフランス語に不慣れで英語で話す)言語も二人に溝を作っていた。
二人とも作家で、夫は書けず、妻は書いて何冊も出版している。夫婦が同じ職業と言うのも難儀である。
しかも本作の監督ジュスティーヌ・トリエは、この夫婦が溝を作って崩壊する脚本をパートナーで監督のアルチュール・アラリと共同で執筆しているというのがなんともいえない。
結局、この映画が描いているのは事件の真実ではなく、夫婦のあり方と、母親と成長する息子(事件の後はショックで母親に抱きしめられていた息子がラストでは母親を抱きしめている)の姿と、二人に優しい犬の姿である。
映画は、落ちて来るボールを受け止めるスヌープで始まり、いつも世話をしている息子ではなく帰って来た母親に静かに寄り添い眠るスヌープで終わるのだ。
余白
新宿ピカデリーで鑑賞。
月曜の夜にも関わらず8割くらい入っていたような。
予告編が面白そうだったので鑑賞。
ちょっと思ってたのと違ってたかも。
手持ちカメラぐらぐら、
ギューんとフォーカスが印象的。
是枝監督が日本人キャストでリメイクしたら
どうなるかしらと想像。
終盤の夫婦喧嘩シーンが地獄!
余白たっぷりのラストでしたよ。
裁判の結果、得られるもの
もう少しミステリやサスペンスの要素がある作品かと思ってましたが、法廷を舞台にした人間劇でした。
「疑わしきは被告人の利益に」に忠実な判決で、外形的に見れば無罪放免のハッピーエンドとなる作品でしょうが、裁判後のダニエルの反応やサンドラの振る舞いや戸惑いから、2人のこれからが決して簡単にいかないことがわかります。
サンドラの無罪の決め手になる証言を導き出したのが、父親の息子への愛が故の言葉であるのも、この家族の関係性を表してもいます。
裁判の過程で明らかになった家族内のさまざまな事実や言葉をどう乗り越えていくのかは、この映画を見た人たち一人ひとりの心の中に描かれていくのでしょう。
脚本合戦
作家夫婦の旦那が山の上の自宅で転落死し、妻による殺害か、自殺かを問う裁判になる話。
雪山の自宅で作家として働く妻と、作家兼教師として働く夫という夫婦の夫が転落死し、当時視覚障害のある息子は犬と散歩中、自宅には妻と夫だけという状況から裁判になっていく。
ダニエルの証言に繋がる部分はまあわかるけれど、客観的なことや状況証拠に繋がるものを議論する訳じゃなく、主観的に殺人の動機と自殺の動機とどっちがより有意かを問うディベート大会を長々とみせられている様に感じてしまいダルかったし、これって判決に影響あったんですか?動機がより有意な方がギルティですか?という感じ。
そして結果は……だけれど、そもそも判決に影響する議論は最初だけで、判断できずに放置だし。
ということは見るべきはそこではないということで、だとしたらそれらをもっと簡潔にして100分ぐらいで収めて欲しいもんだ。
自殺か他殺か、それはどっちでもいい
夫婦のあり方、息子の選択、全てがオープンになる法廷で家族を丸裸にする。
当然仕方ないにしても、なんて残酷なんだ。
途中で裁判長に進行に差し支えるから、出席を拒否を進められる息子。自分はもう傷ついているから大丈夫、自分で判断したいと出席する。
強い子だよ…。その後に出てくる録音記録や検察側の誘導尋問が息子に刺さりまくっているのが見えて辛い。
息子が示した主張の切実さは、私は傍聴席や陪審員のように固唾を呑んで見守りました。思い出しても涙が出そうだ。
あと犬ね。最高だったな。
話題作という事で
落下の謎を解剖していくのかと思って観ていたら全く別物でした。法廷劇と夫婦間の泥沼を解剖する作品で全くスッキリせず。視覚障害のある少年を見事に演じた子役の演技力に救われたので良かったですが。
真相は謎めいたままか?
22
ストレス感じたらあなたの負け
仕事でインタビューを受けている。
夫が家中に響き渡るくらいの大音量で音楽を流す。
ハゲチクリンの検察官にいら立ちを覚えたので、わたしの負け。
(映画作った人の勝ち)
そして、夫婦の職業、目が見えない息子、フランスの田舎の山荘に住むようになった経緯など、物語の背景が分かってくると面白くなったのでさらにわたしの負け。
(映画作った人の勝ち)
法廷でサンドラ・フラーが、フランス語から英語に切り替えて話す場面からギアが上がり、夫婦喧嘩のところで加速する。
今年映画館で観た本数は8本目だけど、「カラオケ行こ!」以来の当たり映画でした。
っぷはっ~!!!
