「真実に辿り着くために暴かれる不必要な真実」落下の解剖学 Ordinary Guyさんの映画レビュー(感想・評価)
真実に辿り着くために暴かれる不必要な真実
結論をぼやかしたまま終わる、もやっとする系のストーリーかと思わせる雰囲気で始まるが、結論はちゃんと出る。そこに行き着くまでの紆余曲折が丁寧に描かれ、その秀逸な描写に没入しつつ、色んなことを考えさせられる。結論が出たといっても、やったかやってないか、の真実はもはや問題ではなくなる。
人が死ぬ、そして、そこに不可解があると、故人も周囲の人間も、こんなにも残酷に扱われるのか。せめて子どもだけは傷つけることなく、真実を追うことはできないものか。始終、頭の中はぐるぐるするけれど、後味は悪くない、中身のある映画だった。
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