「リアルは悲しい」落下の解剖学 alvoさんの映画レビュー(感想・評価)
リアルは悲しい
今年は唸らせられる映画多いな、という中、一番考えさせる、そして一番時間を忘れて集中した作品だった。フィクションや妄想入っていた哀れなるものたちやボー、に比べて本当にリアルな家族像だったからか。イライラする展開はあれど、見入ってしまった。
夫婦喧嘩のくだり、私にはただひたすら夫の言ってることがめちゃくちゃで、病んでいる証明にしかならないと思ったんだけど、これは見る立場によってちがうんだろうか。
祖国を捨てさせ自分の故郷の山奥に連れてきた妻に対して、言葉も英語で時間も家事も夜の営みも全部君に合わせている、自分に自由がない、ってなんだそりゃ。酷い言いがかりも甚だしい。まあそれも煽りで小説のネタ?と思えば理解はできるけど。。でもこれが男女逆転してたら、ありがちなただの主婦のヒステリーって言われちゃうやつよね。
見ながら、本当に何かやった可能性もなくはないなと思いつつも、どうしても妻側に肩入れしてしまうのは自分が女だからなのか。検事や夫の主治医のセリフとか、本当に腹立たしいけど、まあ検事は暴くのが仕事だからあんなものか。実際に裁判傍聴しても嫌な気分になるのかな。
息子の覚悟が痛々しくて泣ける。
ダニエルくんが練習してるピアノ曲も、不安と焦りと哀しさを冗長させてとても印象に残った。
アルベニスのスペイン組曲、伝説(Asturias)
ショパンのプレリュード 四番e minor
どちらも昔触りだけ練習したことがある曲だけど、最早悲しい気分でしか聴けない😭
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