落下したのは
カクカクした硬いタイトルだなーと思いながら映画館へGO。
舞台は、雪の山荘(居宅)での事件。
焦点は夫の死の真相。
裁判が進むうち、夫婦の様々な面が浮き彫りになってくる。
日々、色々な事が積み重なって、二人はうまくいかなくなっていく。
それ故、息子が目が見えないのにも経緯があるだけに、11歳の彼が証言しなくてはならない状況が悲しい。
妻サンドラの方が、意外な面が多かったなと思った。
物理的なものだけでなく 、夫婦関係も落ちて行ったのかもしれない。
キャストは皆さん初見。
サンドラはクールに見えたが、夫との諍いの場面ではそれが翻り、素晴らしい演技。
犬のスヌープも頑張っていた。
息子役の子も上手でかわいかった。いつも目の見えない役を演じる俳優さんて上手でかつ大変なんだろうなと思う。
起伏やどんでん返し的なものはなく、ミステリーを期待してしまって やや好みではなかったため星3つ。
2時間半がちょっと長く感じたかな。。
忠犬
感想やら考察やらを書き始めたキリがなさそうな,考えさせる映画。
ミステリーでも法廷ものでもなく,家族や夫婦の本質に迫るような怪作で,圧巻は夫婦喧嘩シーンか。
不仲の原因になりそうな材料を巧く盛り込みながらあくまで知的な装いを崩さない演出と中弛みしない演技力が凄い。逆に,論点ズレまくって感情的に罵り合って発散することで維持されている夫婦・家族ってきっと多いんだろうな,と思うと空恐ろしい。
真相は誰にもわからないが,明らかになっている事実のみに基づいて何とか折り合いをつけなければならない,というのが法曹の因果な責務なんだなぁ。
タイトルなし
予告だと完全犯罪サスペンスかと思い込んでた。日本の非人格的な法廷と異なり、いろいろ民度が違う。それでも検事のクソ解釈は最低だった。
夫婦の喧嘩のシーンは圧巻だし、夫が壊れていく様子が徐々に明らかになる。
この映画の主人公は子どもだ。一人になりたいとしたのは、自分で考えようとしたから。素晴らしい。確かに彼を保護しようとしても、ネットの言説は溢れている。すべてを聞き、知らなかった親の真実を知り、父と母の間で引き裂かれながら、彼は自立していく。
裁判の夜、母に会うのが怖かったのはそのせいだ。明らかに二人の関係性は変わる。
私自身も彼が本を出せなかった同様のシチュエーションを経験したので、見るのが苦しかった。
彼女のほうが自由奔放に見えるかもしれないけれど、こんな山奥に、しかも彼の故郷についてきた彼女の適応力と優しさのほうに、私は想像が及ぶ。彼女の言葉は攻撃的に見えても、彼の真実を言い当ててるだけ、迫力がある。これだけ苦しんでたんだから、もう少し優しくできなかったかとも思わないことはないけど、こんなふうにしか断ち切れなかったのだろう。時間をシェアするという方法ではなくて、彼のやり方を拒否するという形でしか、突きつけられないのも、もともと彼のほうが先生だかで優位にあったからでもあるかも。向き合わないという彼の言葉への反応が一瞬、彼女のわがままに見えても、それ自体が男の暴力なのだということが少しずつわかる。そして、子どもが遡及的に父の言葉を理解するくだりは素晴らしい。目が見えてなくても真実が見えている。
スクリーンの中で小説を読んでいるみたい
これは観た人それぞれに違った感想を持つのだろうな、そんな風に感じられる「行間を読む」ような、まるで小説の文章をなぞり想像を膨らませる作業を映像で見せられているみたいな感覚に陥りました。
もしかすると、冒頭のダニエルが息絶えたヴィンセントの近くに立ちすくむシーンすら事実ではないのかも?なんてスクリーンを後にするときでさえ心は乱れました。
法廷のシーンは話が逸れてしまいがちで、それが主人公たちの過去を紐解く鍵にはなるのですが、やや冗長かなとも思えました。
それにしても検察側のキャラは国は違えど似たような描き方になるのですね。
見ごたえありました。
音だけ聴いていた人と、視覚情報も交えた人との認識の違いとは何か
2024.2.26 字幕 京都シネマ
2023年のフランス映画(152分、G)
夫殺しを疑われる女流作家の裁判を描く法廷劇
監督はジュスティーヌ・トリエ
脚本はジュスティーヌ・トリエ
