「観客それぞれが勝手なストーリーをあてがえる変幻自在の法廷ミステリーすなわち『クレイマー、クレイマー』ミーツ『シャイニング』」落下の解剖学 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
観客それぞれが勝手なストーリーをあてがえる変幻自在の法廷ミステリーすなわち『クレイマー、クレイマー』ミーツ『シャイニング』
フランスの山間にある山荘に暮らす夫婦と一人息子と犬一匹。ある日犬と散歩していた息子が帰宅するとそこには父親の死体が。事故死か自殺かはたまた他殺か・・・からの法廷ミステリー。
結論、超オモロイ!152分と結構長尺ですがそれを感じさせない濃厚なドラマが凄い。しかし起伏に富んだストーリー展開というわけではなくて意味深なカットやセリフ、どうとでも解釈出来る発言や表情が次から次に観客に投げつけられる中で観客が真実は一体どこにあるんだとおのずと考えさせられるようになっているし、しかもその答えが実はどこにも用意されていないのに各人が深く納得してしまう。こんな話、そりゃあオスカーの脚本賞獲るわ。
もう主演のザンドラ・ヒューラー他芸達者な人しか出て来ないんですが、その中で一番の演技派が犬のスヌープ。壮絶な演技力に皆さんビックリすると思います。何気にこの名前が物語の核です。
と書いたところでピンとこないでしょうから言い換えるとこんな映画。
『クレイマー、クレイマー』ミーツ『シャイニング』
ということでちなみに私は事故死派です。
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