原題は『Anatomie d'une chute』、英題は『Anatomy of a Fall』で、ともに「落下の解剖学」という意味
物語の舞台は、フランス山岳地帯のとあるコテージ
そこにはフランス人作家のサンドラ(サンドラ・ヒューラー)と夫のサミュエル(サミュエル・タイス)、そして11歳の息子ダニエル(ミロ・マシャド=グラネール)が住んでいた
また、多忙な二人の代わりに週2階ほど代母としてモニカ(ソフィ・フィリエール)が手伝いに来ていたが、
その日、サンドラを訪ねて学生のゾーイ(カミーユ・ラザフィールド)がやってきた
ゾーイは作家として成功しているサンドラのことを聞きたいと思っていたが、サンドラは質問をはぐらかしながら、ゾーイと「おしゃべり」をしたいと言い出す
だが、3階の屋根裏部屋から突如大音響が流れ出し、それによって、二人の会話は中断せざるを得なくなった
やむを得ずにゾーイを帰したサンドラは寝室の作業場に戻り、ダニエルは愛犬スヌープ(メッシ)とともに散歩に出かけた
物語は、散歩から帰ってきたダニエルが、玄関先で父が倒れているのを発見するところから動き出す
司法解剖の結果、頭部の外傷が事故以外を否定できず、また警察の捜査途上でのサンドラとダニエルの証言の揺らぎを感じた検察は起訴に踏み切ることになった
サンドラは旧友のヴァンサン(スワン・アルロー)に助けを求め、「夫殺し裁判」に向かうことになったのである
映画は、夫転落死の顛末を追う中で、夫婦関係が徐々に暴かれて、崩壊していく様子を描いていく
検察側の状況から導き出された創作と、サンドラが見てきたものが対立する構造になっていて、殺人を断定する凶器も見つかっていないのに、検察はやけに強気で「有罪に思えそうな材料」を突きつけてくる
この裁判をダニエルが傍聴し、時には証言台に立つのだが、映画のメインは後半における「追加の証言」ということになっていた
映画が導き出すのは、落下事件によって解剖されていくものであり、「夫婦関係」「司法」「事件を取り巻く社会」などの「解剖」が同時に行われていくように見えてくる
その中で、「事実と思われるもの」を導き出すことになるのだが、それが真実かどうかはわからない
ヴァンサンがサンドラに忠告するのは「真実よりも人がどう思うか」であり、検察側は陪審員の心証を誘導することに傾倒しているように見える
また、ラストの追加証言では司法からの要請でダニエルの付き人になったベルジェ(ジェニー・ベス)が「どちらかに決めなければならない」という趣旨のことをダニエルに告げる
その言葉が決定機となって、「ダニエルが理解できる物語」というものが紡がれていくという構図になっていた
いずれにせよ、火曜サスペンス的なオチを期待していたら肩透かしを喰らう内容になっていて、有能な探偵も出て来はしない
検察も有罪ありきで動き、家庭内秩序を暴露していくのだが、それらを全て「耳で聴いていたダニエル」が、総合的に「理解できる物語を紡いだ」と言えるだろう
この瞬間の検事(アントワーヌ・レナルツ)の表情が全てを語っていて、ダニエルの理解を超える物語を紡げなかったことが敗因となっている
ダニエルが話し声を聞いたエピソードは、おそらくは前日に録音された時のケンカだと思われ、記憶の混在が起こったというよりは、ダニエルの意図がそこに介在していたようにも思える
ダニエルは積極的に何が起こったかを理解しようとしていて、その着地点が見えない仲で、家族を守るためのエピソードを紡いだという感じになっていて、その反証ができない検察が敗北した、という流れを汲んでいる
オチとして弱いと思えるが、サンドラとダニエルがともに「再会を怖がった」ということを話していたので、裁判では登場しない二人だけが知る物語があるのだと思う
それを守るためにダニエルが言葉を選んだように見えるのだが、映画の主題でもある「真実よりも印象」というものを如実に表した結末になっていたのではないだろうか
人間心理の解剖学‼️❓
少年の心、魂に寄り添い、切なくとも、苦しくて。
さすが、今年最高の脚本と演技です。
裁判の進行と、会話劇、何も浮き沈みの無い展開。
もはや、真実などなんて思う。
でも、最後に、帰宅が怖い、で、二人の罪の深さに慄く。
いろんなことが心に深く刺さりました。
冤罪の生まれ方、罪人が推定無罪で放任される姿、陪審員裁判の功罪、家庭内暴力に苦しめられる男、愛のある暴力妻、盲目の少年が愛を求める姿。
私が少年でも同じ方向性を求めただろうが、これほど冷静に、冷徹に、こなせたとは思えない。
今年、最高の、シナリオと演技でした、是非。
ミステリーではない
法廷ミステリーかと思ったら全然違った。
法廷パートは淡々と進み、メインは関わる人達のドラマかな。
ミステリーと思って見ていたので、若干の肩透かしを食らったけど、展開と演技に引き込まれました。
これは視点や考え方で色んな捉え方が出来る。
結末がどうとかではなく、それぞれのキャラクターがどうかんがえているのか、何を思っているのかを、考えながら観るのが楽しい。
この映画から何を得るのかは人それぞれ。
群像劇として楽しむのもよし、今の時代と照らし合わせて見るのもよし。
想像とは違ったけど楽しめました。
まぁ会話の間が独特なのでちょっと長さは感じるんだけどw
法廷モノと思ったら
夫の死にかけられた殺人疑惑を争う法廷モノ。と思って観たら、子供や周囲を巻き込んでの、法廷を通して、家庭崩壊を時間をかけて、じわじわと解き明かしていく、ドロっとした心理サスペンスだった。みんな色々な事情があるんだよね、きっと。潔白を訴えてるのにグレーな印象を与えた主人公の人の名演と脚本が良かったなあ。子役の子も良かったよね。
そして主人公が犯人か事故かもわからない、モヤっとした展開がなんとも言えない余韻です。(主人公が犯人かも?という想像の余白がある)
スカッとした逆転劇などないので、え?終わり?な人もたぶんいる。
裁判が淡々と
日本のメジャーどころの配給作品なら二転三転しそうな題材で、ある意味で淡々と裁判が進む。
でも退屈ではなく、息子さんが健気で、犬も助演賞ばりに良い芝居、表情をしてるように見えた。
真相はわからないけど、あの小説家先生は好きにはなれない。からか、ひっくり返りを期待してしまった。
サスペンス風の法廷劇と家族のドラマ
予告編はサスペンス・ミステリー的な感じで宣伝してるけど、それで結末を期待すると足元をすくわれる。
率直に言って、「裁判の結末なんて」「事実なんて」どうでもいいというのがこの作品のゴールであると言ってもいい。
法廷劇ってヤツは、勝ったか負けたかが物語の結末において重要な要素であるはずなのに、そもそも刑事事件において「勝ったか負けたか」なんて、たいした意味はないんだということに気付く。
そう。
その後も続く日常においては「勝ったからナニ?」なのである。
「負けないこと」にしか意味はないのだ。
むしろ「事実に基づく正しい判決なんて誰も期待していない」のは、我々観客が「おいおい、まだ俺たちをびつさせるどんでん返しがあるんだろ?」と思いながら迎えたラストを期待していたことで、ハッとさせられる。
あ、あの野次馬メディアと俺たち同じじゃん。
「お前達観客が欲しいのは、事実や
正しさではなく、より刺激的な結末なんだろ?」
ただ、それだけだと物語としてはただの肩透かし。
次々に明かされる証拠によって容疑者が二転三転する様なサスペンスに見せかけて、実は用意されたゴールはそんな場所ではない。
この作品はちゃんと家族や夫婦、そして法廷制度やその意義についてのメッセージを投げ掛けて来ていることに、後で気付くんだ。
法廷では本来大きな武器になるはずの「言葉」、それなのにその言葉の意味の曖昧さに自らの人生を委ねなくてはならない脆弱性。
さらには母国語で話すことができない不安。
大事なことは「事実かどうか」や「客観性」ではなく「陪審員たちを納得させるだけの説得力の有無」のみ。
決して主人公の女性は、そういう意味での「清廉潔白」な人物ではない。
エゴと欲望にまみれた俗人。
でも、だからこそ我々は身近に感じることができる。
「あれ、あなたですよ。」
「どーします?」
…たださぁ。
やっぱりエンタメ風味でお客さん誘ってる分、評価は高くならないよね。
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